【商社・デベ・広告の"一日" 第6回】広告代理店10年目以降・後編 ─ 夜19:00から22:00、そして日曜日の過ごし方

【商社・デベ・広告の"一日" 第6回】広告代理店10年目以降・後編 ─ 夜19:00から22:00、そして日曜日の過ごし方

2026/03/09

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こんにちは。五大商社、大手デベロッパー(三菱地所・三井不動産)、大手広告代理店(電通・博報堂)から内定を獲得した慶應生です。

前回は、広告代理店12年目の佐藤さん(仮名・グループマネージャー)の木曜日、朝9時半から夕方18時までを追いました。チームの朝会、大型案件の戦略会議、クライアントとのランチミーティング、社内の承認業務、部下との1on1、そしてクライアントとのオンライン会議。1年目や5年目とは違い、自分で手を動かすよりも判断を求められる業務が中心の1日でした。

前編を読んで印象的だったのは、佐藤さんが「管理職になると、自分の時間を自分で管理できる裁量が増える一方で、判断を求められる場面が圧倒的に多くなる」と話していたことでした。年収1,600万円という水準に達する一方で、クライアントとの最終折衝、社内の意思決定、部下の育成と、すべてにおいて責任を負う立場になります。

ただ、OB訪問で話を聞いていて気になったのは、「管理職になっても、夜の時間は部下の資料チェックや戦略立案に充てている」という事実でした。佐藤さんは「日中は会議やクライアント対応で埋まってしまうので、じっくり資料を読み込む時間は夜しか取れない」と言いました。

後編では、夜19時から22時までの流れと、日曜日の過ごし方を追います。年収1,600万円の生活は、どんなバランスで成り立っているのか。忙しさと裁量、お金とやりがいの関係を、できるだけリアルに再現します。

夜19時から22時までの流れ

19:00 社内の戦略ミーティングと次の提案準備

夕方18時を過ぎても、佐藤さんの1日は終わりません。19時からは、次の大型案件に向けた社内の戦略ミーティングが入っています。

このミーティングには、営業、クリエイティブ、メディアプランナー、デジタル担当の計6名が参加。来月からスタートする新規案件の提案内容を詰める場です。

「新規案件は、既存のクライアントとは違って、まだ信頼関係が築けていない状態からスタートします。だからこそ、初回の提案で『この代理店に任せたい』と思ってもらえるかどうかが勝負。僕たちの本気度を見せる必要があります」

ミーティングでは、クライアントの業界動向、競合他社の施策、ターゲット層の分析など、提案の土台となる情報を全員で共有。佐藤さんは、「この角度から攻めるのが一番刺さりそうだ」と方向性を示し、各担当者に次のステップを指示しました。

ミーティングは1時間ほどで終了。佐藤さんは、次回の打ち合わせまでに自分が準備すべき資料のリストを作り、優先順位をつけました。

20:00 部下の資料チェックとフィードバック

20時を過ぎると、オフィスの人もだいぶ減ってきます。佐藤さんは、部下が今日中に仕上げた提案資料の最終チェックを行います。

「管理職になってから、夜の時間は部下の資料を見る時間が増えました。日中は会議やクライアント対応で埋まってしまうので、じっくり資料を読み込む時間は夜しか取れないんです」

この日は、入社2年目の田中さん(仮名)が作成した媒体提案資料をチェック。全体の構成は良いものの、データの見せ方に改善の余地があったため、佐藤さんはSlackで「このグラフはもう少し視覚的にわかりやすくしよう。明日の朝、一緒に修正しよう」とメッセージを送りました。

「フィードバックは、できるだけ具体的に、かつポジティブな言葉を添えるようにしています。『ここが足りない』だけだと、部下のモチベーションが下がってしまうので」

21:00 明日のクライアント訪問の準備

21時からは、明日のクライアント訪問に向けた最終準備。訪問先は、食品メーカーの本社。新商品のキャンペーン提案のプレゼンテーションを行います。

佐藤さんは、提案資料を改めて読み込みながら、プレゼンの流れをシミュレーション。「冒頭でどんな言葉を投げかけるか」「質問が来そうなポイントはどこか」「クライアントの反応を見ながらどう軌道修正するか」を頭の中で整理していきます。

「プレゼンは、資料を読むだけでは通りません。クライアントの表情や反応を見ながら、その場で言葉を選ぶ力が求められます。そのためには、事前に何度もシミュレーションして、どんな質問が来ても答えられる状態にしておくことが大事です」

