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こんにちは!26卒日系大手内定者のひわちゃんです。この記事では自分史や高校以前のエピソードを聞かれた際の対処法について解説します。
新卒就活では一見して大学時代の内容ばかりが聞かれると思われがちですが、多くの日系大手企業では高校時代、中学時代、さらには小学校や幼稚園までさかのぼって学生の人柄を知ろうとする傾向があります。そのため今回の記事では、高校以前のエピソードを話す際に何を意識すればよいか、日系大手に内定した私の失敗や成功体験も踏まえつつお伝えします。
「自分史」が出される業界・企業
まず最初に、自分史面接が日本の就活でどれほど重要か知っていただくために、自分史が出題される企業の例を挙げていきます。結論、皆さんに人気の多くの日系企業では自分史に関連する質問がされる可能性があり、十分な対策が必要です。
商社
自分史が出題されやすい業界一つ目は商社です。企業が自分史を聞く理由として、学生の人間性を正確に知るためというのがあります。総合商社では社員の人間力を武器に顧客との信頼を勝ち取り、事業投資やトレードにつなげていくという性質があるため、採用では人間性を把握することが何よりも重要になります。特に三井物産のESでは2000字を超えるボリュームで自分史を書くことになるため、対策していないと内定は難しいでしょう。
自分史について(2500文字)
デベロッパー
三菱地所や三井不動産のような総合デベロッパーでは、土地買収のための地権者との交渉やテナント誘致などで、社員に高度なコミュニケーション能力や人間的な魅力が求められます。そのため、人間性を知る目的で自分史が聞かれる場合が多くあります。
小学校時代の自分史を記載ください。(200~300文字)
中学時代の自分史を記載ください。(200~300文字)
金融
金融業界も商社、デベロッパーと同じく対人交渉が多く求められます。特に金融業界は無形商材を扱うため、社員それ自体が商材になります。そこで、その人が顧客のために努力できる人材か、信頼を得られる人材かどうか、自分史を通じて知る必要があります。
どのような幼少期を過ごしていたか簡潔に教えてください。(100文字)
中学校時代に力を入れて取り組んだことを簡潔に教えてください。(100文字)
広告
広告業界も、基本は社員それ自体のアイデアや考え方が商材になります。そこでその人にどのような魅力があるかどうか、自分史を通じて知ろうとします。
現在のあなたを形成している、人生の3大エピソードを教えてください。(400文字)
ここまで自分史が出題される典型的な企業を見てきましたが、これらの業界・企業以外でも高校以前のエピソードを聞かれることはあります。これらの業界を志望していないからと言って、自分史から逃れることはできないのです。
企業が高校以前のエピソードを知ろうとする目的と、質問例
皆さんに自分史対策の重要性を知ってもらったうえで、ここからは具体的に何が聞かれるのか、そしてその質問にどう回答すべきかお伝えします。
具体的な質問例を挙げつつ、その質問がどのような意図で為されるか知ることで、回答を練る際の参考にしましょう。
飾らない本当の人柄を知るため
企業は自社と学生とのマッチ度を調べるために、学生の真の性格を知ろうと様々な質問をします。それに対して学生はマッチ度をアピールしようとエピソードの都合よい部分のみを話したり、偽りの性格をアピールしようとすることも多いです。
その対策として、企業は大学以前の長い人生全体について聞くことで真の性格を知ろうとします。高校以前のエピソードは学生の準備が不十分であるため、正直な話が聞きやすいですし、小学校から大学生まで一貫した性格が見えれば、それは学生が持つ真の性格だとわかります。実際に私がお会いした、あるメガバンクの人事部の方は、「ガクチカはみんな準備しているから興味ない。それよりも高校の部活や大学選びなど人生の選択について聞くことで、その人の性格が分かってくる」とおっしゃっていました。
質問例:幼いころどんな子供だったか(具体的エピソードと共に)
クラスではどのような立ち位置だったか
どのような友人と付き合うことが多かったか
「行動選択軸」を知るため
