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就職活動における自己分析は、おそらく多くの学生が最初に取り組む重要なステップです。そして、そのクオリティが内定獲得に直結すると私は信じています。しかし、一般的な自己分析の多くは「短所・長所の整理」「過去の経験の棚卸し」「適職診断ツールの活用」といった表面的なアプローチに留まりがちです。これらの手法も一定の価値はありますが、根本的な問題があります。それは「なぜその仕事をしたいのか」「なぜその企業で働きたいのか」という深層の動機に迫りきれないことです。そして上記は単一の業界だけではなく、多くの業界でも成立する主張だと信じています。
以下は、5大商社に複数内定した私が行っていた自己分析そのものを体系的にまとめたものです。単に「自分に向いている仕事」を探すのではなく、「自分はなぜ働くのか」「どのような人生を歩みたいのか」という根源的な問いから出発しました。この視点で自己分析を行うことで、就職活動を単なる内定獲得競争から、自分の人生をデザインする重要なプロセスへと昇華させることができます(分析の深みが増すほど、実は内定の打率も高まります)。
書き残したことがないようにと書き連ねた結果、少し長い記事になってしまいました。この記事が、自己分析は何をすれば分からないという真面目な学生の目に留まることを願って寄稿します。
1.自己分析の目的
一般的に言われる自己分析との違い
世の中に蔓延る自己分析の多くは、主に「現在の自分」の特徴や能力を把握することに焦点を当てていました。しかし、私の自己分析は、「未来の自分」、より正確には「自分が目指したい将来の姿」から逆算して現在の自分を理解することを重視します。
この違いは決定的に重要だと考えます。現在の自分だけを分析しても、それは「今できること」の範囲内でしか選択肢を描けません。一方、人生の目的を起点とした分析は、「なりたい自分」に向けて「今の自分をどう成長させるか」という前向きな視点を提供します。
自己分析の真の目的
人生の目的論における自己分析の目的は、以下の三つに集約されます。
①自分の価値観の明確化 ー何に意味を感じ、何を大切にして生きたいのかを言語化する。これは人生の羅針盤となる。
②人生の目的の発見と定義 ー自分がどのような人生を歩みたいのか、何を成し遂げたいのかを明確にする。
③目的実現のための戦略立案 ー人生の目的を実現するために、どのような職業・企業・キャリアパスを選ぶべきかを導き出す。
2.自己理解の基盤構築
事実ベースの自己把握
自己分析の出発点は、自分という存在を事実ベースで理解することです。ここで重要なのは、良い・悪いという価値判断を一切排除し、「自分はこういう人間である」という客観的な事実を収集することです。
内省の基本的な問いかけ
以下の質問を自分に投げかけ、回答を記録してください。
基本的特性に関する問い
- どのような人と一緒にいると、自然体でいられるか?
- どのような作業や活動に、時間を忘れて没頭してしまうのか?
- 疲れているときでも、なぜかやってしまうことは何か?
- 他人から褒められたり、認められたりすることが多いのはどのような場面か?
価値観に関する問い
- 尊敬する人物は誰で、その人のどのような点に魅力を感じるか?
- 社会の中で「これは許せない」と強く感じることは何か?
- 人生で「これは絶対に守りたい」と思うものは何か?
- 自分が消え去った後も、世界に残したいものは何か?
過去の経験の分析
過去の経験を分析する際は、単に「何をしたか」ではなく、「なぜそれをしたか」「その経験から何を学んだか」「その経験が現在の自分にどのような影響を与えているか」に焦点を当てます。
分析すべき経験の種類
- 最も困難だった体験とその乗り越え方
- 他人のために何かをした体験
- 新しいことに挑戦した体験
- 失敗から学んだ体験
- リーダーシップを発揮した体験
各経験について、以下の観点で分析してください
2. 自分の感情や思考の変化
3. 行動の動機と結果
4. 得られた学びや気づき
5. 現在の価値観への影響
他者からの客観的フィードバック
自己理解を深めるためには、他者からの客観的な視点も不可欠です。しかし、単に「私の長所は何ですか?」と聞くのではなく、より深い洞察を得るための質問を設計する必要があります。
◆効果的なフィードバック収集法
家族・友人への質問例
・私が最も生き生きしているのはどのような時か?
・私が大切にしていると感じる価値観は何か?
・私の行動や言動から、どのような人生を目指していると思うか?
・私が将来どのような人になると思うか?
先輩・メンター・教員への質問例
・私の強みをどのような分野で活かすのが最適だと思うのか?
・私に足りないと感じる要素は何か?
・私が選ぶべき環境や組織の特徴は何だと思うか?
◆フィードバックの統合と解釈
複数の人からのフィードバックを収集したら、共通点と相違点を整理します。特に注目すべきは、
・複数の人が指摘する共通の特徴(客観的事実の可能性が高い)
・自分の自己認識と他者の認識のギャップ(盲点の発見)
・意外だった指摘(新しい自己理解の機会)
3.価値観の明確化と優先順位づけ
価値観の抽出
自己理解の次の段階は、自分が本当に大切にしている価値観を明確にすることです。価値観とは、人生において何を重要視するかの基準であり、人生の目的を定める際の重要な要素となります。
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