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営業、マーケティング、経営企画、人事。企業の中にはさまざまな役割が存在するが、その中でもファイナンスは特殊な領域だと考える人が多いだろう。専門的な知識やスキルが必要とされる職業で、自分とは関係の薄いポジションだと思う人もいるかもしれない。
しかし、少なくともロレアルにおいてはそうではない。ビジネスプロセスにおける大きな意思決定場面では、必ずと言っていいほどファイナンスのメンバーが重要な役割を担っている。ファイナンスの専門性とビジネス全般の知見を、どちらも深く学ぶことのできる希少な環境だ。そんなロレアルのファイナンス職のやりがいや使命について、サナー・バイリー氏と宮脇麻衣氏に話を聞いた。
※内容や肩書は2023年11月の記事公開当時のものです。
ファイナンスは、ロレアルの根本を支える“背骨”のような存在
――まずはサナーさんがロレアルに入社した動機からお聞かせください。
サナー:私のキャリアは監査法人からスタートしました。その後は1度クライアント先企業に転職し、事業部のCFOとして数年間勤めた後、2013年にロレアルのフランス本社に入社しています。なぜ入社したかというと、今まで以上にファイナンスが重要になっていると感じたことが理由です。
ロレアルに限った話ではないかもしれませんが、企業の国際化やM&Aが活発になり、そうしたプロセスの全てにおいてファイナンスは重要な役割を担うことが求められます。ロレアルはマーケティングに強い会社だというイメージをお持ちの方もいるでしょう。もちろんそれは事実なのですが、ファイナンス職も同じく会社の根本を支える存在です。
前職もメーカーだったのですが、やはり化粧品業界はトレンドの移り変わりも激しく、よりダイナミックな環境で働けることを期待しました。私自身も女性ですから、化粧品が好きだという気持ちもあります。
――前職と比較してもファイナンスの役割は大きいのでしょうか?
サナー:重要性という観点では、どの会社でも変わらないと信じています。ただ、各領域への関わり方や、ビジネスの意思決定現場における影響範囲は、企業によって異なるところもあるでしょう。ロレアルにおいては、本当にあらゆるステップで私たちファイナンスメンバーが関わっています。M&Aでブランドを獲得する時や新しい製品を発売する時はもちろん、製品の流通戦略といったビジネスプロセスの末端まで、全ての決断にファイナンスが入るのはロレアルならではの独自性です。
ファイナンスは、ロレアルのビジネスを支える“背骨”のような役割だと捉えています。
――ありがとうございます。続いて宮脇さんの入社動機も教えてください。
宮脇:私は元々数字に興味があったので、金融機関やメーカーのファイナンス職を色々と調べていました。その中でたまたまロレアルのブランドコントローラー(1ブランドの財務責任者)というファイナンスの仕事があることを知ったのですが、当時の日本のサイトには1行くらいの軽い紹介しかなかったんですね。どんな仕事かよく分からなかったのでグローバルのサイトに飛んでみたところ、これは面白そうだと直感しました。そこからは「私はこの仕事をやるんだ」と決めて、ほとんどロレアル1択です。
――どんなところが面白そうだと感じたのでしょうか?
