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企業側も必死!内定した学生囲い込みの実情

はじめに

就職活動に関する情報は、人事に関わるものであるだけに非常に閉鎖的。それゆえ、実際に経験しないとよくわからない部分が多々存在しています。そのうちの一つが内定をとった後の「囲い込み」の実情です。

そこで、今回は就職活動において行われる「囲い込み」を私自身の経験や友人談からまとめてみました。

内定辞退を防ぐために「囲い込む」

まず、「囲い込み」とはどのようなことを言うのでしょうか。

簡単に言うと「企業が行う、自社への内定者が辞退するのを防ぐための活動」のことをいいます。つまり、他社の選考を受けさせないように日程をブロックしたり、他社選考辞退を要求する活動です。

内定をしてみると分かりますが、人材に力を入れている会社であればあるほど、企業側から猛烈にアプローチを受けます。内定蹴りされて、他社にいかれてしまうと困るからです。

この囲い込みという行為はバブル期に最も派手に行われており、最も顕著だったのが拘束旅行と称される囲い込みです。

相当昔になりますが、1991年の大学生求人倍率は2.8倍、大変な売り手市場でした。

内定するとすぐ合宿があり、就活期間中に国内・海外のリゾートホテルに連れていき、他社選考を辞退させておりました。

この時期は地方学生が説明会に参加するだけで、宿泊費・交通費が出るなど、大変恵まれた時代だったようです。

一見羨ましいように思えるのですが、外部との連絡を遮断されるなど、まだ就職活動を続けたい学生にとっては、せっかく頂いた内定を断り内定をもらえるかわからない面接に行くのか、それとも第一希望は諦めて内定をくれた会社に行くかで大いに悩んだことでしょう。

当時の体験談の中には、「沖縄に行った」「ハワイに行った」などの証言もあるようです。また、どうしても他社選考を受けたくて、トイレの窓から脱走した!なんてエピソードもありました。それくらい拘束が厳しかったのです。

この頃は、企業の囲い込みはレジャー目的などイメージアップも兼ねて行っていたようですが、直近よく行われるケースはあくまでも研修やセミナーという名目で、学生としても参加せざるを得ないようです。

4月1日~3日にグループワークを入れて、他社選考を辞退させた例も

例えば東日本大震災があった年、12卒のケースですが、総合商社が本選考実施を6月に延期するなど、各業界によって大幅に採用時期が分かれてしまいました。

よって、4~5月頃に選考のあった金融機関が他社に流出するのを恐れて、6月頃行われる商社やメーカーなどの選考とかぶせて、被災地ボランティアなどの泊まり込みの研修を行った例もあるようです。

もちろん当時被災地ボランティアは大変重要なことだったかと思いますが、商社・メーカーの選考を受けないでほしいといった本音も一部あったのではないかと思います。

近年では、多くの企業で、内定出し終わった後に連日内定者を集めて、各企業の一次選考を受けさせないようにするなどという囲い込みの方法がとられたようです。

実質的な選考を2-3月中に終え、3月末から4月はじめに連日学生を呼び出し、身動きが取れないようにするという形式です。

某大手トップ企業に内定した就活生Aさんに聞いてみたところ、以下のようなことがあったようです。

ケース1: 4月1日に最終面接

金融機関の最終面接等が集中する時期に徹底拘束
3月31日の夕方から本社ビルで最終面接前の打合せという名目で簡単な面談がありました。地方組は本社近くのホテルに部屋が用意してあって、必ずそのホテルに前泊しないといけません。
そして4月1日は午前中に最終面接。結果は適宜連絡すると伝えられて、電話があったら10分以内で本社に来れる場所で待機しておけ、と伝えられます。
したがってみんな他社の選考は受けられなくなります。
そして個人差はあるようですが、数十分後から数時間以内に結果が通知されます。その1時間後位に本社ビルに呼び出され、最終的な意思確認をされ、内々定となります。
夜は懇親会があるから必ず参加するように伝えられて、結局夜中まで社員持ちで飲み会に。金融機関の最終面接等が集中する3月末と4月1日は他社の選考が受けられないように徹底して拘束されるみたいです。

