日系大手入社数年で転職希望?
こんにちは、外資就活 編集部です。
外資就活ユーザーのみなさんの中には最初から転職ありきの就活をしている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は高学歴の方だからこそやってしまいがちな就活の失敗例とその後の転職で直面する厳しい現実を、弊社が運営する、若手プロフェッショナル向けキャリアアップ支援サービス「Liiga(リーガ)」の現役キャリアアドバイザーSさんに語ってもらいました。元外資就活のユーザーで大手企業に就職した先輩達が、入社数年で転職を希望するのはどんな理由からなのでしょう。そして転職する際にはどんな点で苦労しているのでしょうか。
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Sさんは「若手プロフェッショナル専用のキャリアアップ支援」としてここ3カ月で100人以上の若手プロフェッショナルとお話ししています。ユーザーの約90%が20代です。
就活のツケが回った人達とは
――Sさんとお話しするユーザーで転職を希望されている方には、具体的にどういうタイプの方が多いですか?
Sさん:大きく分けると2種類ですね。「横滑りタイプ」と、「日系大手から外資に転職するタイプ」です。
(1)横滑りタイプ
Sさん:例えば、外資系のコンサルや投資銀行から同業種へ横滑りするという方が多いです。また、いくつかのコンサルティングファームを経て将来は起業を目指している方もいます。例えば有名なDeNAの南場智子さんやネットスーパー「Oisix」の高島宏平さんも、もともとはマッキンゼー出身ですよね。
いずれにしても、「成長したい」という人や「今のキャリアを捨ててでも新しい環境でチャレンジしたい!」「社会のために、より価値のある仕事がしたい!」と考えている人が多いでしょう。
(2)日系大手→外資タイプ
また一方で、新卒採用でせっかく日系大手企業に就職したのに、入社2~3年で外資系企業に転職を希望するという方も本当に多いんですよね。例えば、コンサルで働いている友人を見て「自分と違って面白そう・・・転職したい!」というパターンです。
そういうユーザーに「新卒の時には外資受けなかったんですか?」と聞くと、
「大学時代に受けたのは金融や商社。外コン・外銀の存在すら知らなかった」
「世の中に出て初めて外資がやっている業務に興味を持った」
「有名な外コンの名前は知っていたが、動きだしが遅く年明けから就活を始めたので間に合わなかった。だから応募すらできなかった・・・」
といった返事をされることが非常に多いんですよね。
つまり、大手の日系企業に新卒ですんなりと就職できるほど優秀なのに、就活で「妥協」してしまったため入社後に自分のキャリアに対して満足できないというわけです。もちろんそれにはいろいろな理由があるんでしょうけど、転職を希望する人にはこういう方が圧倒的に多いだけに、本当にもったいないなと思います。
――「妥協」して日系大手に就職した方は現在の職場に対して、具体的にどんな点に不満を持っていますか?
Sさん:例えば「配属リスク」という言葉はみなさん一度は聞いたことがあると思います。本選考中や内定をもらったあとに、自分のやりたい業務を人事部に伝えていたのに、入社後フタを開けたら全然興味のない部署に配属させられたというケースですね。「人事にだまされたんですよ!」なんて怒っている人もいますが、採用担当者だって優秀な人を採用したいですから、その程度の嘘ならつきますよ。大企業なら人事マネジメント上、避けられないことでしょう。
私がいまお話しさせて頂いているユーザーで、総合商社に勤めている方々はほとんど「本当はM&Aを行う事業部に行きたかったのに・・・」「もっとグローバルな仕事ができると思ったのに・・・」という不満を持っています。M&Aがやりたかったのにという不満は、大手金融機関でもよくありますね。毎年、内定者が何百人といる中でM&Aの部署に選ばれるのは結果的に東大の理系院生わずか3~4人という感じらしいので、こうしたケースも配属リスクといえるかもしれません。
しかし、これを「回避できないリスク」と言い切って本当にいいんでしょうか? 実際に人気の高いM&A業務や海外の主要都市で勤務できるポストが全体のほんの1割にも満たないということは、企業研究やOB訪問をすれば分かることですよね。そのうえ、こうした転職希望者にM&Aにこだわる理由を聞いても、「でかい仕事がしたいから・・・」「大きい影響力を持ちたいから・・・」といった、ざっくりとした回答しか返ってこないことがほとんどです。私からすれば就活で自己分析や企業研究に時間をかけなかったツケが回ってきたとしか言いようがありませんね。
転職者の苦労とは
――なるほど。そういう方は転職活動でも苦労されるのではないでしょうか?
