
【イベントレポート】〈第1回〉「Engineer Guild Hackathon(エンジニアギルドハッカソン)」(20241119)
2024/12/19
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外資就活ドットコム(株式会社ハウテレビジョン)で運営するエンジニア・コミュニティ「Engineer Guild」で、第1回となるハッカソン、「Engineer Guild Hackathon」(EGH、エンジニアギルド ハッカソン)を開催しました。
ハッカソンは11/9に予選を行い、通過したチームで11/16に決勝を行いました。また、協賛企業としてサイバーエージェント、日本マイクロソフト、PKSHA Technology、エムスリーの4社を迎え、審査員に参画していただきました。こちらのイベントレポートでは、ハッカソンの流れと参加チームのプロダクト、選考の内容などを詳しく紹介します。
9月6日に実施した「ハイレベルハッカソン」(第0回としています)のイベントレポートはこちら
「Engineer Guild Hackathon」イベント概要
対象
ソフトウェアエンジニア志望の学生
流れ
- ・事前説明:11/2(土)
- ・開発期間:11/2(土)〜11/8(金)
- ・予選:11/9(土)
- ・決勝:11/16(土)
賞金
- ・優勝:50万円(1チーム)
- ・準優勝:20万円(1チーム)
- ・3位:5万円(1チーム)
- ・4,5位:1人当たり7,500円
- ・参加者1人当たり5,000円
参加チーム
17チーム
課題
以下の課題をもとに、プロダクト開発に取り組んでいただきました。
「テクノロジーを使って、インバウンド観光客(外国人観光客)の体験を最高に」
観光情報の提供方法や、移動手段、食事・宿泊の手配、観光地での交流体験、文化理解の促進など、訪日外国人観光客が日本滞在中により良い体験を享受できるようなプロダクトを開発してください。
観光客が日本での時間をスムーズかつ満足度の高いものにするための課題に着目し、各チームでアイデアを出し合い、クリエイティブな解決策を提案してください。
評価項目
以下、5つの観点で審査員が評価を実施しました。
- ・実用性
- ・創造性
- ・ユーザビリティ
- ・完成度
- ・プレゼンテーション
予選会レポート
各チームにプロダクトを通して課題を解決するよう開発を進めてもらい、プロダクトのコンセプトを発表してもらいました。以下が発表内容の要旨です。
参加チームが多いため、「レーン1」「レーン2」に分けて発表を実施しました。発表をもとに決勝に進むチームを決め、決勝日までの間でプロダクト開発を進めてもらう形でハッカソンを実施しました。
(記載は発表の順番になります)
◆「レーン1」◆
1. チーム21
- ・プロダクト名:「TRIP BUDDY」
- ・プロダクトの特徴:位置情報を使った案内機能、NFCを使ったスタンプラリー、AIを使ったChatBotで旅を彩る
- ・設定した課題:インバウンド向けの課題改善。旅行中の体験向上
- ・選定技術:
- ・フロントエンド:Google Maps API、Nuxt、VUETIFY
- ・バックエンド:OpenAI API、LangChain
2. チーム3
- ・プロダクト名:「Universal Map for Foreigner」
- ・プロダクトの特徴:ハンディキャップを持つ観光客に対してユニバーサル対応の施設情報を提供する
- ・設定した課題:土地勘がないため道の想像ができない
- ・選定技術
- ・フロントエンド:Ract
- ・バックエンド:spring boot
3. チーム14
- ・プロダクト名:「Traveler Spot」
- ・プロダクトの特徴:観光目的地を検索するとバスの時刻表が直感的なUIで見れる
- ・設定した課題:非ツアーの観光客にとってバス情報のわかりづらさ
- ・選定技術
- ・Flutter、SQLite、Google Maps API
4. チーム4
- ・プロダクト名:「Culture Lens」
- ・プロダクトの特徴:テクノロジーを使ってインバウンド観光客の体験を高める。調べたいものを撮影することで詳細な情報を得られる
- ・設定した課題:観光客にとって文化、言語、予算の壁が大きい。ガイドブックなどでは表面的な情報しか得られず、詳細情報や歴史的背景を理解できない
- ・技術選定
- ・Flutter、LangChain、OpenAI API、Firebase、Camera Package