宮脇:まさにサナーの言ったように、各ブランドのメンバーと一緒にビジネスを作り上げていくところです。売り上げ目標や利益目標を達成するにはどのような戦略を描くのか、ファイナンスの専門知識を武器に、あらゆる側面から事業運営戦略に関わっています。しかもその仕事を、非常に早いうちからリードできることもロレアルの大きな特徴です。
私のケースで言うと、1年目は会計部で請求書の処理なども含めた経理や会計の基礎的な部分を学び、2年目には早速シュウ ウエムラのブランドコントローラーのアシスタントを務めることになりました。しばらくここで経験を積むのかなと思っていたのですが、約1年後にはビオテルムのブランドコントローラーをやらないかと声をかけてもらって。入社3年目の5月が、私のブランドコントローラーとしての独り立ちデビューです。現在はさらに早くなっており、入社1年目や2年目からブランドコントローラーを任されるケースもありますね。
サナー:たしかに、早くから広い範囲を任されることもロレアルの特徴です。新卒の方は約1年間のマネジメントトレーニーと呼ばれるOJT期間を経ることになりますが、私たちは新卒で入社された方のことを、入社1日目から同じビジョンに向かうチームの一員だと捉えています。
一例を挙げると、先日グループ内の広告費やマーケティング予算を見直して効率化するプロジェクトには、新卒入社1年目の社員が参加して大きく貢献してくれました。こんなお話をすると、いきなり荒波に放り出されるのかと心配される方もいるかもしれませんが、そこはご安心ください。当然ながら、先輩や上司が十分にサポートします。裁量権はありますが、単純に放置されるということはありません。
宮脇:研修も充実していますし、新たなチャレンジを始めるメンバーのことは、周囲がサポートし、チーム全体で成果を上げていこうという風土が備わっています。
私もラグジュアリーブランドからマス向けのブランドに異動した時は、使われている言葉(業界、事業部特有の言葉)も分からないような状態でした。百貨店販売と代理店流通では、ビジネスモデルそのものも異なりますからね。しかし、営業やマーケなど他の部署のメンバーも「マス向けはここがキーだよ」と教えてくれて、その上でどう進めていくかを考えることができたので、とても助かりました。
自分自身の意思決定が、マーケットの反応として返ってくる
――ファイナンス職のやりがいはどんなところだと思いますか?
サナー:私自身が感じていることとしては、やはり自分の考えたことや行動が、ビジネスの重要な決定や成長に貢献できること。さまざまな場面で意見を求められるので、自分が貢献できていることを日々実感しています。
新卒の方にとっては、学べる環境や幅広い経験そのものがやりがいだと信じています。ビジネスモデルも人も多様性に溢れているので、さまざまな人と共にさまざまなプロジェクトに携わることができる。それらを通してビジネスもファイナンスも深く学べるこの場所は、若い人材にとって素晴らしい環境だと思います。
――ファイナンスだけでなくビジネス全般の知見を身に付けることができる?
サナー:その通りです。最初から最後まで全てのプロセスに関わるのがロレアルのファイナンス職ですから、会社がどう動いているかを網羅的に理解できます。もちろんそういったシーンで貢献するためには、ファイナンスの専門性を身に付けることが求められる。間違いなく、両方を学べる環境です。
――宮脇さんはどんなところにやりがいを感じていますか?
宮脇:決断したことがすぐに反映されて、マーケットの反応も分かるところですね。例えば新商品の価格決定時にも、私たちファイナンスのメンバーが議論に入ります。その決断によって、想定した通りの売り上げや利益が確保できるのかどうか。自分の決定による結果が短期間で判明することは、やりがいにも成長にもつながっていると感じます。
――プライシングの場面にもファイナンスの方が入られるのですね。
宮脇:もちろんです。お金が関わる意思決定には、基本的に全て入ります。
――逆に言うと、ビジネスで何かしら施策を打とうと思えば、お金が関連しないことはほとんどないですよね?
宮脇:たしかにそうですね。人が動くだけだとしても、そこには人件費が発生していますから。商品の価格決定、美容部員の人員配置、マーケティングプラン、店頭設営のための投資……。もちろん、私たちだけで決めるわけではありません。プライシングで言えば競合や市場調査はマーケティング部が担当し、彼らの提案に対して、利益率が妥当かどうかといった観点から私たちが意見を出して共に決めていくという流れです。
――ファイナンス部門として、現在特に注力していることはありますか?
