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「外資系という”上澄み”だけ知っていても生き残れない」 投資銀行IBD→スタンフォードMBA卒の起業家が語るグローバル・キャリアの作り方(下)

慶応義塾大学法学部を卒業後、米国留学、投資銀行IBDなどを経てスタンフォード大学MBAを取得し、メガネのEC「Oh My Glasses TOKYO」を創業した清川忠康さん(34)。後編ではそんな清川さんに、投資銀行IBDで学んだことや、その経験が今にどう活きているか、外資金融、コンサルを目指す学生へのアドバイスなどをお話しいただきました。

創業から5年、経営者として清川さんが重視しているのは「共感する力」だと言います。ロジカルに、合理的なキャリアを積んできた清川さんがそう感じるようになったのは、一体なぜなのでしょうか。(写真提供/オーマイグラス株式会社)

・インタビュー前編:「戦略的に考えないと、キャリアは切り拓けない」 投資銀行→スタンフォードMBA卒起業家が語るグローバル・キャリアの作り方(上)

35歳までは、ミッションで仕事を選ぶ

――投資銀行や戦略コンサルに長年勤めてしまうと、給与面で転職に踏み切れなくなる人も多いと聞きます。

それは、あるかもしれませんね。僕もUBSから経営共創基盤に転職した時、年収はすごく下がったんですよ。それまで住んでいたマンションは引っ越して、タクシーもやめて自転車通勤。UBSを辞める時、他の外銀や事業会社、外資コンサルの内定もあって、中にはそれまでと同等以上の給与額を提示してくれたところもありました。

でも僕は、「35歳まではミッションで仕事を選ぼう。お金では選ばない」と決めていました。転職する時も、お金はまずおいておく。お金が足りない部分はやり方を考える。なので、新しいことややりたいことをまずやらせてもらっていたんです。

――清川さんのミッションとは、具体的には何になるのでしょうか。

僕の言うミッションとは「自分がこの世で何を成し遂げたいか。それによって世界をどうよりよく変えていくか」です。僕の場合は、「品質の良いメガネを、手ごろな価格で日本中、世界中の人に届けること」ですね。

――なぜメガネECなのでしょうか。

もともとメガネが好きだったのですが、忙しくてなかなか実店舗に買いに行けないことに不便さを感じていました。

加えて、スタンフォードMBAで、日本の存在感のなさに愕然としたことが理由です。日本人は数人しかおらず、授業のケーススタディーでも中国や韓国の企業ばかりがモデルケースとして取り上げられていました。

日本には福井県鯖江市などを中心に、世界に誇れるメガネ作りの技術があります。自分の好きなメガネで、日本の再生に取り組みたいと感じました。

――今後はどんなところに目標を置いていますか。

とにかく上場を目指していきます。ここ3年以内はそこが全てですね。経営者としても、これを成し遂げないと次のステージに行けないんじゃないかなと思っています。

意識しているのは「グローバルの同年代に勝てるユニークさ」

――ビジネスパーソンとしてキャリアを構築する上で、意識していることがあれば教えて下さい。

グローバル水準のユニークさ、ですかね。グローバルの同年代と比べた時に、僕はいかにユニークか。普通の起業家と違って、アントレプレナーシップとサラリーマン両方の軸を持っているし、今後M&Aなどされたらまたサラリーマンに戻るかもしれない。そういった幅も考えながら、自分は世界の同年代と並んで勝負できるか。常に意識しています。こういう風に世界標準で物事を考えられるようになったのは、やはりスタンフォードに行ったからだと思います。

キャリアを構築する上で、28~35歳はすごく重要だと思っています。28歳までは任せられる業務も限定的かもしれませんが、それ以降はミッションも実力も差が出てくるなと思いますね。

――ミッションが見つからない人はどうしたらいいのでしょうか。

マッキンゼーでもゴールドマンでも、入社する人の志向はある程度傾向があると思います。例えばコンサルは、大企業のマネージャー志向か、職人志向か、はたまたベンチャー志向なのか。大企業のマネージャー志向ならそのまま管理職を目指せばいいし、職人志向なら一つの業界とかスキルとかを究めたらいい。

ベンチャー志向であっても、例えば外部から見る立場を究めたいとか、もっと小さい会社を見たいならVCに行く手もあるし。当事者として経営企画や管理、事業企画をやりたいならベンチャーに転職するなり起業するなり。そうやって落とし込んでいったらいいと思います。

大人になるほど、制約って増えてくると思うんです。起業しよう、ベンチャーに転職しようと思っても家のローンがあるとか、家族が何人もいるから給料下がると困るとか、嫁が専業主婦でいわゆる「嫁ブロックにあう」とか。そういう別要素がありつつも、ミッションをいかに最大化させるか、というところだと思いますね。