5. チーム1
- ・プロダクト名:「MyJapan」
- ・プロダクトの特徴:個々人で異なる旅行のプランを最適化し「あなただけの旅行工程」を提案するサイト
- ・設定した課題:既存の旅行サイトやブログはVol.の多い情報に偏っており、パーソナライズされていない
- ・技術選定
- ・フロントエンド:HTML、CSS、JavaScript
- ・バックエンド:JavaScript、OpenAI API、Google Maps API、GCP
6. チーム17
- ・プロダクト名:「Traverl AI Assistant」
- ・プロダクトの特徴:AIチャットを通してスムーズに旅行プランがつくれてホテルやツアーの予約まで行える
- ・設定した課題:旅行の手配が煩雑
- ・技術選定
- ・フロントエンド:React
- ・バックエンド:Next.js
- ・多言語対応:i18n
- ・AIチャット:Dify API
7. チーム10
- ・プロダクト名:「NECORD」
- ・プロダクトの特徴:旅先の音を録音しMapに記録することでアプリ上で猫を育てる。地元民からの情報を手に入れられる
- ・設定した課題:住民と観光客の理解不足や、情報の画一化によるオーバーツーリズムにつながっている
- ・技術選定:
- ・フロントエンド:JavaScript、ReactJS
- ・バックエンド:Flask、Python、MySQL
8. チーム16
- ・プロダクト名:「SmaGoMap」
- ・プロダクトの特徴:SmaGoと連携可能なゴミ箱位置検索サービス
- ・設定した課題:観光地でゴミ箱の場所がわからない
- ・技術選定:React、React Leaflet。CLOUDFLARE
9. チーム8
- ・プロダクト名:「Whispra」
- ・プロダクトの特徴:日本語での会話支援アプリ。英語で音声入力し、簡潔な日本語に翻訳することで、日本語で会話ができる。使った単語を保存し、オリジナル辞書を作れる。日本人と会話した場所を記録できる。
- ・設定した課題:言語、文化の違いによるコミュニケーションの障壁
- ・技術選定:TypeScript、Tailwind CSS、shadcn UI、clerk、ChatGPT API、GCP
◆「レーン2」◆
1. チーム13
- ・プロダクト名:「AJM(Adventure-Japan-Map)」
- ・プロダクトの特徴:Map上に良いと思った場所を登録できる。多言語対応している
- ・設定した課題:?
- ・技術選定:
- ・フロントエンド:TypeScript、React
- ・バックエンド:Express
- ・ORM:Prisma
- ・DB:MySQL
- ・CI:GitHub Actions
- ・デプロイ先:Vercel
2. チーム12
- ・プロダクト名:「いただきます」
- ・プロダクトの特徴:アレルギーを持つ観光客が店員に自分のアレルギーを伝えられ、食を楽しむいことができる
- ・設定した課題:アレルギーがある人が世界に2億5000万人いるが、コミュニケーションの壁があって伝えづらい。しかし既存の日本アプリは多言語対応されていない
- ・技術選定:
- ・フロントエンド;NextJS
- ・バックエンド:Go
- ・インフラ:Teraform
- ・DB:GCP、Azure
3. チーム18
- ・プロダクト名:「FREEAT」
- ・プロダクトの特徴:NG食材、お気に入りの店などを登録することによって、安全に日本食を満喫できる
- ・設定した課題:宗教や文化的理由で食事制限がある観光客が、日本食の食材がわからずに満喫できない
- ・技術選定:
- ・フロントエンド:Next.JS
- ・バックエンド:Ruby on Rails
4. チーム6
- ・プロダクト名:「Menu Bite」
- ・プロダクトの特徴:メニューを撮るだけで料理名や説明が見れて、味などの情報がわかる。注文画面を生成することで簡単に注文が行える
- ・設定した課題:メニューが外国語対応していない場合や、写真がない場合はメニューを見てもどんな料理かわからない
- ・技術選定:
- ・フロントエンド:Flutter
- ・バックエンド:FastAPI
- ・ChatGPT API
5. チーム11
- ・プロダクト名:「Uber Guide」
- ・プロダクトの特徴:地域住民による簡易ガイドマッチング機能により、日本人との交流やガイドを受けることができる