サナー:2030年に向けてファイナンス部門のビジョンとして7つの柱を設けていますが、分かりやすい2つの例を紹介させていただきます。1つはデジタル化。AIを含めたデジタルツールの活用をさらに推進していく予定です。もう1つはCenter of Excellenceといって、ファイナンスの中にある一定の機能をグローバルレベルで集約しようとしています。
この2つはどちらも同じ目的です。業務プロセスを標準化したり日々の業務を効率化したりすることで、各マーケットで働くファイナンスメンバーの負担、例えば「重要性は高いが戦略性は低い業務に費やす時間」を減らし、より重要な意思決定やKPIのトラッキングに集中できる環境づくりを目指しています。
任されるポジションは常に、今の実力より少し上
――サナーさんはこれまで、フランス、マレーシア、台湾、日本で勤務してこられたそうですが、世界と比較して日本の化粧品マーケットをどう感じていますか?
サナー:日本は世界でも3番目の化粧品マーケットの規模があります。その分たくさんの競合メーカーがひしめいていることが最大の特徴です。ロレアルとしては、今後も各ブランドのシェアを伸ばせるよう努力していきますし、M&Aを通じた新しいブランドの獲得も常に検討しながら臨むでしょう。
――ということは、ファイナンス職の存在がさらに重要になってくる?
サナー:その通りですね。忙しくなっていきます。今も忙しいのですけれど(笑)。ぜひ優秀な方にたくさん入社していただいて、即戦力として活躍してもらいたいと思っています。
――新卒入社した方は、どういうステップで成長していくことになるのでしょうか?
サナー:宮脇も申し上げた通り、まずはOJTに加えて豊富な研修コンテンツで学んでいただくことになります。例えば、スタンフォード大学の教授が創立したCourseraにも加入しており、そちらでは世界トップクラスの大学・企業の講演をオンライン上で受講でき、資格として終了証が発行されるコースもあります。
その他にも、1万以上のコースを有するロレアル専用のE-learningプラットフォームもあり、「ファイナンス」に特化したコンテンツも検索可能です。そういったコンテンツを活用しながら、その時々の自分に必要な知識を身に付けることができるでしょう。
あとは、若い方には上司や先輩社員も付きますので、先輩たちの実際の業務をすぐ近くで見ながら成長できますし、分からない点や不安なことがあれば気軽に相談することもできます。
――宮脇さんが、ご自身の成長にとって一番良かったと感じる制度/風土はどんなものですか?
宮脇:今の自分の実力より少し上のポジションを任せてもらえることですね。慣れてきた頃にはまた新しい領域にチャレンジできますし、飽きることもなく頑張ってこられたと思います。
同じブランドコントローラーという役割でも、担当ブランドが変われば見るべきポイントもやるべきことも変わります。その都度大変なことはありますが、周囲も十分にサポートしてくれますから、自分自身のやる気次第でどこまでも伸びていくことができます。慣れた場所にとどまるのではなく、常に違う領域や難しい仕事に挑戦したいという方には、最適な環境なのではないでしょうか。
――ブランドによってやるべきことが違うとのことですが、だとすると1つのブランドをずっと担当した方が効率はいい気もします。なぜ複数のブランドを経験するのでしょうか?
宮脇:複数の領域を経験することで、それぞれの知見を融合できるからです。1つの部門しか見ていないと、気付けなかった改善ポイントがあるというのは、私自身も実感しています。
もちろん、各ブランドの担当期間が短すぎては意味がありません。ロレアルが大切にしているカルチャーの1つに、「Eat What You Cook」という言葉があります。日本語では「試して学び、成果につなげる」となっていますが、直接的に訳すなら「自分のやった仕事の成果は自分自身で確認しよう」といったところでしょうか。
自分の決めた投資プランがうまくいくかどうかを見届けることが自己成長にとって重要なので、2、3年に1度くらいのスパンで異動するようなイメージです。
多様性の海にいることが心地いいと感じる人へ
――サナーさんは、具体的にはどんな人に来てほしいですか?