――日本では、まだ「起業はリスクだ」という意見も多いと思います。

リスクっていくつかあると思うんです。例えばみんなが想像するリスクって、潰れて借金背負って夜逃げするとか、時間をかけたけど、芽が出なかったとかでしょうか。まず夜逃げについては、エクイティファイナンスして、外部資金を入れればガバナンス構造もできますし、資金も株式でやるので夜逃げのような事態になりません。

「時間をかけたのに芽が出ない」というのは確かにリスクかもしれませんが、華々しく上場などができなかったとしても、ビジネスが回っていればそれはベンチャーではなく、普通の中小企業になるだけの話だと思います。

 ――創業から5年ですが、経営者としてこの5年経って何か心境などの変化はありますか。

すごくあります。外銀、コンサル、スタンフォードMBA――。僕は教育や仕事を通じて、合理的かつ論理的な物事の進め方を学んできました。コミュニケーションもそう。プロセスよりも「結果」。投資銀行でもビジネススクールでも、そう教育されてきました。でも、いざ経営者になると「スマートに」経営するのは非常に難しいんですよ。べたべたな、日本的なカルチャーもある。それもいいんじゃないかなと思うようになったんです。

日本人の年代別の平均年収って、ご存知ですか?

――知っています。30代だと400万円前後ですよね。

そう。投資銀行とかコンサルなんて、下手したら新卒で軽く2倍は超えているでしょ。それって、すごく上澄みの、限られた世界なんですよ。それを意識しておかないといけない。その世界が全てではない。僕は品質の良いメガネを手ごろな価格で、広く世の中の人に買ってほしい。だからサービスを作る時、当時をベースに考えてしまうと何でも見誤るんです。

――経営者としては、どんな点に注意していますか。

現場との共感力を高めることですね。自分には足りないのが分かっているので、がんばって改善しようとしています。MVP制度とか、飲みニュケーションとか。社員とランチとか。自分で無理なら補完してもらおうということで、この日は順番に社員とランチする日、というのを決めて、セッティングもある社員さんにお願いしています。

弊社は、今アルバイトさんも含めると50人強が働いています。自分が残っているとみんな帰りづらいので、早く帰るようにもなりました。「みんなモチベーションがあって当たり前だよね」という考え方ではうまくいかないのです。現場力を高めるために、一体感を持つことが大切だと痛感しています。

稼ぎたいなら、ミッションを上げること

――投資銀行、コンサル共に相当のハードワークですよね。電通の新入社員の過労死問題が世間を騒がせましたが、そのあたりのバランスについてはどのように思われますか。

投資銀行は肉体的なハードさはともかく、とにかく合理的、評価も合理的です。外資はそのあたり、徹底しています。むしろ日系企業よりずっとダイバーシティかもしれません。

電通の過労死は、パワハラやセクハラ問題とも関連しているのではないかと考えています。仕事ができる人ほど、ストレスが大きい環境だったのかもしれません。でも外資はやることやってれば、飲み会を断ってもいい。ちゃんと仕事してたら守ってもらえます。セクハラなんて、やったら男が首でしょう。そして、無駄な仕事もありません。

 そうすると、忙しくても充実するんじゃないかと思うんです。長時間労働というなら、経営者も間違いなく長時間労働。でも過労死って聞かないのは、きっと楽しいからですよね。

――最後に、外資金融やコンサルを目指す学生に何かアドバイスはありますか。

 お金はあるに越したことはない。でも、ただの手段です。それが全てではない、後からついてくるものです。キャリア構築の上であまりに中心に置きすぎると、自分のプロダクトではなく、自分を売ることになってしまう。

 稼ぎたいなら、自分のできるミッションをあげていかないと。自分の本質的なスキル、ミッションって何だろう、ということ。そして何を犠牲にするのか、給与はそれとのトレードオフです。分かりながらと、分からないでやるのは全然違うんですよ。

清川忠康さんプロフィール

1982年大阪府生まれ。2005年に慶応義塾大学法学部、2006年にインディアナ大学大学院を卒業後、UBS証券、経営共創基盤を経て、スタンフォード大学経営大学院に留学。在学中に米中のスタートアップ企業の経営に関わり、2年次在学中に株式会社ミスタータディ(現オーマイグラス株式会社)を創業、代表取締役に就任。オーマイグラスは、オムニチャネルメガネリテイラーとして、Oh My Glasses TOKYOの屋号で返品無料送料無料の日本最大級のメガネ通販サイトと実店舗を運営。主な著書「スタンフォードの未来を創造する授業」(総合法令出版、2013年)


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