相談室回答者

社会人

相談室回答者

学生時代から30年以上京都大学に在籍しています.2018年に共同創業者として大学発ベンチャー企業を立ち上げました.

勤務先京都大学大学院情報学研究科教授 & クアドリティクス株式会社COO

経歴等

相談室回答者さんの回答一覧23

有酸素運動を取り入れたくて自転車を始めようかと思っています。しかし始めようとは思っても、どういう自転車を買ってそのような距離・ペースで始めればいいのかわからないので、ご教授お願いします。

質問していただいていることに気付いていませんでした.すみません. ーーーーー 自転車で有酸素運動をしたいのであれば,極端な話,ペダルを漕ぐタイプの室内運動機器を買うのも候補になります.安いのであれば数万円で買えると思います.雨の日でもトレーニングできます. 本物の自転車を購入する場合,スポーツバイクをお勧めします.ロードバイク,クロスバイク,グラベル(ロードバイク),マウンテンバイクなどです.ママチャリでも有酸素運動はできますが,自転車に乗ることを楽しむのが難しいと思います.なお,形だけのなんちゃってスポーツバイクは避けて下さい.折角の機会なので,自転車に乗る楽しさを味わえるよう,それなりの自転車を購入して下さい.新品なら最低でも5万円でしょうか.10万円くらい出せると選択肢が広がります. 私はトレーナーでも何でもないので,距離やペースについて適切に助言することはできません.ただ,有酸素運動ということですので,全力で漕ぐのではなく,会話できる程度の速度ではしるのがいいでしょう.最初は1〜2時間くらいから始めてはどうでしょうか.たぶん,お尻が痛くなるので.信号がある道は走りにくいので,近くのサイクリングロードを探してみて下さい. その他,自転車の選び方などについては,私が書いた以下のメモも読んでみて下さい.参考になれば幸いです. 自転車を買う,乗る,楽しむ https://note.com/dr_kano/n/n9b14e28f5718 新入生向け講義の質疑応答番外編:サイクリングはいいぞ! https://note.com/dr_kano/n/na49cd3897096

回答日:2022/05/03

京都大学工学部物理工学科機械システム学コースの学部3回生の者です。私は制御工学に興味があり、機械理工学群のメカトロニクスの方面か情報学研究のシステム科学専攻か迷っています。興味対象はシステム科学専攻の方が多いのですが、せっかく4力をしっかり勉強したし...という気持ちもあります。システム科学専攻の方でも物理の知識は活かせるでしょうか。
また、システム科学専攻の就職先が知りたいです。推薦がどれほどあり、またどのような企業で、どのような仕事をするのかのイメージがつかないのも不安の一因となっております。
長くなりましたが、是非回答頂けると嬉しいです。

回答日:2022/05/03

線形代数や微積の重要性を大学生では理解できず、実際に社会人になってからの実務で気づくパターンは多いと思います。このような事象は授業の際に実務と関連付けて説明することで防げると思われますか?
(一方で、大学は就職する学生のための予備校ではないので何ともいえないポジションですが。。。)

自分の経験から,数学(線形代数や微積分など)がどのように役立っているかを具体的に伝えることで,学生に数学を勉強する動機を与えられると思います.このため,「授業の際に実務と関連付けて説明すること」は極めて有用だと考えています. 実際,工学部の一回生を対象とした講義で,自分の研究(データ解析の産業応用)を紹介しつつ,線形代数が極めて重要で,線形代数を理解しなければ,こういう研究はできないという話をしたところ,面白くないと感じていた線形代数を勉強してみようというモチベーションが湧いてきたというコメントが多数ありました.実際に勉強したかどうかはともかく,教員として学生の意欲をかきたてるのは最重要な使命のひとつだと思います. 私自身,大学一回生で履修した線形代数と微積分学は苦痛でした.固有値・固有ベクトルが・・・と言われても,δ-εが・・・と言われても,「それがどうしたの?何の役に立つの?」としか思えず,単位が取れる程度にしか勉強しませんでした.しかし,大学院でプロセスデータを用いて製品品質を予測したり異常を検出したりする方法を研究するようになり,多変量解析をはじめとして,あらゆる道具が線形代数を基礎にしていることを知り,猛烈な勢いで勉強し直しました.自分の不勉強さを棚に上げて,こんなに使いまくるものなら一回生の時にそう言っておいてくれれば・・・と思ったものです. そのような経験を踏まえて,私自身は,数学の講義をするときには,それが線形代数,微積分,フーリエ解析など何であろうと,実際にどのように使われているかを伝えるようにしています.

回答日:2021/04/14

難しいことを分かりやすく説明する能力はビジネスパーソンや学者として大切なスキルだと考えています(例えば自分が担当している仕事の領域について、専門知識がない人に教える場面)。
一方で、難しいことを難しいまま、高度なレベルで話す・伝える能力も大切だと考えます(これは同じ部署内、研究室内で前提知識がみんなある状態での場面)。
これを両方できるようになるには、どういう訓練をするといいと思われますか?個人的には後者の力はわりとあるという自覚がありますが、前者はちょっと苦手意識があります。
加納先生は論文の実績等もありながら、学生へ向けたブログなど分かりやすく、どちらの力もあると思い質問させていただきました。