- ・設定した課題:言語障壁、交通機関の使いづらさ、文化の違い、日本人との交流機会。既存の外国人向けアプリでは十分に解決されていない
- ・技術選定:
- ・フロントエンド:React Native、TypeScript、Expo
- ・バックエンド:Express.js、TypeScript、Firebase Firestore
6. チーム7
- ・プロダクト名:「NIPPON GOSHUIN QUEST」
- ・プロダクトの特徴:ご当地クイズに答えることで御朱印を集めることができる
- ・設定した課題:日本での体験をより良くし、また来たいと感じられるようにする
- ・技術選定:React、TypeScript、GeminiGemini、気象情報API、Firebase、NFT
7. チーム15
- ・プロダクト名:「Yeah!-Yen!」
- ・プロダクトの特徴:スマホに会計を入力すると現金管理デバイスから最適な支払い額が自動で出てくる
- ・設定した課題:キャッシュレスに対応していない店が多い上、硬貨のデザインの特徴がわかりにくく現金会計の難度が高い
8. チーム9
- ・プロダクト名:「FoodMatcha」
- ・プロダクトの特徴:宗教やアレルギーに対応し、食べられないものを避けられる
- ・設定した課題:食べられないもの、食べたくないものを食べずに済ませたいが言語の壁があって大変
- ・技術選定:Django、React、Python、TypeScript、vercel
予選の結果発表と講評
チーム6、チーム8、チーム12、チーム15、チーム16が決勝に進出となりました。
■サイバーエージェント
- チーム8:「Whispra」
- ・競合サービスが多い中で、助詞を外すというのが面白かった。
- ・データベース設計ができている、AIを利用した処理技術が高評価。
- チーム16:「SmaGoMap」
- ・類似サービスのポジティブ、ネガティブを加味して設計に生かしてる点がよかった。
- ・自前でラズパイをホスティングしてコスト削減に取り組んでいる点も評価ポイント
- チーム6:「Menu Bite」
- ・メニューの写真を撮るというシンプルな動線が良かった
- ・LLMを補完に活かしている点が実用的でよかった
- チーム15:「Yeah!-Yen!」
- ・店側に入れると大変なことも多いが、ユーザー側に視点を当てる点が独創的でよかった
- ・インタビューからモックをつくり、留学生からフィードバックをもらってる点もよかった
- ・ソフトウェアにとらわれず、物理デバイスの制作に挑戦している点がチャレンジングで良い
- チーム12:「いただきます」
- ・ペルソナからユーザーストーリーを作り、根拠の裏付けをしっかり取っているところが良かった
- ・今後の展望に負荷試験などを踏まえている点が楽しみに感じた
総評:全チーム、ターゲットやペルソナなどマーケティング視点を持てている点が素晴らしかった。課題と解決策が明確に紐づいていることがサービス開発において大事になるので、今後も意識して取り組んでいただきたい。
■日本マイクロソフト
- チーム8:「Whispra」
- ・カタコトでも話せることの体験が大事だと考えていて、実装もほぼできている状態の完成度が高かった
- チーム16:「SmaGoMap」
- ・観光客以外も使えるサービスになりそう
- ・クラウドの時代にあえてラズパイでホスティングしている点が面白かった
- チーム15:「Yeah!-Yen!」
- ・着眼点が面白かった。マーケットニーズやビジネスモデルまで考えられている点が素晴らしかった。技術的な部分が興味深かったので、決勝でそこを聴きたい。
- チーム6:「Menu Bite」
- ・困りごとをテクノロジーでわかりやすく解決している点が素晴らしかった。技術的にも深堀されていて、OCRやLLMを活用し、それらの課題にも着眼している点が良かった。
- チーム12:「いただきます」
- ・アーキテクチャが素晴らしかった。これから1週間でどれくらい完成度が高まるかが楽しみ。
■PKSHA
- チーム15:「Yeah!-Yen!」
- ・アイデアが圧倒的に独創的だった。リサーチが徹底されていて、プレゼンもわかりやすかった。実現面でハードルが高いドメインだが、チーム力が高くて楽しみ
- チーム6:「Menu Bite」
- ・OCRや生成AIを活用してチャレンジしていて良いと思った。競合も多いので、UIのブラッシュアップを楽しみにしている
- チーム12:「いただきます」
