荒川さんは博士課程からコンサル企業に就職されるとのことですが、アカデミックの現場に残らないことを決めた理由はなんだったのでしょうか??
この質問への回答 1件
相談室回答者
環境に優しいバイオマス素材の理系博士学生 / 環境問題に制度・ビジネスからアプローチするために総合コンサル・シンクタンクにエントリー / 総合コンサル・シンクタンク就活に関する質問、 環境問題・サステナビリティに関わる職種についての質問、 やりたいことがあってコンサルタントを目指す方の質問(社会問題に取り組みたい等) / お気軽にDMください
結論を申しますと、
・アカデミックに進もうと考えたことは一度もありませんでした。理由は親族にアカデミアで働いている人がいて、その方の転勤や先行きが不透明なキャリアのおかげでご本人や家族が苦労されている(心を病んだ方もいました)のを見ていたからです。
・博士に進学を決めたプロセスは下の感じです。
①メーカーでバイオマス素材の研究をして環境問題を解決したい。
②しかし、専攻の先輩の中で、修士卒の先輩達は企業では専攻と関係ない・バイオマス素材とは関係ないことをしている人が多かった。
③一方、博士卒の人たちは比較的、専攻と近しいこと・バイオマス素材に関することをやっている人たちが多かった
④メーカーでバイオマス素材をするためには、博士まで行って専門性を身につけてそれを企業に買ってもらうのがいいのではないか
⑤じゃぁ行くか
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一応「技術から心が離れて、メーカーへの就職をやめた経緯」も再掲しておきます。(以前別の質問でいただいた回答と同じです。)
①私自身も研究者の適性・能力がないと感じることが多かった。
②技術者は、環境問題の解決ではなく技術に興味がある人が多い
バイオマス素材の研究をしている人は、バイオマス素材そのものが目的な人が多いです。彼らは素材の不思議な物性、構造の謎等々、素材そのものに興味がある人が多く、必ずしも環境問題に興味がある訳ではありませんでした。
一方、私は素材は手段であり、目的・興味は環境問題の解決に興味がありました。
そこでいろいろな温度差を感じることが多かったので(彼らの中にはパリ協定もCOP26もTCFDも知らない人もいます)、研究はやめました。
③環境問題の解決策はバイオマス素材ではないかもしれない
スタバのストローの代替がバイオプラスチックではなく紙であったように、石油プラスチックの代替は必ずしもバイオプラスチックではないかもしれません。
さらに言うと石油資源の代替は必ずしも再生可能資源ではないかもしれません。メタバースが我々を脱・物質の世界に導いてくれるかもしれません笑
これは小売がアマゾンに、新聞がインターネットに、テレビがYou Tubeやネトフリに代替されつつあることにも似ています。技術・産業は、別分野の圧倒的な技術を持つディスラプターな企業(主にIT・デジタル)に駆逐されることがしばしばあります。
そうなった時に、私は素材と心中する気が起きませんでした。ただ、環境問題の解決とは心中はできるかなと思ったので、コンサルタント・シンクタンクを選びました(理想は私の仕事がない世界です笑)。
回答日:2022/06/01