サナー:とても興味深い質問です。いくつかの要素に分解するなら、まずは好奇心旺盛な方。そして柔軟でオープンな姿勢を持っている方。多様性の海にいることが心地いい、楽しいと思えることはとても重要な要素です。もちろんタフなプロジェクトや場面にぶつかることもあるでしょうから、チャレンジ精神やプロフェッショナリズムも持っていてほしいですね。宮脇や他のメンバーを見ていても、ディビジョンのトップになる人はこれらの要素がそろっていると感じます。
あとは、マーケティングやセールス、人事などさまざまな部署と一緒にチャレンジしていくことになりますから、協働するスピリットも大切です。
――ありがとうございます。宮脇さんはいかがでしょうか?
宮脇:成長意欲が高い人がいいですね。もちろん私たちからやってほしいプロジェクトや成長するための環境は用意しますが、そこをはみ出して「こういう仕事がやりたい」と言ってくる人は大歓迎です。
携わったビジネスプランは、世に出る前に当然レビューしますから、安心してチャレンジしてほしいと思っています。もし失敗したとしても、その責任は個人ではなくチームにあります。本人としては落ち込んでしまうかもしれませんが、気に病む必要はありません。同じ失敗を繰り返さないためにはどうすればいいか、次はどうやったらうまくいくのかを、チームで考えればいいだけですから。
――非常にやりがいがある環境だと感じる一方で、世の中全般的にファイナンス職は忙しいという印象もあります。女性のキャリア構築という観点で、ロレアルとしてはどんな制度やサポートがありますか?
サナー:私もさっき、忙しいと言ってしまいましたね(笑)。
宮脇:全く忙しくないと言えばウソになってしまうでしょう。でも、私自身も2回の産休・育休から復帰していますし、保育園や外注できる家事などのサポートは最大限に受けながら、大きな問題なくプライベートと両立することができています。非常にサポーティブなカルチャーなので、例えば子どもが熱を出した時などもかなり柔軟に調整してもらえます。
ただ、誰かを特別扱いしている、またはされているという感覚もありません。親御さんの介護をしている社員もいますし、それぞれの事情に配慮する風土があるという認識です。
キャリア構築に関しても、かなりフラットに相談することができます。会社が勝手に「この人はプライベートがこういう状況だからこのポジションは無理だろう」と判断することもないですし、逆に強制されることもないです。
私も2人目が生まれる前に異動するかしないかという選択があったのですが、「2人目がほしいと思っているので次のポジションに長くコミットはできない」と伝えたところ、私の希望に沿った形のキャリアプランに変更してもらうことができました。
――素敵なカルチャーですね。最後に、これから社会に出ていく大学生の皆さんにメッセージをお願いします。
サナー:自分らしく来てください。私がお伝えしたいのはこの一言に尽きます。ファイナンスの知識や英語力がないとしてもそれに負い目を感じる必要はありません。好奇心やチャレンジ精神を持っている方であれば、後からいくらでも知識を身に付けることができます。とにかく自分らしく、その気持ちを何よりも大切にしてください。
宮脇:本当にそうですね。もし数字に強くなくても、電卓やエクセルがいくらでも計算してくれるから大丈夫です(笑)。英語も同じで、私も入社当時はそんなに流ちょうだったわけではありません。3年目にブランドコントローラーになった時に、いきなり上司が2人フランス人になって。最初は少し戸惑いもありましたが、仕事で使っているうちに段々と慣れてきて、今では問題なく英語でやり取りできるようになっています。
現時点での知識やスキルではなく、やりたいこと、面白いと思えることから仕事を選んでほしいと思います。やりたいことに出会う、それ自体が難しいということは理解しているつもりです。それでもやっぱり、自分が何に興味を持つのか、どんなことを深掘りしてみたいかを考えるのは大切ですよね。学生のうちからそういう気概を持っていれば、きっとどの会社を選んだとしても楽しい仕事人生が待っていると思います。
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