Sさん:そうですね、苦労の度合いも人それぞれで一概には言えません。高学歴で日系大手に勤めていている自負もあってか、「GSとかマッキンゼーも狙えますよね?」と本気で考えているような方もいます。新卒でGSやマッキンゼーを受けて落とされた経験がないので、どれだけ難しいかが分からないんでしょうね。コンサル業界への転職希望なのに選考にケース面接があることすら知らないユーザーなどは、そもそも苦労するしない以前の段階といえます。
この間も、ある外コンの勤務年数が数年のユーザーに「PEファンドに行きたいんだけど」と相談されたケースがありました。PEファンドの業務をご存知なさそうだったので、「外コン勤務という肩書は一切関係ありません。コンサルタントとしての実力だけでなく、法律や財務会計、コーポレートファイナンス、リーダーシップ、ロジカルな思考力といった、あらゆる分野のスキルが求められます。あなたのこれまでの経験で大丈夫ですか?」とお伝えしたところ、自分には無理ということが分かったようでした。
外コンの人でさえご自身のキャリアプランや超一流企業に転職することの難しさについて分かっていらっしゃらない方もいるくらいですので、日系大手の方はなおさらです。だからこそキャリアアドバイザーが転職希望者と採用企業のニーズをくみ取ってサポートをしています。
転職市場と比べた場合、新卒採用はすべての学生に対して「どうぞいらっしゃい!」と大歓迎してくれているようなものです。社会人になってしまったらめったにお会いできないような人とも会うことができたり、会社の中に入ってみることができるのは新卒の今だけです。そんな絶好のチャンスを、いま苦労している転職希望者はなぜ逃してしまったのかと思うばかりです。
夏が終わっても内定のない高学歴就活生へ喝
――「まだ就活しなくていいや」と思っている学生に向けてメッセージをお願いします。
Sさん:外資就活ドットコムのライター「何者」さんが「まだ内定が出ていない19卒へ19卒が物申す!」というコラムで、「今の時期に内定持っていない人は一流層じゃない」と書いてましたね。その通りだと思います。たしかに、「総合商社や他の日系企業に行きたい!」と確信が持てるぐらい自己分析がしっかりとできている人や、部活・サークルに専念している人は、いま外資の内定を持っている意味はあまりないです。しかし、なんとなく興味がないから就活を始めてないというのは本当に損してますよ。
それに大学生は社会人に比べたら基本的にヒマですよね(笑)。それなのに時間を持て余した挙句、説明会解禁日になってやっと就活を始めて、「大企業ならどこでもいいや」と妥協して無難な企業に就職してしまう。高学歴の優秀な方ほど、こんなケースが多いのではないかと思います。私がいま抱えているユーザーのように就職したあと後悔して転職活動に四苦八苦するくらいなら、「とにかく、いましっかり就活やれよ!」と思います。受験勉強よりはるかに時間がかからないですし、自分の人生を見つめ直す良い機会ですから、1カ月くらい就活について本気で考えたほうが良いと思うんですよ。
――外資系企業含め、興味がない業界も見るべきですか?
Sさん:はい、そう思います。とにかく、キャリアプランを考えるうえで「可能性」を狭めることはしてほしくないです。そもそも就職活動はまず可能性を広げることからスタートしますからね。
私の経験談をお話しすると、理系院生だったので学校推薦があり、行きたい職場には行ける環境だったんですよ。しかし、「そうした少ない選択肢から企業を決めたらあとで絶対に後悔する」と思ったので就活を始めました。説明会は全業種のトップティア企業を100社ぐらい行ってましたね。OB訪問も40~50人ほどしました。
実際に説明会などに行って社員さんに会うと、その企業のカラーが本当によく分かるんですよ。当初、私は広告業界が第一志望だったんですが、社員さんと話してみたら想像していた以上に体育会系で年功序列な社風であることに気づき、興味が一気に失せました。他にも、説明会で会った男性社員がみんな七三分けでドン引きした企業や、内定者がテニサーみたいなヤツばっかりで「自分とは合わないな!」と感じた企業もありました。
新卒で就職したのはリクルートだったんですが、就活をはじめた当初は志望業界でもなかったですし、まさか自分が新卒でリクルートに就職するなんて思いもよりませんでしたね。友達から勧められてインターンに参加してみたら、とにかく周りの学生が優秀で非常に刺激を受けたんです。少なくとも別の会社では絶対に出会うことができない仲間でした。就活には可能性を広げることで初めて見えてくる「おもしろさ」が絶対あると思うんですよね。
新卒は企業の中を見る貴重な機会なんで、とにかく説明会やOB訪問をたくさんして聞きたいことは全部聞くべきだと思いますよ。
悲惨なキャリアを歩まないために
いかがでしたでしょうか。売り手市場とはいえ「本当に自分の適性に合った会社への内定」を目指すとなると、新卒市場も転職市場も甘くはないようです。
インターンにはなんとなく参加したけど現時点で内定ゼロの方、分厚い就活本を買っただけの方、外資就活ドットコムには登録したけどコラムをただ読んでいるだけの方は、まずできることから始めてみましょう。
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