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有機化学(有機合成化学)の研究室に所属することを検討しており、具体的な就職先企業や就職難易度について知っておきたい理系学生の方も多いと思います。
ここでは、大学で有機化学(有機合成化学)を研究している学生の主な就職先企業と仕事内容について解説しています。
有機化学者がどんな分野で活躍しているのかを知り、自身の進路を決めるための判断材料としてご活用ください。
有機化学とは?
有機化学とは、 炭素を中心として水素、酸素、窒素、硫黄などから構成される有機化合物の製法・構造・性質・用途などについて研究する学問 のことです。
例えば食品(デンプン、タンパク質、脂肪)や高分子化合物(プラスチックス、合成繊維、合成ゴム)、燃料(天然ガス、ガソリン)、薬品など身近なところで使われているものに加え、我々の体を構成するタンパク質やDNAも有機化合物です。対して、構成元素に炭素を含まない金属などを無機化合物といいます。
有機化学の研究について分かりやすくいうと、主に以下のことを行います。
・有機化合物をどうやって作るのか(有機合成化学)
・有機化合物はどんな元素でできているのか(分子構造解析)
・有機化合物にはどんな性質があるのか
・有機化合物にはどのような用途があるのか
その中でも有機合成化学は、有機化合物の新規な合成方法を研究する学問で、有機化学の主軸となる分野です。近年、有機合成技術には十分な知識と経験が必要であることから、そのスキルを持った人材が企業や公的研究機関から、多く求められるようになっています。
有機化学を研究している学生の就職先
「有機化学を研究している学生の就職先は化学メーカー?」と思われる人も多いかもしれませんが、有機化学についての専門的な知識は化学メーカーのみならず幅広い業界で活かすことができます。
ここでは、有機化学を学んだ学生の主な就職先をご紹介します。
化学メーカー
有機化学を学んだ学生の就職先として多いのが化学メーカーです。実際の採用でも化学系学科の学生をメインで募集している企業が多く、有機化学の知識を最大限に活かすことのできる魅力的な業界であるといえます。
また、化学業界の市場規模は非常に大きく(一例として、国内最大手の三菱ケミカルの売上高は約4兆円(2020-2021年))、それに比例して企業の事業規模も大きいのが特徴です。
化学メーカーは、原料の調達から開発までを自社で一貫して行う 「総合化学メーカー」 、製品を作るときに必要となる材料を作る 「誘導品メーカー」 、総合化学メーカーや誘導品メーカーから購入した材料を使って電子材料を作る 「電子材料メーカー」 の3つに分類され、それぞれの代表的な企業は以下の通りです。
総合化学メーカー | 誘導品メーカー | 電子材料メーカー |
---|---|---|
三菱ケミカル | 信越化学 | 富士フイルム |
住友化学 | 三菱ガス化学 | 住友ベークライト |
旭化成 | 東レ | 昭和電工マテリアルズ |
三井化学 | ダウケミカル日本 | 東京応化工業 |
BASF | デュポン | ADEKA |
関連記事:化学メーカーでの仕事内容とは?業界の動向と平均年収ランキング
食品メーカー
食品には合成甘味料や香料、酸化防止剤、合成保存料などの合成添加物がよく使われており、これらの研究・開発には有機化学で学んだ知識を最大限に活用できます。
食品メーカーは企業・商品ともに知名度が高く、研究職や開発職を志望する化学系学科をはじめとして、幅広い学科の理系学生から就職先として人気が高い傾向にあります。
食品メーカーは、菓子・乾燥麺・冷凍食品・乳製品等・調味料などの 「加工食品」 をはじめ、水産品、食肉製品や小麦粉などの 「食品原料」 、清涼飲料水・アルコール・たばこなどの 「飲料・嗜好品」 に分類され、それぞれの代表的な企業は以下の通りです。
関連記事:食品メーカーでの仕事内容とは?理系の就職難易度と企業評価ランキング
自動車メーカー
自動車メーカーと聞くと機械・電気系学科のイメージがあると思いますが、自動車には様々な素材が用いられており有機化学を学んだ学生が活躍できるフィールドもあります。
特に自動車の内装品や外装品などに使われている炭素系樹脂の研究・開発では、有機化学の知識を持った人材が多く求められています。
代表的な企業は以下の通りです。
製薬メーカー
製薬メーカーでは医薬品を製造していますが、医薬品の中でも抗体薬やワクチンなどの研究・開発には有機化学で学んだ知識が非常に役に立ちます。
また、製薬メーカーで扱う医薬品は低分子化合物であることがほとんどであり、有機化学の知識をそのまま生かせることから、大学で有機化学を学んだ学生から非常に人気のある就職先です。
代表的な企業は以下の通りです。
製薬メーカー | |
---|---|
武田薬品工業 | 小野薬品工業 |
アステラス製薬 | 塩野義製薬 |
第一三共 | 大塚製薬 |
エーザイ | 久光製薬 |
試薬メーカー
大学や企業の実験などで、化学反応を起こさせるために用いる化学薬品のことを試薬(試験研究用薬品)と呼び、この試薬を開発するメーカーを試薬メーカーと呼びます。
有機化学を学んでいる学生にとって試薬は馴染みあるものですので、試薬メーカーに就職して品質の高い試薬を研究・開発したいという人も多いです。
和光純薬工業が国内最大手の試薬メーカーであり、再生医療に貢献するなど活動の分野を広げているのが特徴です。
代表的な企業は以下の通りです。
試薬メーカー | |
---|---|
和光純薬工業 | 東京応化工業 |
東京化成工業 | 日水製薬 |
関東化学 | ナカライテスク |
シスメックス | 大和化成 |
有機化学を活用した企業での仕事内容
有機化学を学んだ人が活躍する業界は多岐に渡りますが、実際の仕事内容は以下の二つです。
研究開発
有機化学を活用した仕事は研究開発がメインであり、企業のラボ(研究室)で実験や分析などを行います。
例えば製薬メーカーの場合、新薬をデザイン(考案)し、新規な合成方法を確立させ、臨床試験を通して薬にしていくのが一連の仕事の流れです。
プロセス化学
もう一つは、企業のラボ(研究室)での実験・分析結果に基づいて、合成された物質を効率よく工業生産する方法を確立する仕事です。この分野をプロセス化学と呼び、化学工学を始めとする工学部の分野にもなり得ます。
製薬会社の例を使うと、ラボで開発された新薬を生産するプラントなどの管理が仕事の内容です。
ここまで、有機化学の研究内容、大学で有機化学を研究している学生の主な就職先、有機化学を活用した企業での仕事内容について解説しました。
有機化学を学んだ学生の就職先として多いのは化学メーカーや製薬メーカーですが、食品メーカーや自動車メーカーなど様々な業界で必要とされています。このことからも分かるように、有機化学者は様々な分野で活躍しておりこれからの活躍も期待されます。
有機化学の研究室に入り就職先を探すときは、広い視野を持って自分に合った企業を見つけるようにしましょう。
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