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大手デベロッパーで働く社会人1年目です。就活生だった頃の自分が信じていたことを、社会人になった今の目線で答え合わせする連載の第4回です。
今回のテーマは「強み」です。就活生は誰もが、自己分析を重ねて自分の強みを言語化し、面接で堂々と語ります。私もそうでした。でも入社して数ヶ月、あれほど自信を持って語っていた私の強みは、現場でまったく通用しませんでした。今回はその恥ずかしい顛末と、それでも自己分析は無駄ではなかったという話を書きます。
「調整力が強みです」と語っていた私が、日程調整の電話に怯えた
就活時代の私の鉄板の強みは、「立場の違う人たちの間に立つ調整力」でした。
体育会の活動で、監督と選手の板挟みになりながら落とし所を探った経験。それを根拠に、「デベロッパーの仕事は地権者や行政など多くの関係者との調整の連続だと伺っています。私の強みが活きると考えています」と、面接で何度も語りました。面接官の反応も良く、我ながら説得力のある自己PRだと思っていました。
配属から少し経ったある日、先輩からこう言われました。「この件、先方の担当者に電話して、日程だけ調整しておいて」と。
社外の、取引先への、初めての電話です。ただの日程確認なのに、受話器を持つ手がじっとりと汗ばみました。敬語は合っているか。会社名を名乗る順番は。相手が不在だったら何と言えばいいのか。たった数分の電話のために、私は手元のメモに想定問答を書き出し、一度席を立って、廊下で深呼吸までしました。周りの先輩たちが何気なくかけている電話が、自分にはこんなに高い壁に見えるのかと、情けなくなりました。
電話を終えたあと、猛烈に恥ずかしくなりました。「調整力が強みです」と大企業の役員の前で言い切っていた人間が、日程調整の電話一本に怯えている。あの面接での堂々とした自分は、いったい何だったのか、と。
後日、思い切ってこの話を教育係の先輩に白状すると、先輩は笑いながら言いました。「みんなそうだよ。俺なんて1年目、留守番電話に社名を嚙んで吹き込んで、録り直せなくて青ざめた」。あの堂々として見える先輩たちも、全員この道を通ってきたのだと知って、少しだけ息がしやすくなったのを覚えています。
学生の「強み」と社会人の「強み」の間には、深い谷がある
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