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「絶対はない!」実践的クリティカルシンキングのススメ~現役コンサルタントが教える「思考力の磨き方」

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外資系コンサルティングファームで働く20代の若手コンサルタント・Shinさんは本業のかたわら、仕事のノウハウをまとめた人気ブログ「Outward Matrix」を運営しています。今年6月には、そのブログの内容をベースに『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた7つの仕事術』という本をダイヤモンド社から出版しました。

最初は「落ちこぼれ社員」だったShinさんが自分なりのやり方を模索し、苦労の末に見い出した「シンプルな仕事術」が分かりやすく紹介されています。その具体的なノウハウは就活生にも参考になります。Shinさんのようなコンサルタントを目指す学生に向けて、思考力を磨くためのコツについて聞きました。(取材・構成:亀松太郎)

思考スタイルと思考ツールは「一つずつあれば十分」

――今回は、コンサルティングファームを目指す学生のために、実践的な思考法をうかがえればと思っています。

Shin:実は、一つの思考スタイルと一つの思考ツールだけあれば十分ではないか。最近はそう思っているんですよ。

――そうなんですか!?

Shin:その思考スタイルとは、クリティカルシンキングです。批判的思考と訳されて、いろんな本が出たり、解説がされたりしていますが、私なりの定義で一言で説明すると「絶対はない」という考え方だと思っています。

――たしかに「クリティカルシンキング」でネット検索すると、いろいろ説明しているページが出てきますが、「絶対はない」というのはShinさん独自の言い方のようですね。どういう意味でしょう?

Shin:まず、「絶対がある」という主張に賛同する人はほぼいません。つまり、多くの物事に「絶対はない」ということには、みなさん、納得していただける。でも、就職活動になると「絶対外資系に行ったほうがいい」とか、「絶対商社がいい」「絶対メガバンがいい」というように、「絶対○○だ」という意見を鵜呑みにしてしまう人が多いんですよね。学生だけでなく、社会人でも、「部長が言っているから絶対やるしかない」とか、言いがちです。

――言われてみれば、そうですね。

Shin:そこで「絶対はない」というシンプルな原則があれば、思考が変わってくるのではないか、と。何か大事なことを考えるときに「それって、絶対じゃないよね。なぜ、そう言えるんだろう?」と問い返す癖をつけていく。「このES(エントリーシート)は100パーセント、絶対通るだろう」と思ったら、「いや、絶対はない。何か改善できるところはないだろうか」と考えてみる。そうすると、謙虚になれるし、考えも深まっていきます。

――なるほど。

Shin:外資系志望の学生は鼻っ柱が強い人も多いですが、自分は優秀だと過信した結果、最終面接で落ち続けてしまうということがあります。そういう人は「俺の意見は絶対正しいんだ」という態度がにじみ出て、人に嫌われてしまう。逆に「愚かな私の考えなので、たぶん違うんですけど・・・」という枕詞をつける癖をつけておくと、相手もすごく聞きやすいし、「謙虚なのに鋭い意見を言うな」と好意的に思ってもらえる。面接でも「絶対はない」という思考スタイルは有効なんです。

――自分のことを客観的に捉えるきっかけになりそうですね。

Shin:一方で、就活生の中には学歴がそんなに良くないために「お前なんか、外資系は絶対無理だ」と言われてしまう人もいるでしょう。たしかに、就活で学歴は重要な要素です。でも「絶対はない」のです。たとえば、学歴が低くても、長期インターンでどこかの会社に入って、打開策を探る方法もあるでしょう。他人から「あきらめたほうがいい」というプレッシャーを受けたときに「絶対はない」と考えて、プラス思考に転換することもできるんです。

――そういう姿勢は「懐疑心を持つ」とも言い換えられそうですね。

Shin:そうですね。ただ、常に疑問を持ち続けるのは、私のような凡人には難しいことです。そこで「絶対はない」と言い換えをしているんです。「絶対はない」という考え方は、どんな事象にも適用できますから。

ロジックツリーを「書きまくる」のがオススメ

――Shinさんが推奨する思考スタイルは「クリティカルシンキング」、言い換えると「絶対はない」ということだと理解できました。では、思考ツールについては、どうでしょうか?

Shin:思考のツール、フレームワークには、SWOTや3C、4Pなどいろいろありますが、一番わかりやすいのは「ロジックツリー」だと思っています。

――ロジックツリーというのは、特定の問題をツリー状に分解していって、論理的に原因や解決法を探す手法のことですね。

Shin:ロジックツリーというと「知っているよ」という人も多いと思うんですが、実際に誰かの話を聞きながら、ホワイトボードで整理していこうとすると、ほとんどの人が正確にできないんですね。いわゆるMECEを満たしながら、厳密にロジックツリーを書いていくのは難しいんです。

――具体的には、どういうことでしょう?