その人の性格を知るうえで、普段どのような選択を好むのか、という要素は重要です。自分史の中では、中学・高校選び、部活選び、大学選びなど様々な選択の場面があり、それらの選択に一貫したルールがあれば、学生の真の性格を知ることにつながります。例えば、大学は難易度の高いものに挑戦した、中学と高校の部活は好奇心から違うものにした、などの要素でその人の性格が分かってきます。
また、「行動選択軸」は志望動機にもつながってきます。会社選びも高校・大学選びと同じく重要な人生の節目であり、その選択理由は当然ながら過去の選択と一貫性があると考えられます。例えば、高校大学と合格圏内の学校を選んできた人が、急に就職活動では「挑戦的な環境に入りたい」と言ってきたら、違和感があります。過去の選択と現在の選択のつながりをうまく示すことができればグッドです。
質問例:高校はどうやって選んだのか、
部活はどのように選んだのか、
なぜ中学受験したのか、
なぜその学部を選んだのか、など
思考の変化や成長過程を見るため
日系企業の新卒採用は、基本的に学生のポテンシャルを重視したものになります。そのため、入社後成長してくれるかどうかという視点は非常に重要です。学生の自分史を聞くことで、学生が過去の経験から何を学び、現在にどう生かしているのか知ることができます。逆に自分史を読んで、考え方や行動に何の変化もない人は入社後本当に成長してくれるのだろうかと疑問を持たれます。
質問例:人生のターニングポイントはどこか
高校以前で一番悔しかった出来事は何か
現在の強みが培われたのはいつか
努力水準を見るため
当然ながら多くの企業では、会社のために身を粉にして働き、成果を出してくれる人材が求められます。だからこそ、その人が普段どれだけ頑張ることができるかというのは採用に直結します。この努力水準を見るためには、「学生時代頑張ったこと」=「ガクチカ」を聞くのが有効ですが、多くの学生は嘘も含め、こうしたエピソードを盛って話すことが多く、真の努力水準を測ることが難しいのです。
だからこそ、企業は高校以前のエピソードをあえて聞くことで、その人がちゃんと努力してきたか見ようとしているのです。大学以前であまり努力した経験がない場合は、努力水準が低いのではないかとみなされ、落選の原因になります。
質問例:小学校で一番頑張ったことは
高校で一番頑張ったことは
よくある失敗
大学以前と大学での性格が違い過ぎる
大学時代のエピソードから読み取れる性格と、大学以前の人柄が大きく異なる場合、それについて納得する理由が話せなければ、大学時代のエピソードを盛っているとみなされる可能性があります。例えば、高校まで大人しい性格の人が、大学で急に明るくなるのには違和感がありますよね。もし大学時代のエピソードを盛っているのであれば、高校以前のエピソードもそれに合わせて作っていく必要があります。
成長がみられない
性格がコロコロ変わるのも問題ですが、性格が変わらなさすぎるのも問題です。過去の経験から何も成長していない人のように見え、ポテンシャルを感じづらくなります。例えば、好奇心旺盛で様々な物事に手を出す人が、過去オーバータスクで失敗したにも関わらずまだ集中して物事に取り組んでいないとなると、印象は悪いに決まっています。
よく考えないor他者のいいなりで人生設計をしている
前の章で「行動選択軸」が重要だと記述しましたが、これがなぜ重要なのかというと、主体的に行動している形跡を見ることができるからです。その主体的な行動の中の法則性が、学生の性格につながるわけですが、これら人生の選択を親や他人の意見に丸投げしている場合、本人の性格は全くわかりません。それどころか、自主性がない人間だとみなされ、評価は最悪になるでしょう。
また、これらの選択理由を言えない、また「家から近い」などの浅い理由にとどまってしまうのも、思慮深さがない、自分の人生に責任を持っていないなどの悪い印象につながります。
企業の価値観と自身の性格が違い過ぎる
自分史面接では、あくまで自然体で企業と自身のマッチを示すことが理想ですが、どうしても性格が合わない場合は話し方に工夫が必要です。例えば、挑戦を恐れないような学生を求める企業の面接で、心配性などの性格が露呈してしまうと、落選する可能性が高いです。
仮にエピソードは変えられなくても、その解釈を変えることで企業とのマッチ度はいくらでも示すことができるため、うまく対応しましょう。
