
国境を越えて価値を生む。イノベーションの現場で切り開く、グローバルキャリアの新境地
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2026/06/10
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新たな事業や産業を育てる仕事は、個社支援の枠に収まるものではない。行政や都市、投資家、海外プレーヤーをつなぎ、イノベーションが生まれる土壌そのものを育てていく営みでもある。デロイト トーマツ ベンチャーサポート(以下、DTVS)の梅村里奈氏は、学生起業を経て入社後、政策・イノベーション・グローバルを掛け合わせた仕事に従事してきた。ニューヨークを中心とする米国東海岸でゼロから機会を開拓し、新卒メンバー初のニューヨーク駐在へと至った歩みは、意志と行動がキャリアの可能性を広げることを映し出している。
※内容や肩書は2026年6月の記事公開当時のものです。
学生起業の経験を経て、DTVSで「グローバル×スタートアップ支援」に挑むまで
――梅村さんの人生の中で、現在の価値観を形づくった経験があれば教えてください。
梅村:原点にあるのは、高校時代にニューヨークで過ごした3年間です。私は福岡出身で、海外生活が長かったわけではありませんが、父がニューヨークの大学に通っていたこともあり、幼い頃から「グローバル」は身近なキーワードでした。思い切って留学を決意し、現地で多様な文化や価値観に触れる中で、自分の考え方が大きく変わったと感じています。
それまでは、どちらかというと自分に強い自信があるタイプではありませんでした。しかし、ニューヨークには挑戦する人を前向きに応援する空気があります。頑張ることを自然に肯定してくれるカルチャーの中で過ごし、「自分も新しいことに挑戦していいんだ」と感じられるようになりました。社会人になってからもチャレンジを恐れず前進してこられたのは、あの時期の経験があったからだと思います。
――大学時代は学生起業も経験したそうですね。
梅村:はい。清掃業界のDXをテーマにした事業を立ち上げていました。父がホテルや宿泊施設向けのビル管理・清掃の会社を経営しており、業界の課題を身近に見ていたことがきっかけです。人手に依存する部分が大きく、まだまだ非効率な面も多い業界だったので、スキルシェアや業務効率化につながる仕組みをつくれないかと考えました。
ただ、3年生の時は自社事業に夢中で就職活動もしていなかったのですが、4年生になるタイミングでコロナ禍が直撃してしまって。宿泊業界全体が大きな影響を受ける中、事業の継続が難しくなり、改めて進路を見つめ直すことになりました。
――そうした状況で、DTVSを選んだ理由は何だったのでしょうか。
梅村:一番大きかったのは、私自身が重視していた二つの軸である「スタートアップに関わりたい」という思いと、「グローバルな仕事がしたい」という思いの両方が重なったことです。自分で事業を立ち上げた経験から、起業家が挑戦する難しさも、それを支える存在の大切さも実感していました。支援を受ける側を経験したからこそ、今度は支援する立場でスタートアップに関わりたいと考えるようになったんです。
DTVSは、スタートアップ支援を軸にしながら、グローバルという領域にも本気で向き合っている会社です。自分の目指したい方向と一致していて、「ここなら自分がやりたいことに真正面から取り組める」と感じました。結果的に新卒1期生として入社することになりましたが、今振り返っても、自分にとって自然な選択だったと思います。
ニューヨークを舞台に、ゼロから機会をつくり出す
――現在はどのような仕事を担当しているのでしょうか。
梅村:グローバル事業部に所属しています。主なクライアントは政府や自治体などのパブリックセクターで、政策・イノベーション・グローバルを掛け合わせたプロジェクトが多いですね。具体的には、日本のスタートアップ企業の海外展開を支援するアウトバウンドの取り組みと、海外企業の日本進出を後押しするインバウンドの両方に関わっています。
スタートアップ企業の経営者に加え、行政や投資家、アクセラレーターなど、多様なプレーヤーをつなぎながらプロジェクトを動かしていくのが特徴です。扱うテーマも幅広く、例えば海外向けのプロモーション支援やグローバルイベントの企画・運営、外国企業の日本市場参入支援などに取り組んでいます。単に個社を支援するだけでなく、都市やエコシステムそのものをどう育てていくかという視点で仕事ができるのは、この領域ならではだと思います。
――そうした幅広いテーマやエリアの中でも、特に注力している分野があれば教えてください。
梅村:米国、その中でも特にニューヨークやボストンを中心とした東海岸エリアに注力してきました。スタートアップというとシリコンバレーを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、ニューヨークも世界2位のスタートアップ・エコシステムを持つ都市です。東京都がニューヨーク市とイノベーション分野で連携する動きもあり、そうした流れも追い風にしながら、現地との接点を広げてきました。
