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私は就職活動において、大手SIer企業であるNECをはじめとした2社の最終面接で不合格となる経験をしました。最終まで進んだものの、あと一歩届かずに悔しい思いを味わいました。しかし、その経験を糧に徹底的に自分自身を見つめ直し、面接での伝え方や志望理由の練り方を改善した結果、NTTデータから内々定をいただくことができました。
このレポートでは、「なぜ最終面接で落ちていたのか」「面接官が本当に見ているポイントは何か」、そして「最終面接を突破するために意識した面接の極意」について、実体験をもとに振り返りながら綴っていきます。
【第1章】最終面接落ちの原因は「自己満プレゼン」だった
私は面接で自分の頑張りや経験を全力で伝えていました。「自分の強み」「ガクチカ」「志望理由」など、話したいことが山ほどあり、準備も相当していました。
しかし今振り返ると、それはまるで“自己満足のプレゼン大会”のようでした。特に最終面接では、「私ってすごいでしょ!」と語ることに終始し、「御社でどう活躍できるか」「なぜ御社で働きたいのか」という結びつきが弱かったのです。
伝えたいことが多すぎて、話にまとまりがなく、結果として「この学生、何が強みだったんだっけ?」「なんでうちに来たいの?」という印象しか残らなかったと思います。企業が求めているのは、自分語りが上手な人ではなく、 「自社で活躍するイメージを持たせてくれる人」 です。
【第2章】面接官が本当に知りたいこととは?
面接で見られているポイントは、結局この2つに集約されます。
- この学生は辞めずに頑張ってくれそうか
つまり、企業の目線で見れば、「この学生を採用するメリットは何か?」「この学生を入社させて、うちで長く活躍してくれそうか?」という問いにYESと思わせることができれば、合格の可能性はグッと高まります。
面接官は「評価者」でもありながら、「未来の同僚を選ぶ立場」でもあります。学生の一方通行のアピールではなく、「御社と私はこう繋がります!」というストーリーを提示することが、面接官の心に刺さる鍵になります。
【第3章】面接で伝えるべきこと:印象を残す「キーワード」の力
面接で勝つためには、「この学生はこういう人!」という印象を残すことが何より重要です。そのために、以下の工夫が役立ちました。
印象を残すキーワードを使う
面接官の印象に残る人には、必ずと言っていいほど「わかりやすく、キャッチーな人物像」があります。
私は「相手の気持ちを汲み取り、信頼関係を築くのが得意です」というキーワードを軸に、自分の経験を語るようにしました。
例えば、スターバックスでの新人指導や売上向上プロジェクトでは、スタッフ一人ひとりに合わせたアプローチを通じて信頼関係を築き、チームとして成果を出すことに貢献した経験を紹介しました。
また、キーワードは企業によってカスタマイズしていました。たとえばNTTデータの選考では「共創性」が求められていたため、自分のキーワードも「信頼関係を大切にし、相手と協働する力がある」という点によりフォーカスして伝えるようにしました。
このように、「この学生は人との信頼関係を大事にする人なんだな」「チームで活躍してくれそうだな」と、ただの経験紹介ではなく“人となり”をイメージしてもらえる伝え方を意識することで、印象に残りやすくなったと感じています。
「社員の志望理由から“キーワード”を真似る」という裏ワザ
最終面接に向けて企業研究をする中で、私が特に意識していたのが、 実際に働いている社員の志望理由やキャリア観に目を通すこと です。多くの企業のコーポレートサイトや採用サイトには、社員インタビューや座談会の記事が掲載されていますよね。
そこには、企業の理念に共感したきっかけや、なぜその会社を選んだのか、入社後に感じた魅力など、 生きた志望理由 が詰まっています。そして実は、そういった社員の言葉の中には、その会社が大切にしている価値観や評価している人物像が自然と現れているんです。
たとえば、NTTデータでは 「共創」「挑戦」「誠実」 といったキーワードがよく使われており、実際に社員の方々も「多様な価値観を持つ人と協働することにやりがいを感じている」「相手に誠実に向き合う姿勢を評価された」といった言葉で語っていました。
私はそこからヒントを得て、自分の強みである 「信頼関係を築く力」 や 「相手の立場に立つ姿勢」 を、面接で語るキーワードとして取り入れるようにしました。
このように、 社員の言葉を参考にしながら、自分の経験や価値観に合うキーワードを借りてアレンジする ことで、企業との親和性をより自然にアピールできます。
【第4章】突っ込まれない志望理由と入社後に実現したいことを作る方法
最終面接で特に見られているのが、「なぜうちなの?」という志望理由です。
ここで曖昧な回答をすると、「それって他の会社でもよくない?」と問われ、詰まってしまいます。
そこで私は、以下の5ステップを意識して志望理由を組み立てました。
私は、ストーリー性を持って論理的に伝えていました。みんな同じような志望理由を話すので、自分なりの原体験と共に話すことで印象にも残りやすいし、説得力が増します。