コミュニティをコロコロ変えすぎている
自分史でアピールする性格は、基本的にはどのようなものでも問題ありませんが、あまりに飽き性な性格が露呈してしまうと悪影響です。ありがちなのが、小中高とすべて別々の部活に入っていたりすると、一つのことを続けられない人なのかなと思われてしまいます。そのような印象は、終身雇用前提で学生を求めている多くの日系企業には悪く映ります。もしコミュニティがたくさん移り変わっている人は、それに対して一貫した理由を話すことができると良いでしょう。
自分史解説(筆者の例)
ここでは、実際に私が受けた三井住友銀行の選考を例として、自分史面接にどのように立ち向かえば良いか解説します。自分史対策は、大学時代のエピソードと比べて範囲が広いですし、エピソードと企業をつなげにくいです。それでもコツコツエピソードを考えていくと、次第に楽しくなってくるものでもあるため、ぜひ皆さんも対策を頑張ってみてください。
①企業が求める人物像を知る
自分史のゴールになるのは、その歴史を見たことで人物像がはっきりわかることです。そしてその人物像が企業が求めるものに合致していれば評価が高くなります。こうしたゴールを前提にして、まずやっていただきたいのは企業がどのような人材を求めているか知ることです。この「求める人物像」に合致するようにエピソードを選ぶことが重要です。
三井住友銀行の例で行くと、「挑戦」「プロフェッショナル」「チームワーク」というのが出てきます。また、採用ホームページを見ると、「挑戦者よ、世界を揺らせ」というフレーズが最初に出てきます。そのため、三井住友銀行が求めているのは挑戦をためらわず、プロ意識を持った人材だとわかります。
②小中高のエピソードを探す
自分史を用いて何を伝えるかというゴールを知ったうえで、次にエピソードを補強していきましょう。自分史を作るうえでは、まずそれぞれの年代ごとに核となるエピソードを探すのがおすすめです。ここでのエピソードのイメージとしては、大学のガクチカの小中高バージョンを想像してください。基本的には部活動を扱うことが多いです。
この段階では良いエピソードを選定するというより、自分が関わったイベントすべてを網羅的に挙げていくのが良いでしょう。あまり成果が出なかった経験でも自分史の中では挫折経験として良いアクセントになります。
③使うエピソードを絞り込む
使えそうなエピソードを探したうえで、次に企業が求める人物像に沿って話すエピソードとそうでないものを分ける必要があります。ここでの選定基準は、長期間頑張ったかどうか、周囲と協力した経験かどうか、自分なりに思い入れがあるかどうかなどの、一般的なガクチカに求められる要素と共に、企業の求める人物像に合っているかどうかも重要です。
SMBCの例でいえば「挑戦」が重要になりますが、具体的には重要な役職に立候補して、それを全うしたり、コンフォートゾーンを離れて不得意な環境でも成果を出そうと努力した経験があると良いでしょう。それらを小中高大と統一することができれば、この人は挑戦心がある人なんだなと思われます。
④ターニングポイントを作る
③までで、十分良い自分史にはなっていますが、+αで成長の軌跡を見せることが重要になります。ずっと成功ばかりしてきた自分史だと、今まで修羅場をくぐっていないと思われてしまいます。そのため、各経験で辛かったことや失敗なども織り交ぜ、そこから立ち上がり成長したという構成にできると良いでしょう。
私の場合、中学の部活で独りよがりになり優勝できなかったという反省から、高校ではチームワークを重視するようになったなどの学びを取り入れています。
まとめ
自分史面接の対策は、大手日系企業に内定するためには必須と言えます。本記事を通じて高校以前のエピソードを話す際、何を意識すればよいか皆さんが知っていただけたらうれしいです。
さらなる対策をする上では、「企業が求める人物像」を知り、それに合わせて自分史のエピソードを練る必要があります。外資就活ドットコムでは企業紹介ページにて企業研究ができ、就活体験談で内定者のESを閲覧することができます。もしよろしければ登録を検討してみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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