高校時代を過ごしたニューヨークは、自分にとって特別な場所です。いつか社会人としてこの街に戻り、キャリアを築きたいと考えていました。入社当初から社長や上司にもずっとその意思を伝えていて、特にここ1、2年は何度も現地に足を運んでいます。
――そして今回、ニューヨーク駐在が決まったのですね。
梅村:はい。新卒メンバーとしては初の駐在と聞いていますし、DTVS全体で見ても、ニューヨークに駐在するのは私が初めてです。非常にうれしい一方で、大きな責任も感じています。今回は、既にある仕組みに乗るというより、現地のデロイトメンバーとも連携しながら、日米のイノベーション支援をさらに広げていくことが期待されています。自分が行くことに意味があったと思ってもらえるよう、しっかり成果を残したいですね。
――そこに至るまでに、印象に残っている挑戦はありますか。
梅村:やはり、ニューヨークをはじめとするアメリカ東海岸で、ゼロから関係性を築き、仕事につなげていった経験ですね。元々社内でも東海岸を専門的に見ているメンバーはほとんどいない状況だったので、最初から土台が整っていたわけではありません。だからこそ自分で現地に足を運び、イベントなどにも参加しながら、少しずつ信頼関係を築いていく必要がありました。
現地の企業や関係者から相談を受けたときは、すぐに仕事につながらなかったとしても、自分のネットワークの中でつなげられる相手を探して紹介する。「この人と一緒なら新しいことに挑戦できる」と感じてもらうために、まずは相手に価値をGiveすることを意識してきました。ビジネスは結局、人と人とのつながりの上に成り立っているのだと、改めて実感しています。
――その経験を通じて、大きく成長したと感じる部分はどこでしょうか。
梅村:能動的に関係者を巻き込みながら、新しい取り組みを形にしていく力が身に付いたことですね。新規プロジェクトを立ち上げる際は毎回成長を実感しますが、ニューヨーク関連の取り組みはその中でも特に印象深いです。自分から動かなければ何も始まらない環境の中で、関係を築き、周囲を巻き込み、少しずつ形にしていく。その積み重ねが、今の自分の仕事のスタイルや自信につながっていると感じます。
“イノベーション”は世界共通語。多様なプレーヤーと通じ合い、挑戦の幅を広げていく
――今後のキャリアで、挑戦したいことを教えてください。
梅村:まずは今回のニューヨーク駐在で、しっかり成果を残すことが直近の目標です。DTVSがこれまで培ってきた知見を生かしながら、日米のイノベーションをつなぐ役割を果たしたいですね。
その一方で、この挑戦を自分一人の経験で終わらせたくないという思いもあります。自分が道を切り開くことで、後に続く若手メンバーにとって、グローバルな挑戦がもっと現実的な選択肢になっていけばうれしいです。実際、DTVSには海外で働きたい、グローバルにキャリアを築きたいと考えている若手がたくさんいます。今回の駐在が、そうしたメンバーにとって次の機会につながる一歩になればと思っています。
さらに長い目で見ると、いずれは自分で起業したいという気持ちもあります。まだ具体的な事業プランが固まっているわけではありませんが、グローバルでインパクトを与えられる事業をつくりたいという志向は一貫しています。今の仕事では、スタートアップの経営者だけでなく、投資家や支援者、行政など多様なプレーヤーと近い距離で関わることができます。ここで得られるネットワークや知見は、起業する際も必ず生きてくるはずです。
――実際にグローバルな現場に身を置く中で、この仕事ならではの魅力をどのように感じていますか。
梅村:イノベーションというテーマは、国や地域が違っても通じる世界共通の言語のようなものだと感じています。実際、入社してから20カ国以上に出張してきましたが、それぞれ文化や商習慣は違っても、「新しいものを生み出したい」「社会をより良くしたい」という思いを持つ人たちとは、国境を越えてつながることができます。そうした人たちと一緒に挑戦できるのは、この仕事の大きな魅力です。
もちろん、国や都市によって進め方やコミュニケーションのスタイルは異なりますし、簡単なことばかりではありません。ただ、その違いがあるからこそ面白いですし、自分の視野も広がっていく。世界のさまざまな場所で関係を築きながら仕事ができる環境は、DTVSならではのものだと感じています。
――DTVSは、どのような人に向いている会社だと思いますか。
梅村:好奇心が強く、失敗を恐れずにチャレンジできる人にはとても合う環境です。DTVSは、決まった正解に沿って進めるのではなく、自分で機会を生み出すことが求められる会社です。もちろん簡単なことばかりではありませんが、その分、年次に関係なく大きなチャンスをつかめる余地があります。
実際に私自身も、ニューヨークで挑戦したいという意思を発信し続け、行動を重ねる中で今回の駐在につながりました。駐在だけでなく、海外出張や短期派遣など、グローバルに挑戦できる機会も広がっています。スタートアップやイノベーションの世界に関心があり、グローバルな環境で新しい挑戦を重ねていきたい人にとって、DTVSは大きな可能性のあるフィールドです。
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