- ・同じドメインのテーマが多い中、ユーザーストーリーベースでとてもわかりやすかった。技術的にも深く練り込まれており、どこまで完成度が上がるか楽しみ
総評:PKSHAでもプロダクトの社会実装をテーマに取り組んでいるので、同じビジョンを持って取り組んでいるチームが多く共感した。
■エムスリー
- チーム15:「Yeah!-Yen!」
- ・ソフトウェアの開発だけではチャレンジできないハードウェア開発にも手を出している点が素晴らしかった。プレゼンを見ることでハードウェアの必要性や将来性も感じられて面白かった
- チーム12:「いただきます」
- ・SRE力が高いと感じる技術選定だった。特にインフラの構成図などが一歩抜けていると感じた。技術的なキャッチアップを熱心にしていることがわかった
- チーム6:「Menu Bite」
- ・市場調査をしっかりしていて課題設定が上手だった。その上で取りうる選択肢をしっかり検討し、技術的な挑戦もしている点が良かった
総評:新しいエンジニアが育っていると感じてすごくワクワクした。時代的にエンジニアが増える流れになってるが、しっかりこだわってプロダクトを作れているということを感じた。チャレンジができるエンジニアになってほしい。
■ハウテレビジョン
- チーム8:「Whispra」
- ・課題設定で既存サービスの比較などをしっかりしていて精度が高かった。UXもしっかり検討されていた
- チーム16:「SmaGoMap」
- ・発想の独自性が良かった。課題にどのようにアプローチしていくのかの設計がよく、UXの利便性も深く考えられていた。
決勝レポート
主に、予選後に重点的にアップデート、開発を行った部分について紹介します。
チーム6:「Menu Bite」
日本語のメニューを理解できることをメイン機能に、注文や日本の思い出として記録できるサブ機能をブラッシュアップした。GoogleとOpenAIのAPIをフル活用し、検索やAIによる理解のアシストを得られるのが大きな特徴で、プロンプトの工夫や処理速度の向上などにも注力した。
◆質疑応答
- Q:マネタイズするならどんなアイデアがあるか?
- A:APIのリクエストによる処理速度の向上はできないので、そこに広告を出すなどを考えている
- Q:店舗名をGPS登録で登録する場合、重複してしまうなどが想定されるが解決策はあるか?
- A:サジェストに対して、ユーザーが任意選択し修正できるように考えている
- Q:実装で一番苦労した点は?
- A:スマホアプリは初めてで、Flutter使用も使ったことがなかったので、環境構築に1日かかった
- Q:料理名は店によって結構違う場合があると思うが、店が登録するのではなく生成する方向にした理由は?
- A:店が登録する場合はソフトウェアが完結できないので、他力に頼らずに成立するアプリを作りたかった
- Q:日本人が海外の店で使う場合にも使えそうだが、そういうテストはしたか?
- A:外国語メニューに対してはしていない。日本語のメニューに対してもうまくいかないことがあったので、ChatGPTを活用することで精度があがるかなと考えた
- Q:メニューやお店によって情報が異なると思うが、そのあたりの精度をどこまで検討したか?
- A:プロトタイプをまずはつくるために、シンプルなメニューで対応できるようにした。どの飲食店にも対応できるようなプロダクトにするのが今後の課題
チーム12:「いただきます」
注文アプリなので、店舗のブランディング観点からも他店舗のページなどには遷移できない独立したアプリとして実現できるほうが良いと考えて設計した。日本にある82万の飲食店で取り入れ可能で、増えるインバウンド需要に対して日本食の体験を向上できることが目標。今後は様々な国のアレルギー規格に対応でき、店舗のDX化に向けた機能の開発も考えている。
◆質疑応答
- Q:着眼点は素晴らしいと感じた。一方でアレルギーカードを実装するという方向にせず、オーダーに紐づけた展望があれば聞きたい
- A:日本特有のメニューをアレルギーカードだけで解決するのは難しく、コミュニケーション面でも課題が残るので、アプリ上にオーダーまで表示することで解決できると考えた
- Q:アレルギーで事故が発生したときにアプリ提供会社側にも責任が発生しそうだがどうか
- A:アレルギー食材の設定は店側にやってもらうように考えていて、OCRもそれに活用する。また、世の中のアプリがアレルギーや外国人向けに設計されているものが少ないと感じるので、そういった意識を世の中に醸成することも目標
- Q:外国人向けなのにアプリ名が「いただきます」なのはなぜ?
