【社会人1年目の答え合わせ 第5回】100点の資料より、60点の相談──学生の「優秀さ」が通用しなくなる瞬間

【社会人1年目の答え合わせ 第5回】100点の資料より、60点の相談──学生の「優秀さ」が通用しなくなる瞬間

2026/07/22

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eyecatch

大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活生だった頃の自分が信じていたことを、社会人になった今の目線で答え合わせする連載の第5回です。

前回、学生時代の「強み」が現場で一度ゼロに戻るという話を書きました。今回はその続きで、もっと根本的な話です。私たちが20年近くかけて身につけてきた「優秀さ」の定義そのものが、社会人になった瞬間にひっくり返る、という話をします。

初めて任された資料で、私は「100点」を目指してしまった

配属から数ヶ月経った頃、先輩から初めて、まとまった仕事を任されました。社内の検討会議で使う、ある調査資料の作成です。期限は1週間後。「分からなかったら聞いて」という言葉つきでした。

私は張り切りました。ようやく議事録以外の仕事が来た。ここで評価を取り返したい。過去の類似資料を読み込み、データを集め、構成を練り、通勤の間も頭の中で資料のことを考え続けました。

提出前夜、仕上がった資料を眺めながら、私は小さな達成感に浸っていました。議事録係だった自分が、初めて「作品」と呼べるものを作った。明日これを見せれば、先輩の見る目も変わるはずだ、と。

翌朝、意気揚々と提出した資料を、先輩は数ページめくって言いました。「あー、ごめん。この前提、先週の会議で変わったんだよね」と。

血の気が引きました。私が1週間かけて積み上げた資料は、土台の前提からずれていたのです。先輩は責めるでもなく、ただ一言、こう言いました。「なんで途中で一回見せなかったの?」

返す言葉がありませんでした。「分からなかったら聞いて」と言われていたのに、私は一度も聞きに行かなかった。分からなかったからではありません。「一人で完璧に仕上げたほうが、優秀だと思われる」と、無意識に信じていたからです。

私たちは「一人で100点を取る訓練」しか受けてこなかった

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