【徹底分析】アクセンチュア企業解説：世界最大級コンサルティングファームの全貌

こんにちは。総合商社とコンサルを中心に受けていた者です。それぞれの業界の企業から、複数の内定を獲得しました。私が内定を獲得できた背景には、徹底した企業研究でその企業のことを理解したことがあります。コンサル就活において、企業理解はとても重要です。

本記事は時間が無い学生の方が、この記事一つでアクセンチュアの概要を理解できるように書き上げました。読んで生まれた疑問点を、是非ともOB/OG訪問で検証してみてください。

第1章：アクセンチュアの経営理念とビジョン

企業目的と使命の明確化

アクセンチュアの企業目的（Purpose）は「テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する」ことに集約される。同社は「世界のあらゆる業界に対し、クライアントが成長を迅速に遂げるための能力を集結する」ことを明確に示しており、"Let there be change（変化を起こそう）"というスローガンが象徴的に使用されている。

この使命の核心には、最先端テクノロジーと人間の知恵を融合させることで、クライアントの成長を後押しする存在としてのアイデンティティがある。アクセンチュアは単なるコンサルティングサービスの提供者ではなく、クライアント企業の変革パートナーとして位置づけられている。

・会社概要・地図 | アクセンチュア

・アクセンチュア、お客様の変革のさらなる加速に向け、AIに30億ドル投資へ

360°価値創造という独自のビジョン

アクセンチュアは「世界中でポジティブな変化を創造し、あらゆるステークホルダーに対して責任あるリーダーであり続ける」ことをビジョンとして掲げている。これは同社が標榜する"360°の価値"という概念に体現されており、財務的成果だけではなく、社会、従業員、コミュニティに対しても同時に価値を届けるという包括的なアプローチを表している。

具体的な目標として、2025年までに自社のネットゼロ排出を達成することを掲げていた。また、全世界の男女比50:50を実現するという野心的な目標も設定していたが、2025年2月には米国のトランプ政権によるDEI（多様性・公平性・包摂性）関連の大統領令を受けて、これらのグローバルな従業員代表目標を終了し、外部の多様性ベンチマーキング調査への参加を一時停止することを発表した。

ESGとサステナビリティへのコミットメント

ジュリー・スウィート（Julie Sweet）CEOの下で、アクセンチュアはESG（環境・社会・ガバナンス）とサステナビリティ目標への強いコミットメントを示してきた。スウィートCEOは2022年のインタビューで、「2013年以来のアクセンチュアと我々の成功を見るとき、2025年までに50/50の男女比という多様性へのコミットメントとDEIへの取り組みが、企業としての成功と完全に結びついていることを理解せずにはいられない」と述べている。

しかし、2025年2月の政治的環境の変化により、アクセンチュアは従来のDEI目標を調整し、「すべての人にとっての包摂性と帰属意識により大きな焦点を当てる」方針に転換した。この変更について、スウィートCEOは「私たちは常にメリトクラシー（実力主義）であり、偏見のない包摂的で実力に基づく職場、すべての人が尊重され、帰属意識を感じ、平等な機会を持つ文化にコミットしてきました」と説明している。

・アクセンチュア、世界でDEI見直し　「米国の変化反映」 - 日本経済新聞

・アクセンチュアも「DEI目標」を撤回　トランプ大統領の影響で強まる、「包括性」への重点シフト - ITmedia ビジネスオンライン

テクノロジー投資と革新への姿勢

アクセンチュアの経営戦略の中核には、将来性の高いテクノロジーへの巨額投資がある。クラウド、AI、サイバーセキュリティなど、クライアントが今後数年から数十年をかけて本格的に取り組むであろう課題を先取りし、常に最新ソリューションを提供するための先行投資を継続的に行っている。

2023年には、AI部門に3年間で30億ドルを投じる計画を発表し、AI専門家を倍増させる方針を示した。また、過去10年間で100社以上を買収することで、デジタルマーケティング、クラウド、サイバーセキュリティなど新分野の専門人材や技術を獲得してきた実績がある。

・アクセンチュア、お客様の変革のさらなる加速に向け、AIに30億ドル投資へ

・AIに懸ける米アクセンチュア、4400億円投じ体制強化 - 日本経済新聞

第2章：業界構造とアクセンチュアのポジショニング

グローバル・コンサルティング市場の規模と成長性