- A:訪日外国人が日本語を唱えて食事をすることをイメージしたから
- Q:フィルターをかけるという観点が面白かったが、他にもフィルタリングする項目はあると感じた。ユースケースの幅だしなど、チームで検討したのか
- A:宗教など様々な観点に展開することは考えていて、全ての人が同じ食卓を囲めるようになるのがゴールだと考えている
- Q:導入にあたって店側のアプリは店舗に購入してもらう想定の場合、すでにハードを導入しているツールとの競合差分、乗り換え等についてどんな議論をしたか
- A:小さい商店とかだとそもそもメニューが手書きの場合とかもあるので、まずはそういう店舗にOCRを検討してもらうことを想定していた
- Q:Google Cloudの上に様々なサービスを構築してつくっていたが、普段から使ってるものを活用したのか、新しいチャレンジで採用したのか
- A:普段から無料トライアルなどで積極的に試している。ドメインを分けることを考えたときに、今回の構成じゃないと実現が難しそうだったので採用した
チーム15:「Yea!-Yen!」
ハードの開発検討にあたって、プロダクトもモデリングにblenderを用いて3Dオブジェクトを作成した。硬貨の判別はニューラルネットを活用。最適な支払い方法を求めるアルゴリズムを考えた場合、動的計画法(DP)を用いて移動する硬貨の移動を最小化するように実装した。ハードウェアはARDINOを使って7SEGに変換して表示するように開発した。
◆質疑応答
- Q:画像認識はローカル処理にしていると思うが、外部のAPIを叩いて認識するようにしなかった理由は?
- Aローカルで動かす以上、ネット環境等に不安があったため
- Q:金額の入力はスマホで行い、ハードウェアで支払うという仕様なのか
- A:デモの都合上スマホ連携としたが、本来はハードウェアで完結すのが目標
- Q:硬貨を含めデバイスが重くなりそうだが、軽量化の戦略などはあるか
- A:お釣りのやりとりはパターン想定上20枚で収まるので、硬貨の枚数はその想定。デバイスは計算の速さを優先していた考えたのですこし矛盾があるかもしれない
- Q:マイコンにARDINOを選定した理由は
- A:多機能なラズパイよりもARDINOの方が高速化がしやすかったため
- Q:ハードウェアを作ることと、スマホアプリで金額を表示することの差分をどう考えているか
- A:スマホアプリだけだとスマホ、商品、財布の3つを扱う必要がある点が煩わしい。ハードのみで実装することでそれが単純化できると考えた
チーム8:「Whispra」
TypeScriptを使うのが4人中2人が初めて触る言語だったので、Dev containerを採用して拡張機能を使いながらエラーの早期発見等に活かして開発した。また、開発手法にCI/CDを用いて、デプロイ後のミスを最小限におさえることができた。アプリは、音声認識に加えて手打ちでフォローできるように設計し、より使い勝手が良いようにした。言語の処理中にロゴを回すなど、UIにも工夫をした。
◆質疑応答
- Q:日本語の他言語への変換は対応していないのか
- A:今回はインバウンド向けのアプリということだったので、対応しなかった
- Q:単語ベースで会話をするという発想は面白かった。実際に外国人に使えそうかヒアリングなどはしたか
- A:現状していない
- Q:外国人にとって助詞を使うのは大変なので、着眼点がよかった。ゲーム性の学習を検討していると言っていたが、現時点でアイデアはあるか
- A:特定の単語を使うことでスコアをつけレベリングするようなイメージを持っている
- Q:競合の翻訳アプリなどが多いが、開発にあたってどんなアプリやハードを想定をしていたか
- A:現時点でハードは想定しなかったが、日本語でのコミュニケーションに視点を置いたアプリは他にないように感じた
チーム16:「SmaGoMap」
ユーザー向けの工夫点として、言語をなるべく使わなくて良いUI設計とした。また、ユーザー登録やダウンロードを不要にし、使うことの障壁を下げるようにした。