以下に、この構成を簡潔に説明します。
1. 将来叶えたい夢やビジョン
まず最初に、自分の大きなビジョンや目指す社会の姿を明確に伝えます。この段階では、ビジョンが抽象的でも問題なく、面接官があなたの価値観や目指している方向性を理解できるようにします。
2. ビジョンを持つ理由(原体験)
次に、なぜそのビジョンを持つに至ったのかを、具体的な経験(原体験)を通じて説明します。ここでは、自分がどのような経験を経てそのビジョンを持つようになったのかを語ることで、面接官に共感を与えます。
3. 自分のビジョンが実現できる理由(志望業界への適応)
そのビジョンを実現するためには、なぜその業界(ここではSIer業界)を選んだのかを説明します。業界の特性(技術力や業界横断的な課題解決能力など)が、自分のビジョンを実現するためにどう役立つのかを示します。
4. 企業の強みと自分のビジョンのマッチング(企業への魅力)
次に、具体的にその企業が自分のビジョンを実現するために最適な場所である理由を示します。企業の強み(技術や事業内容、特に社会課題解決に関連するプロジェクト)を挙げ、それがどのように自分のビジョンと重なるのかを説明します。
5. 入社後の具体的なアクションと社会的意義(実現の道筋)
最後に、入社後に自分がどのようにアクションを起こしてビジョンを実現していくのか、具体的な計画を示します。社会課題解決にどのように寄与するのかを具体的に伝え、実現可能なビジョンであることを強調します。
この構成を用いることで、面接官は自分が目指すビジョンとその実現のために選んだ業界・企業との関連を簡潔に理解でき、自分がどのようにして企業で活躍するかを具体的にイメージしやすくなります。ストーリー性を持たせることで、面接官の印象に残りやすく、強い説得力を持たせることができます。
【第5章】面接ステージごとの対策
面接はステージによって見られる観点が変わるため、それぞれに応じた対策が必要です。
▽ 一次面接
- 面接官は「人柄」や「コミュニケーション能力」を見ています。
▽ 二次面接
- 「志望度」「業界で活躍するための素質」が評価されます。
- ここでは、自己理解と業界理解の「接点」を語れるようにしておくのが効果的です。
▽ では、最終面接は何を見られるのか?
最終面接では「一緒に働く姿」が想像できるかがすべて。
最終面接で見られているのは、ズバリ「この学生は本当にうちで働きたいと思っているのか」「入社して、ちゃんとやっていけるか」という点です。つまり、“志望度の高さ”と“会社との相性(カルチャーフィット)”が最大の判断基準になります。
ここで重要なのは、「一緒に働きたい」と思ってもらえるかどうか。自己PRのうまさやスキルの高さだけでなく、 自然体でありながら、熱意を持って臨む ことがとても大切です。作り込んだ言葉よりも、「本当にこの会社で働きたい」という気持ちが表情や言葉の端々ににじむような面接が理想です。
そのために、私は 徹底的な企業研究 を行いました。ホームページの読み込みはもちろん、会社説明会の動画を繰り返し見たり、IR資料や社員インタビュー記事なども読み漁りました。さらに、会社の理念や行動指針、自社製品・サービスがどんな価値を生み出しているのかを調べ、自分の価値観や経験とどう結びつくかを言語化するようにしました。
企業が大切にしている言葉や考え方を、 自分の言葉で咀嚼して語れるようになること 。それが、最終面接突破の鍵だと思います。
【第6章】効果的な面接練習の方法
いくら準備しても、実際に話してみなければうまく伝えられないことも多いです。私は以下の方法で練習を重ねました。
- 一人で録音・録画して練習する → 客観的に自分の話し方や癖を分析できます。
- 志望動機やガクチカを「60秒」「3分」「5分」などバリエーションで話せるようにする → 話の引き出しを増やし、どんな質問にも対応できるようにする。
【第7章】その他の所作やマナーも侮れない
面接では話の内容だけでなく、「姿勢・表情・目線・相づち」などの所作も意外と見られています。私は以下の点を大切にしていました。
- 面接中は自然な笑顔とアイコンタクト
- 面接官の話に適度なリアクションをとる
- 最後に感謝の気持ちを伝える
小さなことの積み重ねが、「一緒に働きたい」と思わせる好印象に繋がります。
【おわりに】最終面接落ちは「最高の学び」だった
最終面接で落ちたときは、本当に落ち込みました。しかしその経験があったからこそ、自分を冷静に見つめ直し、面接での本質を理解することができました。
「どれだけ自分を伝えるか」ではなく、「どれだけ企業と自分が繋がっているか」を伝えることが大切だと気づけたこと。それが私の就活の大きな転換点となりました。
今、就活を頑張っているみなさんへ。もし不合格が続いたとしても、それはあなたの価値を否定するものではありません。その経験こそが、あなたの次の成功を支える大切な一歩になるはずです。自分らしさを信じて、諦めずに前を向いてください。応援しています。
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