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ディー・エヌ・エー(DeNA)は、ゲーム・ヘルスケア・オートモーティブ・エンターテインメント・球団運営など、幅広い領域で横断的に事業を展開する日本でも有数のメガベンチャーです。
今回は、東大法学部卒で、マッキンゼー・アンド・カンパニーからも内定を獲得した上で、DeNAに新卒入社した大見周平氏にインタビューしました。
大見氏は、次世代幹部育成制度である「ネクストボード」の初代メンバー(2017年度。計10人程度で任期は1年)で、次代のDeNAを担う経営者候補と目されている若手のエースです。
個人間カーシェアリングサービスである「Anyca」の立ち上げなどに携わった後、社会人6年目にしてDeNAトラベルの代表取締役社長も経験。今後もさらに大きな成果を上げることが期待されています。
最終的にDeNAを選んだ決め手や、事業会社で身につける戦略・組織・業務の3つの力、そして、就活生に対して「ロジカルシンキングは要らない」と言い切る理由を語っていただきました。
「南場さんは“決めるの遅いやつ”嫌いだからね」と言われ入社決断
――大見さんの新卒就活はどのようなものだったのでしょうか?
大見:もともと、「ふつうにサラリーマンやってたら埋もれるな」という危機感があったことから、コンサルティングファームと事業会社を志望していました。当時は、「ソーシャル・ネットワーク」というFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグを描いた映画が上映されていて、すごく影響を受けました。
また、日本でも楽天やセカイカメラなどWebビジネスが隆盛してきていたのもあって、事業会社の中でも特にインターネット業界に関心がありましたね。
――DeNAにはどのような点に惹かれたのでしょうか?
大見:DeNAの説明会に行ったときに、創業者の南場さんが生き生きとしながら「世界一になる!」と語っていたのが、とても印象的だったんです。
その後、DeNAで長期インターンをさせてもらうことになるのですが、とにかく社員の方々の優秀さと熱量の次元が違いました。コトに向かうこと(本質的な価値の追求)を最も大事にしている組織で、アウトプットのクオリティはインターンでも容赦なく求められます。
そして、「3年後どうなる」なんてスパンではなく、「明日勝てるか」といつも考えているようなギラギラした熱量があったんですよね。
――その後、マッキンゼーとDeNAから内定を獲得し、2012年にDeNAに新卒入社されるのですよね。決め手は何だったのでしょうか?
大見:もちろん、マッキンゼーとは悩んでいました。
実は、両社から内定を頂いてからしばらくの間、DeNAで長期インターンを続けていたのですが、ある日、当時インターンをしていた社長室の上長から「てか、いつ決めんの? なに悩んでんの? 南場さん決めんの遅いやつ嫌いだからね」と問い詰められたんです(笑)。
そのとき、まるで決断力のない人間だと言われたみたいでイラっとしました。ですので「いや、まあ決まってるんですけどね(笑)」と答えて、そのまま南場さんに内定承諾を伝えに行きました。
DeNAで身につく戦略・組織・業務の3つの力
――大見さんはDeNAでのこれまでの仕事を通して、どのような能力が身につきましたか?
大見:事業を作っていく全般の筋肉が付きました。事業で必要な能力は主に戦略・組織・業務という3つの観点に分けられると思うので、順番に説明します。
まず、戦略というのは、コンサルがやっているように全体の青写真を描くことはもちろん、達成できそうな計画に落とし込むところまでが必要です。
次に、組織をつくるのに必要なのは、ざっくり「人間力」です。「フィー貰ってるんだし、プロだからやるでしょ」という精神ではなく、心から一緒に働きたいと思う/思わせる力でしょうか。
そして、結果を出して組織を支えるために、業務における「火事場の馬鹿力」というか、最後まで遂行する実行力が大切です。
――具体的に、印象に残っている仕事はありますか?
大見:入社1年目で、韓国オフィスに派遣されたときのことはよく覚えています。ソウルに居るメンバーは20人くらいなのですが、初めは現場に馴染むのにやや時間が掛かりました。全社的にインパクトのある戦略を考えながら、現場にも馴染まなければいけない。その時期は、白髪が相当増えました(笑)。
――それは大変ですね。どうやって乗り越えていったのでしょうか?