将来的にAPIではなく独自アルゴリズムを導入できるように、バックエンドサーバーを設けた。ラズパイのオンプレミス環境で動作させることで、運用コストを下げた。今後は、SmaGoの運営会社と連携を強化していきたいと考えている。
◆質疑応答
- Q:開発で一番大変だったことは
- A:サーバーのデプロイ作業が大変だった。あと、業者向けの回収経路の計算が難しかったので、APIを活用するようにした
- Q:オープンストリートマップのデータは自前でホスティングしているのか
- A:既にあるものを使っている
- Q:ゴミは表示のバグなどで苦情にもつながりやすいとおもうが、クライアント側のフォローなど運用に向けての展望はあるか
- A:現状そこまでは考えられていない
- Q:SmaGoを選んだ理由と、これからのアライアンス先の想定は
- A:位置情報を取得でき、圧縮機能があるという点で連携ができれば良いと考えた。他のプロダクトとの連携も視野に入れている。アライアンスは、補助金の観点などもふまえ自治体を考えている
- Q:SmaGoが普及してない場所などで、ゴミ箱の場所をユーザーが投稿したりするような機能は考えているか
- A:他のサービスとの連携などで、ゴミ箱の情報があつまるプラットフォームにできると良いと考えている
結果
審査の結果、最終順位は以下のようになりました。評価項目に則り、それぞれのチームが評価されたポイントを紹介します。
1位:チーム8「Whispra」
審査員の多くが「実用性」「創造性」「完成度」を高く評価し、特に翻訳機能と独自のアプローチが印象的でした。
- 実用性
- 翻訳機能の実用性
コア機能としての翻訳機能は非常に実用的で、 観光 や 学習 シーンでの役立ちが強調された。特に、初来日者や訪日外国人向けにすぐ使えるアプリとしての評価が高い。 - 付加機能の拡張性
辞書登録や位置情報と紐づけた機能は「思い出に残す」「学習に活用できる」点で高く評価された。
- 翻訳機能の実用性
- 創造性
- 助詞省略の独自アプローチ
助詞を省いて覚えやすくする観点が「斬新でありユニーク」と評価され、競合との差別化が図られている点が好評だった。 - カタコト表現の面白さ
「外国語をカタコトの日本語で表現する」というアイデアが、現地での体験や言語学習促進に役立つと評価された。
- 助詞省略の独自アプローチ
- ユーザビリティ
- シンプルで直感的なUI
シンプルでわかりやすく、直感的に操作できる点が多くの審査員に評価された。 - 改善余地の指摘
言語切り替え機能や細かなUIの改善(例: 辞書登録時の補完、ボタンサイズ調整)が挙げられたが、コア機能は問題なく使えるレベルと評価された。
- シンプルで直感的なUI
- 完成度
- プロトタイプの品質
プロトタイプが既に「実際に使えるレベル」に達していると評価された。音声認識や単語表示機能などがしっかりと動作しており、完成度の高さが好評だった。 - クリニックや観光での実用性
現在の機能でも「クリニックでの通院」や「観光での活用」に十分対応できると評価された。
- プロトタイプの品質
- プレゼンテーション
- わかりやすい構成と流れ
技術的背景やデモを含めた発表は論理的でわかりやすいと評価された。
- わかりやすい構成と流れ
- 技術的挑戦
- 高度な技術活用
デブコンテナやCI/CDの導入、Cloud Vision APIやChatGPT APIの組み合わせによるOCR精度向上への試行錯誤が評価された。 - 技術のモダン性
使用経験が少ない技術への取り組みや、現代的な開発手法を活用している点が高評価だった。
- 高度な技術活用
2位:チーム6「Menu Bite」
「実用性」「ユーザビリティ」「技術的挑戦」のバランスが取れたプロダクトとして高く評価しており、特にAI技術の活用とシンプルな解決策が好評でした。
- 実用性
- 観光客向けの課題解決
観光客がよく抱える課題(例: 言語障壁やメニューの理解)に焦点を当てた点が多くの審査員から評価された。 - シンプルで現実的な機能
店員に画像を見せるというシンプルな解決策が「実現可能性が高い」と好評で、実用的で即使えるレベルの完成度が高く評価された。