まず、最終面接が4/1に行われていることがお分かりいただけるかと思います。もちろん倫理憲章ではこの当時は4月1日選考スタートです。

しかし、選考ではないとはいいつつも、社員との面談や質問会、お話しを伺う会のようなニュアンスで2~3月中に何度か呼び出され、実質的な選考を行う企業もあるのです。

4月からだと思っていた企業の選考が実は既に終わっていたなんてことがないようにしましょう。

結局上記の会社では日系企業が一次面接を一斉に始める4/1は完全に身動きがとれないようですね。

これは完全な囲い込みといえるでしょう。この会社では、おそらく3月中に内定者を出しておいて、4/1は形式的に最終面談をやっているのだと思います。

また以下のようにさらに強力な囲い込みを実施した企業があるようです。

ケース2: 4月1日~3日までグループワーク

朝集合から夜の懇親会までシームレス
4/1は朝8:50に集合しました。内々定通知のサインを全員(15人)が終えるまで部屋から出れません。(その間サインしていない人は雑談)午後からはなぜか英語のレッスンをやり始めます(夕方ちょい前まで続く)。そして夕飯に連れてかれます(お酒を飲まされ22時まで)のでこの日は終わりになります。

4/2は9:00集合しました。朝から課題を出されてグループワークをして、昼は社員にランチに連れてかれ、その後もグループワークが18:00まで続きます。(勿論この間原則抜けれない)

その後はまたディナーに連れて行かれ、この日も終了になりました。

4/3も9:00集合で午前にGWの内容をグループごとに発表(これにてグループワーク終了)からの恒例のランチ。

午後は研修等の説明と1年目の社員としての心構えや偉い人の話を聞いて終わりなのですが、ご多分に漏れず最後に懇親会を行い、1~3日が見事につぶされる結果になりました…。

これは私が聞いた中で、最も完璧に内定者を囲った企業の例です。

これで完全にこの企業からの内定辞退はなかったのではないでしょうか。

もちろん内定者の大半だと思われる、この企業を第一志望にしている方々にとってはかなり有用な3日間だったはずですよね。

他にも、内定が出た後に頻繁にランチに呼ばれる、すぐに内定者懇親会があるなど、「プチ囲い込み」のようなものもあるようです。

企業の人事からしたら、内定を出した学生に辞退されるのは人事として失点になってしまうので仕方のないことなのかもしれません。

ケース3: その場で内定辞退を要求

最終面接にて他社内定の辞退を迫る企業もあります。

特に競合企業にオファーが出ている学生の場合は、自社からオファーを出す条件として、その場で人事に電話して辞退するように申し伝えることもあります。

ただ、そういった慣習があることを分かっている企業も多く、後から「すいません、いまのは某◯◯社から言われたことでして」といえば、特にお咎めなく内定が復活することもあります。

内定辞退に際しては、誠心誠意込めて、きちんと自分の考えを述べてください

また、内定辞退をした後についても書きたいと思います。

一般的に内定辞退はまずは電話でその旨を伝え、本社に行って再度その旨を伝えるということがほとんどだと思います。理由などを詳しく聞かれます。

中には、内定辞退することをある程度予想していたのか、電話だけで済ませられる企業もあります。

これとは対照的に、内定辞退の旨を伝えた後も、もう少し考えてみてはどうかと説得され、4月のはじめに出た内定を断るのに、ゴールデンウィーク明けまでかかったという事例もあります。

その間、何度もとてもかっこよくて仕事できそうな社員さんとご飯に行ったり飲みに行ったりで翻意を促されるのです。

そして毎年就活生の間で噂される某証券会社についての内定辞退の件、辞退したらその場でカレーライス、ラーメン、コーヒーをスーツにぶっかけられるとか言われますが、これは完全に都市伝説ですのでご安心ください。

過去にそのようなことがあったかどうかは確かめようもないですが、今年に限ってはそういった声は聞こえてきませんでした。そもそも誠意を持って学生と面談しているのであれば、そのようなことはできないはずです。

内定辞退の時はくれぐれも誠心誠意をこめて自分の考えを話すようにしなければなりません。今後どこで関わりあいになるかわかりません。礼儀正しく、禍根を残さずにしっかりコミュニケーションしていきましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。優秀な学生の多くは複数社から内定が出ているのが現実です。

選択肢が複数ある中でファーストキャリアをどこにするか選ぶのは、実際の仕事体験が十分できていない企業が多い中、なかなか悩ましいところです。

企業側の一方的な押し付けを受け入れるだけでなく、きちんと誠意あるコミュニケーションした上で、入社先を戦略的に選んでいくようにできれば最良かと思います。

たまに「企業側から美味しいご飯に連れてってもらえるから」といって、いつまでも入社先決定を引き伸ばしたりするゲンキンな方もいます。これは先方に迷惑なので、やめましょう(^^)

では、来年の4月に嬉しい悩み(?)を抱えながら、じっくりと入社先を考えられるように、頑張っていきましょう!

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