国をつなぎ、人をつなぐ。公共×国際×金融という、JBICにしか担えない使命

国をつなぎ、人をつなぐ。公共×国際×金融という、JBICにしか担えない使命

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2025/11/17

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国際協力銀行(以下、JBIC)は、海外における資源・インフラプロジェクトや日本企業の海外展開を支援する政府系金融機関だ。公共×国際×金融という独自のフィールドで、世界の課題解決と日本企業の成長を同時に実現している。また、近年は従来の「融資」に加えて「出資」領域にも積極的に取り組んでいるのだという。出資を通じてリスクを共に背負い、企業や各国政府と協働しながら新しい価値を生み出していく。金融を軸に社会の仕組みを動かすというダイナミズムと、多様な人々と解を作り上げる仕事の醍醐味(だいごみ)が、ここにはある。

〈Profile〉
武田瑶子(たけだ・ようこ)
エクイティファイナンス部門 エクイティ・インベストメント部 第2ユニット 調査役
慶應義塾大学経済学部卒。2014年、JBICに新卒入行。電力・新エネルギー第2部、経営企画部報道課、調査部を経て、現在はエクイティ・インベストメント部 第2ユニット 調査役として、出資案件の組成やモニタリングを担当。産休・育休から2024年に復帰し、仕事と育児の両立を続けながら、常に新しい知見の習得にも取り組んでいる。

※内容や肩書は2025年11月の記事公開当時のものです。

共にリスクを背負い、日本企業と世界の挑戦を支えていく

――まず、エクイティ・インベストメント部の業務について教えてください。

武田:銀行というと「お金を貸す=融資」というイメージが一般的だと思いますが、私の部署では「出資」による支援を行っています。日本企業と共に海外のプロジェクトや企業に投資して、事業の成長を資本面から支える仕事です。

私が所属する第2ユニットはエネルギーセクターへの事業出資を専門としており、出資済み案件のモニタリングに加えて、新しい案件の組成にも取り組んでいます。例えば、2021年には日本企業と一緒にフィジーの国営電力会社に出資しました。現地の電力事業は政策の影響を強く受けます。そのため、政府関係者や共同出資パートナーと継続的に対話を重ね、事業が持続的に運営されるよう支援しているところです。

――武田さん自身はどのような役割を担っているのでしょうか。

武田:ユニット長代理として、ユニット全体の方針作りを支えるほか、担当メンバーと連携しながら新規案件の組成や条件調整にも関与しています。JBICの案件は国ごとの規制やスキームが複雑なため、個別のプロジェクトに深く関わる担当者を支える立場として、ルールや国際情勢、業界全体の潮流を踏まえて確認するように心掛けています。客観的な視点でチーム全体の判断を後押しすることが、私自身のミッションです。また、必要に応じてお客さまとの面談に同席したり、社内外の関係者との調整を担ったりすることもあります。

――新規案件にも携わっているのですか。

武田:はい。2025年3月には、インドでの再生可能エネルギー事業に対して、日本企業と共に出資関連契約に調印しました。インド市場は成長の可能性が大きい一方で、制度面や事業環境において不確実性も残るため、単独での参入には慎重な判断が求められます。そうした中で、これまで海外での電力・新エネルギー分野において豊富な実績を有し、インド政府との間に長年にわたる信頼関係を築いてきたJBICに対し、共同出資の形での参画が期待されました。

JBICが参画することで、現地政府との調整や制度面での対応において一定の支援が期待されており、民間企業の挑戦を支える一助となることを目指しています。出資者として、事業の成功に向けて現場の皆さんと同じ目線で伴走できることは、大きなやりがいの一つです。

――JBICにおける出資の意義をどのように感じていますか。

武田:現在は、民間銀行も海外事業への融資を積極的に行っています。そうした状況で政府系金融機関としての付加価値を発揮するために、融資だけでなく出資の選択肢を持つことは重要だと考えています。日本企業が新たな市場に挑む際、現地特有のリスクを共に負うことで「安心して一歩を踏み出せる環境」をつくるのが私たちの役割です。

また、融資の場合は原則として返済が前提ですが、出資は資金の回収方法が異なり、企業の価値向上や配当などを通じてリターンを得る仕組みです。そのため、事業の将来性を見極める力がより重要になります。もちろん融資も出資も、それぞれに意義がある仕事です。ただ、私にとって出資は「挑戦と共創」の要素が強く、より企業や地域の成長を支えているという手応えがありますね。
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育児との両立の中で磨かれた、リーダーとしての新しい視点

――これまでのキャリアの中で、転機になった出来事などはありますか。

武田:一番の転機は、やはり産休・育休からの復帰です。第一子・第二子の出産に加えて、夫のアメリカ留学に帯同した期間もあり、約2年9カ月のブランクを経て戻ってきました。

幸運だったのは、JBICに「同行休」という制度があったことです。これは、パートナーの海外赴任や留学に合わせて休職しつつ、在籍を継続できる制度です。アメリカ滞在中に出会った日本人女性の多くは、一度仕事を辞めざるを得なかったと話していました。JBICは、長期のブランクがあっても変わらずに機会を与えてもらえる、本当に恵まれた環境だと感じています。