- 観光客向けの課題解決
- 創造性
- 生成AIを活用した情報提供
翻訳機能だけでなく、料理画像生成や適切な説明文のキュレーションが「ユニークなアプローチ」として評価された。 - SNS共有や情報キュレーションの工夫
SNS共有機能や説明生成など、単なる翻訳を超えた要素に新規性が感じられると指摘された。
- 生成AIを活用した情報提供
- ユーザビリティ
- 直感的な動線設計
カメラ画面をトップに配置することで、アプリの動線が明確で使いやすいと評価された。 - 多言語対応のシンプルな操作性
写真を撮るだけで使えるシンプルなユーザー体験が特に評価され、「初心者でも直感的に使える」とのコメントが目立った。
- 直感的な動線設計
- 完成度
- プロトタイプの品質
基本機能がしっかりと動作しており、現時点でも十分に実用レベルと評価された。 - エラー処理や拡張性への配慮
値段取得のエラー処理やJSON出力への言及など、細かな技術面の工夫も評価された。
- プロトタイプの品質
- プレゼンテーション
- デモ進行とスライド構成
デモの進行やスライドの強弱、視覚的な完成度が高く、プロダクトの魅力や価値がしっかり伝わったと評価された。
- デモ進行とスライド構成
- 技術的挑戦
- AI技術の活用
Cloud Vision APIやChatGPT APIを組み合わせ、OCR精度の向上や誤り訂正への取り組みが評価された。 - モダン技術への挑戦
Flutterやプロンプトエンジニアリングなど、新しい技術やツールを活用した点が好印象だった。
- AI技術の活用
3位:チーム15「Yea!-Yen!」
審査員からは「逆張りの発想」「観光課題の理解」「技術的な挑戦」が評価されました。一方で、デバイスのサイズ問題や実用性の検証、技術の簡素化が課題として挙げられました。
- 実用性
- 観光客の現金支払い課題の解決
訪日外国人観光客の「現金支払いに関する不便さ」を解消するという課題設定は、観光現場のニーズに合致しており、一定の評価を得た。 - 実用性の課題
「アプリ単体での解決でも十分ではないか」との意見が複数あり、実用性の検証が求められた。
- 観光客の現金支払い課題の解決
- 創造性
- 逆張りの発想
キャッシュレス化が進む時代に、あえて「現金支払いの課題」に焦点を当てた点が「独創的で面白い」と評価された。 - ハードウェアの試み
ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた点や、小銭最適化のアルゴリズムは「新しい取り組み」として好評価だった。
- 逆張りの発想
- ユーザビリティ
- わかりやすい操作設計
空港でのデバイス貸し出し形式や、直感的に使えるカメラ画面の設計が評価された。 - 改善点の指摘
ハードウェアが「大きすぎる」「持ち運びに不便」という声が多くあり、小型化・軽量化が求められた。
- わかりやすい操作設計
- 完成度
- 精度向上の期待
ユースケースに合わせた精度向上や軽量化を図ることで、完成度がさらに高まると期待された。
- 精度向上の期待
- プレゼンテーション
- ロールプレイによる効果的なデモ
支払いシーンのロールプレイや具体的なデモが「インパクトがあった」と評価された。 - 課題感の伝達
実際のインタビュー結果や課題設定が明確であり、観光客の問題意識がうまく伝わっていた点が評価された。
- ロールプレイによる効果的なデモ
4位:チーム12「いただきます」
「食物アレルギー問題の着眼点」「アレルギーカードの進化」「技術構成の工夫」が評価されました。一方で、シンプルな機能への改善提案が課題として挙げられました。
- 実用性
- 明確な課題設定
食物アレルギーという「失敗が許されない重要な課題」に着目した点は評価された。外国人観光客やアレルギー保持者にとって役立つと指摘された。 - 課題と実装の差
店舗側の導入が必要であるため、実際にどこでも使える汎用性が低い点が指摘された。
- 明確な課題設定
- 創造性
- アレルギーカードの進化