大見:自他共に認めるほど、「真っ直ぐに」事業に向かいました。すると、少しずつメンバーとの信頼関係やサービスへの愛着が醸成されてきたように思います。
そのあと、春に韓国オフィスと日本の本社で花見をすることがあったのですが、メンバー同士が仲良くお酒を飲んでいて、その光景が今でも脳裏に焼き付いています。本当に嬉しかったですね。
――先ほど戦略・組織・業務とおっしゃっていた意味がわかるような気がします。素敵なお話ですね。
大見:はい。あと、3年目に個人間カーシェアリングサービスのAnycaを担当していたときに、「アプリをApp Storeで公開」ボタンをポチっと押した時のことも鮮明に覚えています。1年かけてしっかり準備していたので、感無量でした。
リリース後も、各種メディアで「普段乗れない、珍しい車がたくさんある」と狙っていた通りの取り上げ方をしてもらったり、「安いから」「便利だから」というだけでなく、サービス開発にあたってこだわっていた「コミュニティ」機能が評価されたのも嬉しかったです。
「呼吸をするように意思決定できるようになる」コンサルとの明確な違い
――実は今でも、マッキンゼーやBCGなどの外資コンサルと、DeNAなどの事業会社で迷う就活生が多いんです。大見さんから見ると、両者にはどういう違いがありますか?
大見:まず前提として、外資コンサルで勤めたことがあるわけではないので正確な比較はしかねるのですが、DeNAでは意思決定を任される機会が多いように思います。
南場さんが「いっつも執行役員がやってると、若手が育たないじゃーん!」なんて言って、若手に裁量を与えて大きな仕事を任せたりするんですね。いわゆる、「機会で人を育てる」というような風土です。もちろん、決めたあとにボコボコにフィードバックを受けることもありますが(笑)。
でも、そうしていると、意思決定の力がついてきます。つまり、普段から一定のレベルの意思決定をしていると、そのレベルはまるで呼吸をするようにできるようになるんですね。そして、それより高くなると、また息苦しくなってくる。その繰り返しです。
コンサルだとおそらくその場数が踏めていないのか、コンサルで働いている友人が、ちょっとした経費申請で「この申請内容で大丈夫なのかな」と不安がっているのを見たりもしますね。
「挑戦的な選択」ができたのは、レールから外れた経験があったから
――「将来的には起業して事業をやりたい」と言いながら、外資コンサルなどに入社する学生が多いのはなぜでしょうか?
大見:これまで学歴とかが華々しかったから、社会人っていうもっと大きいフィールドになった時に「競り負けたらどうしよう」っていう不安があるのかもしれません。「裸一貫だとやられちゃうかも」みたいな。
ある意味で挑戦的な選択ができるかどうかは、人生の中で「レールから外れた経験」があったかどうかが大きいと感じています。あるいは、近くにそういう人がいたかどうか。似たような思想の仲間だけとつるんでしまっていると、違和感すら持たないことも多いです。
僕自身は、3歳までアフリカで育っていて、日本に来てしばらくはうまく順応できなかったんですよ。それで反骨心を持って育ったのが、自分のキャリア観を形成しているかもしれません。
就活生よ! ロジカルシンキングは要らない
――こういう学生と働いてみたい、というのはありますか?
大見:ロジカルシンキングとか無くていいので、ブレない芯のある学生さんがいいです。「人を大事にしたい」とか「チームのために尽くしたい」とか。どっかに芯があると、お互いに無いものを補い合える気がするので。チャレンジしなかったり、正解を求めたり、芯の無い言動をされると対等な同僚として付き合えない感じがあります。
あとは、好きなテーマがある人はいいなあと思います。DeNAって、ビジネスが好きな人は多いんですが、「俺、これが好きだから、これやりたい!」ってワクワクできる人が足りていないと感じます。なんか恥ずかしがっちゃう人も多くて(笑)。ですが、このテーマが好きって人で構成されている組織やサービスはちゃんと長生きする感じがあります。
――就職活動中の学生に向けてひとことあればお願いします。
大見:日本全体に伸びしろが無くなってきているので、勝ち残らないと老後も危ないとは思います。グローバルのフィールドで本当に生き残れるかな? というのは胸に手をあてて考えてみてほしいですね。
今日本を代表する数多くの企業も、10年後にはどうなっているか分からない。日本の産業が衰退したときには、ゼロから稼げる能力しか頼りにできない時代が来ます。なので、優秀な若い人こそ、ギリギリとれるリスクを取りながらそういう経験を積んでいっていただきたいですね。
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