Shin:たとえば「人間を複数の種類に分けてください」というとき、「男性」と「女性」に分ける人が多いと思いますが、本当に正しいのか。男性の体を持っていて女性の心を持っている人もいれば、その逆もいる。正確に言えば「男性の体を持っている人」と「女性の体を持っている人」に分けるべきなんです。さらには、両性具有の人やどちらの性別も持ってない人もいるかもしれないので、「それ以外」ということまで考えた上で分解していく。

――就活で重要な「自己分析」にも応用できそうですね。

Shin:就活生ならば、自分が理想とするキャリアをまず2つに分けて、そこからどんどん分解していけばいいでしょう。最初は「就職する」「就職しない」から始めてもいいと思います。就職すると決めているのであれば、「外資系」「日系」でもいいし、「ベンチャー」「大手」でもいい。どういう要素に分けるかは人によって違いますが、自分はこれからどうしたいんだろういうことをいろいろ考えていって、すべての選択肢を洗い出してみると、頭が整理できると思います。

――ロジックツリーは、グループディスカッションでも使えそうですね。

Shin:どちらかといえば、ブレストの道具として有効でしょうね。グループディスカッションでは、根本の問題をつかんだ後に、2つに分けることをやっていく。どんどん分けていって打ち手が出そろったところで、実行可能性とインパクトという2つの軸で切れば、いいディスカッションになるはずです。先日は、ダイヤモンド社の企画でサイバーエージェント取締役の曽山晢人さんと対談させていただいたんですが、「20代のとき、ロジックツリーを書きまくっていた」と話していました。

――ロジックツリーを「書く」という話がありましたが、頭で考えるだけでなく、紙やホワイトボードに書き出すのが大事でしょうか?

Shin:人間の頭って、そんなにメモリーがなくて、5分前に話したことも覚えていない。長い話をしたい場合は、記憶装置である紙やホワイトボードにロジックツリーを書いて、思考のプロセスを残しておくことが必要だろうと思います。

「自分はバカだ」と認めるのが成長への近道

――「書く」ことによって、「自分がどこまで思考できていて、どこで詰まっているのか」が明確になるし、後で振り返ることもできる、と。

Shin:実は、就活生でもマッキンゼーとかにシュッと入ってしまうような人は、頭の中のホワイトボードに書いているんですよね。周りから見ると「この人の話し方はすごくロジカルで分かりやすいな」となるんですが、そういう人はもともとそういう思考ができたか、紙にたくさん書いて訓練したかのどちらかです。ほとんどの人はいきなりできないので、まずは書きまくってみる。それでトレーニングするのがいいんじゃないかと思います。

――就活では、自分の思考をいかに分かりやすく相手に伝えるかという「表現」の部分も重要ですよね。特にコンサルタントは、コミュニケーション能力が大事だと聞きます。そこはどうやって鍛えればいいのでしょうか?

Shin:コンサルタントとして何よりも重要なのは、お客様に信頼されることです。いくら素晴らしいアイデアがあっても、お客様に話を聞いてもらえる素地がなければゴミになってしまう。そして、信頼されるためには、まず相手のことを「理解する」ところから始めるのがいいでしょう。

――どういうことでしょう?

Shin:相手の話を聞かない人の話って、聞きたくないじゃないですか。どんどん自分をアピールしたいという気持ちはわかるんですが、まず「この会社はどういう人を求めているのかな」「この会社で働いている人はなにを思ってるんだろう」と考えてみるのがいいと思います。なぜかというと、相手のことを理解していなければ、自分のことを理解してもらうのは無理だからです。

――コミュニケーション全般に言えることでしょうね。

Shin:結局のところ、就活は「相手を理解する努力」と「自分を理解してもらう努力」の2つをすればいい。ただ、自分を理解してもらったとしても、「そういう人ならばいらない」と相手の企業に思われると、採用してもらえません。いくら自己PRのプロになっても、アピールする価値がある自分が存在していなければ、とってもらえない。なので、なるべく早い段階で「いまの自分には価値がない」と気づいて、そこから一生懸命になれるかどうかがカギになるんだと思います。

――ただ、Shinさん自身は大学時代に「優秀な学生ではなかった」と、著書の中で書いていますね。

Shin:典型的な「高学歴バカ」でした。真面目なので、受験勉強は一生懸命やって、ある程度いい大学に行けました。でもそこで、何をすべきなのかを見失ってしまって・・・。テストで「自分の意見を書け」と言われても、どう書いたらいいのかよく分からなかった。大学受験と同じように答えがあると思っていたんですよね。自分の頭で考えて、何かをするというのは、何もできませんでした。

――同じような悩みを抱えている高学歴の学生って、結構いるのではないかと思います。そんな学生に向けて、何かアドバイスはありますか?

Shin:私が会社で高学歴なインターン生に言っているのは「自分のことをバカだと認めたほうが早く成長できるよ」ということです。狭い範囲では、あなたは頭がいいかもしれない。でも、もっとすごいコンサルタントはたくさんいるし、世界全体で見れば、ノーベル賞を受賞するような優秀な頭脳の持ち主もいる。そういう天才たちから見れば、どの人もバカなんですよね。だから、バカでもいいから、とりあえず何かやってみようぜ、と勧めています。


Shin某外資系コンサルティングファームにてマネジャーとして勤務する20代男性コンサルタント。 大学卒業後、コンサルティングファームに就職するも、仕事がまったくできず「劣等生」の烙印を押され、うつ病寸前まで追い込まれる。 退職を考えるも、最後の気力を振り絞り、落ちこぼれの自分のためのオリジナルの仕事術を考え、実践。その結果、1年後には社内の評価を一変させ、他社から引き抜きの声がかかる存在にまで成長。 現在は、外資系コンサルティングファームのマネジャーとして、企業の成長戦略業務等に携わっている。 また、勤務の傍ら、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」を運営。若手に向けた仕事術やマインドに関する記事が評判を呼んでいる。学生向けに無料講演も実施している。

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