従来の「アレルギーカード」から一歩進んだアプリの提案は筋が良く、ハラル対応や外国人観光客のサポートに広げた点が高く評価された。 - 着眼点の良さ
食物アレルギーという「死活問題」に着目した点や、コミュニケーション課題に挑戦した点が評価された。
- アレルギーカードの進化
- ユーザービリティ
- 視覚的でわかりやすい設計
アレルギー情報がアイコンやグラフィカルな表示で直感的に伝わる点が評価された。メニューの画像表示もイメージしやすいと好評だった。 - 改善点の指摘
「アレルギーを含まないメニューのみ表示する」といったシンプルな機能の方が、ユーザー視点では使いやすいとの意見があった。
- 視覚的でわかりやすい設計
- 完成度
- 体験設計の不足
「複数人で訪れた場合のメニュー表示」や「注文時のアレルギー対応」について、ユーザー体験をシンプルかつ安全に提供する必要があると指摘された。
- 体験設計の不足
- プレゼンテーション
- 課題感の明確な伝達
ユーザーの課題やペルソナ、体験ベースのストーリーが示されており、仮説設定には納得感があった。
- 課題感の明確な伝達
5位:チーム16「SmaGoMap」
「課題設定の着眼点」「シンプルな設計」「観光客向けの実用性」が評価されました。一方で、「ダミーデータの使用」「追加機能や情報拡充」が課題として挙げられました。
- 実用性
- 観光客や外国人向けの課題解決
ゴミ箱の少なさや位置が分かりにくいという観光客の課題に着目し、使えるサービスとしての可能性が評価された。特に外国人ユーザーにとって実用的な視点は好評だった。 - 普及の課題
SmaGOへの依存が強いため、普及率が低い地域では使えない点が指摘されました。さらに、データの拡充やUGC(ユーザー生成コンテンツ)で解決するアプローチも考えられるという指摘があった。
- 観光客や外国人向けの課題解決
- 創造性
-
着眼点の良さ
ゴミ箱の場所が分からないという問題に着目した点や、「ホテルへの設置」「スポンサー名募集による費用確保」といった発想が面白いと評価された。
-
独自性の不足
SmaGOに依存しない独自性や強みをもっと明確に示す必要があるとの意見があった。
-
- ユーザビリティ
- シンプルな設計
体験が絞られており、デザインはシンプルで直感的に使える点が評価された。視覚的な要素を重視し、ユーザー登録不要とした点も良いポイントとされた。 - 改善点の指摘
ゴミ箱が見つからない場合の代替案や案内があるとさらに良いという指摘があった。
- シンプルな設計
- 完成度
- コア機能の実装
ゴミ箱検索機能の基本的な部分は実装されており、プロトタイプとして実現したいイメージが伝わったと評価された。 - 改善の余地
ユーザー体験や追加機能(例: リクエスト機能や収集者向け画面)の拡充が求められた。
- コア機能の実装
- プレゼンテーション
- 課題設定の明確さ
ゴミ箱の少なさや位置不明という課題感が明確に伝えられ、観光客の視点に立った提案として評価された。 - 魅力の伝達不足
プロダクトの強みやSmaGOとの差別化が曖昧で、「使いたい」と思わせる強い魅力が伝わらなかったとの指摘があった。
- 課題設定の明確さ
- 技術的挑戦
- 技術構成の堅実さ
プロジェクトはオンプレミス環境で賄われており、技術選択や構成が評価された。 - 標準的な技術の範囲
技術的には標準的であり、新規性や高度な技術挑戦という点では不足があるとの意見があった。
- 技術構成の堅実さ
おわりに
ハッカソンの終了後は、交流会を実施しました。参加者の方と、審査員企業の方たちが技術の話題などで親睦を深めました。
各チーム、非常にレベルの高いプロダクトを開発されており、多いに盛り上がりました。審査員として参加した企業からの評判も非常によく、「ぜひエンジニア採用を受けてほしい」といった声も多く聞かれました。
Engineer Guildでは、今後もハッカソンをはじめとしたイベントを実施して参ります。ぜひ、ご参加ください。
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