準備が終わったのは21時半。佐藤さんは、オフィスを出る前にもう一度メールをチェックし、緊急の案件がないことを確認してから退社しました。

22:00 帰宅と夜の過ごし方

佐藤さんが自宅に着くのは、22時過ぎ。自宅は港区のタワーマンションで、築5年、3LDK。家賃は月40万円ほどですが、年収1,600万円の佐藤さんにとっては、無理のない範囲とのこと。

「管理職になってから、住む場所は少しグレードを上げました。通勤時間を短くしたかったのと、家でリラックスできる環境を作りたかったので。オフィスまで電車で20分、駅から徒歩5分という立地は、朝の時間を有効に使えるので助かっています」

帰宅後は、まず軽く夕食。佐藤さんは自炊はほとんどせず、コンビニやデリバリーで済ませることが多いそうです。この日は、近所のイタリアンレストランでテイクアウトしたパスタとサラダ。

「食事にはあまりこだわりがないので、手軽に済ませることが多いです。ただ、週末は少し良いレストランに行くこともあります」

夕食後は、シャワーを浴びてリラックス。佐藤さんは、寝る前の1時間ほどを、趣味の時間に充てています。

「最近はまっているのは、Netflixで海外ドラマを見ること。仕事のことを考えない時間を作ることで、翌日のパフォーマンスが上がる気がします」

就寝は24時前後。管理職になってからも、睡眠時間はしっかり確保するよう心がけているそうです。

日曜日の過ごし方

佐藤さんの日曜日は、完全にオフにすることもあれば、午前中に少しだけメールチェックをすることもあります。

「案件の状況によっては、土日でもクライアントから連絡が来ることがあります。ただ、最近は部下に任せられる部分も増えたので、週末は基本的にリフレッシュの時間にしています」

この日の日曜日は、午前中にジムでトレーニング。佐藤さんは、港区のプライベートジムに通っており、月会費は3万円ほど。

「30代後半になると、体力の衰えを感じることが増えました。週1〜2回はジムに行って、体を動かすようにしています。仕事のパフォーマンスを維持するためにも、健康管理は欠かせません」

ジムの後は、近所のカフェでブランチ。佐藤さんは、カフェでゆっくり過ごす時間が好きで、週末は必ず1〜2時間ほどカフェで読書をしているそうです。

「最近読んでいるのは、マーケティングやブランディングに関するビジネス書。仕事に直結する内容もあれば、純粋に面白くて読んでいるものもあります」

午後は、友人と食事に行くことが多いとのこと。この日は、六本木のフレンチレストランで友人と会食。1人あたり1万5,000円ほどのコースを楽しみました。

「年収が上がってから、食事や趣味にお金を使う余裕ができました。ただ、派手に使うというよりは、自分が本当に楽しいと思えることにお金を使うようにしています」

10年目以降のリアル

佐藤さんの話を聞いて感じたのは、10年目以降の広告代理店の働き方は、「忙しいけれど、裁量とお金の両方が手に入る」というバランスの上に成り立っているということです。

管理職になると、自分で判断する場面が圧倒的に増えます。クライアントとの最終折衝、社内の意思決定、部下の育成。すべてにおいて、佐藤さんの一言が結果を左右します。

「責任は重いですが、その分やりがいも大きい。自分の判断で案件が成功したときの達成感は、何にも代えがたいです」

また、年収1,600万円という水準は、生活にゆとりをもたらします。佐藤さんは、タワーマンション、プライベートジム、週末の外食といった形で、少しずつ生活の質を上げてきました。

「お金があるからといって派手に使うわけではありませんが、自分が大事にしたいことに使える余裕があるのはありがたいです」

一方で、忙しさは1年目や5年目とは違う形で続いています。日中は会議とクライアント対応に追われ、夜は部下の資料チェックや戦略立案。完全にオフにできる日は少ないものの、佐藤さんは「この忙しさも含めて、今の仕事が好き」と話していました。

「広告代理店で10年以上働くと、『この業界で生きていく』という覚悟が決まります。忙しいけれど、自分の力でクライアントの課題を解決できる。そのやりがいを感じられる人なら、長く続けられる仕事だと思います」

次回予告

次回からは、総合商社の1日を追います。商社1年目の月曜日は、どんな業務で埋まっているのか。佐藤さんとはまた違う、商社ならではの働き方とは。お楽しみに。

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