復帰してすぐに携わったのが、先ほどのインドでの再生可能エネルギー案件です。社内外の調整や調印準備などタフな業務が多く、精神的にも大変でしたね。最初の頃は「子育ても仕事も完璧に」と肩に力が入っていましたが、少しずつ「これでは続かないな」と思うようになって。今は、全てを自分で抱え込まず、チームメンバーとうまく分担しながら進めることを意識しています。

若手の方が専門的な知見を持っている分野も多いため、私自身も素直に学ぶ姿勢を大切にしています。以前は「みんなに負担を掛けたくない」という思いから、なるべく自分で抱え込もうとしていましたが、今ではお互いに支え合いながら進めることで、結果的にプロジェクト全体がより円滑に動くことを実感しています。もちろん、頼ってもらえたときには、自分にできることを全力で取り組むよう心掛けています。

――制度としてもカルチャー面も、育児と両立しやすい環境が整っているのですね。

武田:本当にそう思います。日常的に在宅勤務を併用するほか、JBICはこども家庭庁の「ベビーシッター派遣事業」の承認を受けているので、忙しい時期は週に2回ほどシッターさんに子供たちの保育園のお迎えをお願いできました。そうした制度と周囲のサポートがあって、ここまで大きな問題なく両立することができています。

もちろん自分自身で努力することも大切です。私としては、時間の制約があるからこそ「今やるべきこと」に集中できるようになったと感じています。夕方6時から子供が寝る時間までは完全に仕事をしないと決めているので、タスクに優先順位をつけて着実に進める習慣も身に付きました。

――新しい領域で必要になる知識はどうやって学んでいるのですか。

武田:銀行員の基礎となる財務分析研修やビジネススキル研修は充実していますし、希望者には資格取得の費用を補助する制度もあります。私自身は出資チームに異動してから育休中に証券アナリストの資格を取得しました。エネルギー業界は技術革新のスピードが速く、共同出資しているパートナー企業に教えてもらうことも多いですね。他には、時間を見つけて外部のセミナーに参加して、そこで得た知見をチームに共有するようにもしています。

一方で、JBICは"レールを敷いてくれる会社"ではありません。職員のキャリアが多様であることから、年次ごとに取得すべき資格や研修が画一的に決まっているわけではなく、自分で興味を持ち、必要だと感じた学びを選び取る姿勢が求められます。だからこそ、主体的に動ける人にとってはこれ以上ない環境だと思います。

キャリアの選択肢は広いけれど、その中で何を選び、どう成長するかは自分次第。自らの意思で手を伸ばし、行動で示すことが、JBICで成長していくための一番のポイントではないでしょうか。
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海外への夢。次世代への思い。"続けながら形作る"自分ならではのキャリア

――やりがいを感じる瞬間について教えてください。

武田:最近印象的だったのは、インドの案件が日印首脳会議の成果文書に「協力事例」として掲載されたことです。自分が関わった仕事が、国と国との関係構築の一助となったことを知ったときは、静かな感動がありました。日々の業務は地道な積み重ねですが、その先で確かに社会や国際関係の強化につながっていると実感できました。

ただ、やりがいはそうした大きな成果だけではありません。日々一緒に仕事をしている同僚やパートナーにとって少しでもプラスになる関わりができたと感じられる瞬間にも、大きな充実感があります。そうした積み重ねが、自分のモチベーションにもつながっています。

――今後のキャリアの中で挑戦してみたいことはありますか。

武田:以前アメリカに帯同した際は、家族のサポートに専念する期間を過ごしました。家族のことだけを考える穏やかな生活の中で、これまでとは異なる視点や価値観に触れることができ、非常に貴重な経験だったと感じています。その時間を通じて「次は自分も海外で仕事をしたい」という思いが強まりました。家族で海外に駐在しながら、各拠点におけるJBICの代表として、現地の人や企業に貢献することが現在の目標です。

また、そうした挑戦と育児を両立する姿を見せることで、次の世代の人たちにとって「こういう働き方もあるんだ」と感じてもらえるような一例になれたらと思っています。JBICはそれぞれの働き方を十分に尊重してくれる会社ですが、それをさらにアップデートしていく一端を担えれば光栄です。

――海外で働くという目標に向けて、今はどのような意識を持って仕事に向き合っていますか。

武田:現在の仕事で学んでいるのは、まさに国際業務の基盤になる部分だと捉えています。海外企業や政府関係者と協議しながらプロジェクトを進める中で得た知見は、どの国に行っても生かせるはずです。そのためにも、まずはしっかりと一つ一つの案件で成果を出すことを意識しています。

――これから社会に出る皆さんに伝えたいことはありますか。

武田:20代のうちは何でも挑戦できますし、誰もが「どんな自分にもなり得る」可能性を持っています。だからこそ、最初のキャリアではチャンスを広く与えてくれる会社に目を向けてほしいですね。最初から完璧な軸がなくても大丈夫。経験を重ねる中で、自分が大事にしたい価値観や得意分野が自然と見えてくるはずです。

キャリアは「一度選んで終わり」ではなく「続けながら形作っていく」もの。私自身もまだその途中にいると思っています。迷ったときも「自分の選択を正解にしていく」という気持ちを持って、自分ならではのキャリアを築いていってください。
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