どちらも大事な力だと思います.私は人に教えるのが好きで大学に残ったこともあり,前者もうまくできる方だと思います(妄想かもしれません). 前提として,私は,自分が理解していないことは伝えられないと考えています.このため,徹底的に理解することが大事だと思っています.難しい専門用語を使って専門家に説明することはできるが,素人には説明できないとしたら,その専門用語を噛み砕いて説明できるほどには理解していないのではないでしょうか. 難しいことを分かりやすく説明するためには,自分の言葉で説明できるようになる必要があると思っています.その訓練方法としては,何か自分が勉強していることについて,自分で解説文を書いてみるのがオススメです.このとき,誰が解説を読むのかを具体的に決めて下さい.前者の訓練がしたいなら,例えば,大学新入生(専門分野の知識はない)とかでしょうか.詳しく書いたメモがありますので,参考にしてみて下さい. お勧めする勉強方法1:自分の言葉で解説を書く https://note.com/dr_kano/n/nd2867285d61c もし付き合ってくれる奇特な友人などがいるなら,人に教えるのも良い訓練方法です.私の研究室では,私や先輩学生が教えてもらう立場になって,新しく研究室に所属した学生に基本的なことを講義してもらい,基本的な質問をこれでもかというほど投げつけます.質問が初歩的であればあるほど,回答に窮することが多くなります.この経験を通して,自分がどれだけ理解できていないかを思い知ってもらい,さらに深く勉強してもらいます. お勧めする勉強方法2:人に教える https://note.com/dr_kano/n/n253b54c9d6a8 勉強方法に正解がないように(向き不向きはある),ご質問の訓練方法にも正解はないと思いますが,参考になれば幸いです.

回答日:2021/03/15

4月で高3の受験生になる現2年生です。京都大学を志望しているのですが、絶対に勉強したい学科というものだったり、絶対にここで働きたいっていう会社が特にありません。こういう場合、どのようにして進路を選ぶのが後々後悔せずに済むと思われますか?

心配無用です.私も大学進学するときに絶対に勉強したい学科や絶対にここで働きたいという会社があったわけではありませんが,こうして生きています. もちろん,何かやりたいことがあって,その実現を目指して,進学先を選択するのは素晴らしいことだと思います.でも,そうではなくとも,行く先々で出会いがあり,学びがあり,それらが自分の生き方に大きな影響を与えます.たとえ第一希望の大学や学部に進めなかったとしてもです.それは不本意なことかもしれませんが,人生にとって悪いことだとは限りません.ありとあらゆる機会を活かすも殺すも本人の気持ち,気の持ち方次第です. さて,いただいた質問は「どのようにして進路を選ぶのが後々後悔せずに済むと思われますか?」です.私の回答は「できるだけ後々まで選択肢を多く残すようにするのがいいのではないか」です. 京都大学かどうかは別にして,少ない科目を受験したらよいところではなく,多くの科目を受験しないといけないところを選ぶ.例えば,数学を勉強しないで済むところではなく,数学も勉強しなければならないところを選ぶ.自分の能力を高めておけばおくほど,知識を増やしておけばおくほど,いざ何かをしたいと思ったときに,それができる可能性が高まります.それに,能力や知識がないと,したいことも思い付かないかもしれません.見聞を広めておくのは大切です. お勧めするわけではありませんが,成績が優秀であれば,入学後に学部や学科を変わることもできます. とにかく自分の能力を高めるという方向性で選択を続けていけば,道は開けると思います.

回答日:2021/02/17

京大情報学科の3回生です。質問をさせていただきます。
以前どこかで、情報学研究科の准教授の先生は教授に昇任されない決まりがある、というツイート(?)を目にしたのですが、この規則により、例えば准教授の先生が京大を離れてしまい、その先生の指導を受ける学生の研究が滞った、あるいは続けられなくなった、といった事例はあるのでしょうか。
私は、研究室配属にむけて様々な研究室を調べている中で、ある准教授の先生の研究に惹かれ、今その先生の研究室に入りたいと考えています。また、現状博士号を取得したいとも考えており、将来的にその先生のもとで博士進学する可能性があります。しかし、その先生が在学中に京大から異動されるかもと思うと、これは今後の研究生活を送る上での最初の選択として最良なのか、と悩んでしまいます。また、先生が京大を出るならついていけばいいじゃないか、とも思いますが、就職等を考えると京大という学歴を捨てることに抵抗があります。
研究室配属および指導教員を選ぶ際には、教員が京大を離れてしまう可能性についてどれほど考えるべきなのかについて、加納先生のご意見を伺いたいです。よろしくお願いいたします。

博士後期課程への進学を考えていると,教員の異動は気になりますよね. まず,准教授が教授に昇任できないという規則はありません.一方,准教授が所属研究室でそのまま教授になるのは簡単ではありません.というのも,教授選考は公募になるためです.広く人材を求めるため,相当な実績を有していることが必要になります.加えて,研究内容などを含めて,組織が目指す方向性にある程度は合致していることも必要になります. 規則とは無関係に,准教授であれば,他大学に良いポストがあれば,そこに応募します.このため,准教授が他大学に移ることはよくあります.ただ,研究指導委託をするなど,研究指導を継続する制度があるため,必ずしも学生の研究が滞ったり,続けられなくなったりするわけではありません.現在はオンラインで議論もできるので尚更です. このように,どの大学院,どの研究科であっても,自分が大学院生として在籍している間に,准教授が研究室を離れることはありえます.このため,そのことをあまり気にしても仕方ないように思います.そうは言っても,気になると思いますので,博士後期課程への進学まで考えているなら,その先生に面談を申し込んで,話をするのがよいと思います.気になることは何でも質問するのがよいです.質問して大丈夫です. 「就職等を考えると京大という学歴を捨てることに抵抗があります」というのもわかります.学歴フィルターとか言われますからね.ただ,博士後期課程ともなると,「どの大学か?」というのはあまり意味を持たなくなり,「どのような実績や能力があるか?」「誰が指導教員か?」といったことが重要になってきます. これから学部4回生になり,いよいよ本格的に研究を始める時期ですね.質問者さんが楽しい研究生活を送れるますように.

回答日:2021/01/11