【徹底分析】ローランド・ベルガー 欧州発独立系戦略ファームの全貌

【徹底分析】ローランド・ベルガー 欧州発独立系戦略ファームの全貌

2025/06/27

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eyecatch

こんにちは。総合商社とコンサルを中心に就活をしていた者です。この記事では、戦略ファームのローランド・ベルガーについて、私なりの見解と分析を紹介したいと思います。

ローランド・ベルガーは欧州発の独立系戦略ファームです。2023年には史上初めて売上高10億ユーロを突破し、前年比16%増という驚異的な成長を記録しました。監査法人やファンドの傘下に入らず、57年間にわたって独立性を貫いてきた稀少な存在として、戦略コンサル業界で独特のポジションを確立しています。

「動く戦略」をモットーに、戦略立案から実行支援まで一貫して手がける同社の強みは何か。急成長を続けるローランド・ベルガーの全貌を、業界分析、競合比較、最新の経営戦略とともに徹底解剖します。

第1章:ローランド・ベルガーの企業概要

欧州発祥の独立系戦略ファームとしての誕生

ローランド・ベルガー(Roland Berger)は、1967年にローランド・ベルガー氏がドイツ・ミュンヘンで創業した戦略コンサルティングファームです。

創業から57年が経過した2025年現在、ローランド・ベルガーは世界50を超える拠点に約3,500名の従業員を擁するグローバル戦略コンサルティングファームへと成長しています。2023年には史上初めて売上高10億ユーロ(約1,600億円)を突破し、前年比16%増という業界平均を大きく上回る成長を記録しました。最も特徴的なのは、同社がパートナー陣が株主となって独立系の経営体制を維持している点です。2017年12月時点で196名の株主が存在し、7名が1%以上の株式を保有しています。監査法人系や投資ファンドの傘下に入らず、自律的な意思決定を続けてきた希少な存在として、業界内で独特の立ち位置を確立しています。

創業当初はマーケティング戦略の助言を中心に提供していましたが、1969年にはミラノに支店を設立し、1976年にはサンパウロに進出するなど、早期から国際展開を図りました。欧州製造業のグローバル展開に合わせる形で事業領域を広げ、その後、世界中へとネットワークを拡充してきた歴史があります。

グローバル展開と独立志向を支える意思決定

ローランド・ベルガーの成長軌跡を辿ると、1980年代から本格的な北米・アジアへの進出を図り、世界規模の企業へと成長してきました。1974年までには、ドイツ国内でマッキンゼーとキエンバウム以外の全てのコンサルティングファームを売上高で上回るまでに成長していました。1987年には、ローランド・ベルガーはドイツ最大のコンサルティングファームとなりました。しかし、成長過程では外部資本との関わりも経験しています。一時はドイツ銀行が資本参加するなど外部資本との関わりもありましたが、1998年にはパートナー陣が持ち分を買い戻し、独立路線を貫く決断を下しました。

最も注目すべきは2010年の出来事です。米デロイトとの合併交渉がほぼ最終段階まで進んだものの、最終的にはパートナー陣の抵抗により独立性を守る方向を選択しました。この決断は、短期的な成長機会を犠牲にしてでも、長期的な独立性と企業文化を重視する同社の姿勢を象徴的に示しています。欧州に根差した独立経営方針は創業者ローランド・ベルガー氏の起業家精神によって支えられており、ここに独自の企業文化の源流を見出すことができます。こうした路線によって、四半期ごとの株主利益を追うのではなく、クライアントの長期的な利益最大化やサステナビリティを意識した提言を行えるというメリットを獲得している点が特徴的です。

日本法人の特徴と成長要因

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