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サプライチェーンはビジネスの“戦略パートナー”。論理と感性を武器に、新たな未来を切り開く

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Eコマースの台頭により物流の動きは加速し、その量や質にも大きな変化が生まれている。新型コロナウイルスの出現によってますます予測がつかない世界を迎えた現代において、「最適なサプライチェーン」はビジネスの最重要課題ともいえるだろう。このサプライチェーンに先駆者として変革を起こしているのが、化粧品業界世界No.1のシェアを持つロレアルグループだ。

サプライチェーンはもはや、単なるバックオフィスではない。数字的な根拠と時代の変化、論理と感性の双方をあわせもち、新しいビジネスモデルを構築していくための重要な役割を担っていく、いわば戦略パートナーだ。ここでは、外資系企業でありながら日本人役員として活躍する日本ロレアルの山本也寸志氏に、これからのサプライチェーンの変化や戦略パートナーとして重要な資質について話を伺った。

〈Profile〉
山本也寸志(やまもと・やすし)
オペレーションズ本部 事業本部長
大学卒業後、P&Gジャパンに入社。一貫してサプライチェーン/オペレーションに従事し、アジア全体のクロスボーダーロジスティクス、カスタマーサービスの最適化や、各ブランドの需給計画立案を経験する。トレンドサイクルの速い化粧品ビジネスのサプライチェーンに興味を抱き、2013年8月に日本ロレアルに入社。シニアマネージャーとして約6年間チームをリードした後、2020年4月より現職。事業本部長として、需給計画立案、ロジスティクス、カスタマーサービス、品質管理などを担っている。

 

「数字」と「感性」のバランスで、リアルな予測を打ち立てる

――最初に山本さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

山本:新卒で前の会社に入ってから約30年間、サプライチェーン一筋です。前職のアメリカ企業在籍中は、5年ほど日本を離れ、シンガポールでアジア11カ国・地域のカスタマーケアのマネジメントを経験した時期もありました。その期間も含め、サプライジャーニーやカスタマーケア、倉庫の管理など、工場で物が作られてからお客様に届けるまで、いわゆるダウンストリームの仕事にずっと関わっています。

サプライチェーン職に非常に大きな魅力を感じているので、この職種を離れるという選択肢は今も昔もありません。ただ、20年以上1つの会社に勤める中で、違う業界や環境の中で自分の力を試してみたいという思いが強くなり、2013年に日本ロレアルに入社しました。

化粧品ビジネスはトレンドが目まぐるしく変化する業態です。サプライチェーンもそうしたトレンドに合わせて変化する必要があり、その変化スピードに興味を持ちました。また、「どうせなら世界No.1の会社でチャレンジしたい」という思いがあったことも、ロレアルを選んだ理由の一つです。

――日本ロレアルに入社してからの8年間で、どのような取り組みをされたのでしょうか?

山本:約6年間、ドラッグストアやバラエティーストアに販路を持つメイベリン ニューヨークやロレアル パリなどを扱うコンシューマー プロダクツ事業本部でサプライチェーンを担当し、昨年の4月から現職です。マス向けのビジネスを手がけるにあたっては、非効率な手法も残っており、大きく改革できる余地があると感じていました。

当時、環境問題に世間の関心が集まっていたこともあり、「もったいない」というテーマの中でさまざまな無駄を排していくアクティビティに取り組みました。販売予測や需要予測などの際、予測がぶれたり精度が低かったりすると、製品を作り過ぎてしまうこともあります。余った物は最終的には廃棄しなければいけませんから、そうした無駄を軽減するためにも、より精度の高い予測を立てることが求められるわけです。

もともとは製品にフォーカスして予測を立てていたのですが、販促用の物品も製品以上に廃棄されていて、無駄が多いことが分かってきました。そこで、本来は営業やマーケティングが主担当だった販促品の領域にも切り込んで、「なぜこんなに仕入れているのか」「何を根拠にしているのか」とメスを入れ、幅広い分野で無駄の軽減を実現しています。

――販売予測はどのようなプロセスでおこなうのでしょうか。

山本:ここに関しても、マーケティングや営業担当が提示する数字をそのまま調達するのが昔のサプライチェーンのやり方でした。しかし、それでは私たちが介在する価値がない。過去の実績データも参照しつつ、営業や販売、マーケティング担当と「この製品を何店舗で、どのチャネルで販売しようとしているのか」「マーケティングプランはどうなっているのか」と議論しながら精緻な予測を組み立てていきます。

――そういった予測の立て方も時代の変化に合わせてアップデートされているのでしょうか。

山本:そうですね。以前はエクセルに手入力していた作業にも、ビッグデータの仕組みを取り入れています。過去の実績や販売予測、トレードやストックの状況などの数字をまとめて自動的に計算していくシステムです。

ただ、システム的に算出したデータをそのまま使用するだけでなく、そこに“人の視点”を加えて予測を算出するのが私たちのやり方です。たとえば、化粧品業界のトレンド予測や将来的なビジネスの成長戦略もファクターとして取り入れていく。それによって、機械が自動で算出した数字とは異なる、ビジネス感覚を帯びた数字になっていくと考えています。

「デマンドセンシング」と呼んでいる手法ですが、数値的な根拠と時代の流れのバランスをとりながら“リアルな数字”をいかに作り上げるかが、この仕事の面白さであると同時に、ビジネスセンスが求められる難しい要素でもあります。


 

予測精度は、良い・悪いの結果だけではない。その先にあるビジネス全体の変革を見据えている

――サプライチェーン職は「バックオフィス」「ルーティンワーク」などの偏った印象を抱かれる職種でもあると思うのですが、その魅力について改めて教えてください。

山本:サプライチェーンの仕事は常に変化し続けています。以前は単純な物流の要素が強かったのですが、販売やマーケティングの領域だった需要予測や、営業アシスタントの仕事だったカスタマーケアなども担うようになってきました。

現在ではサポート役としての側面を超え、ビジネスを前進させるために不可欠な存在になっています。スポットライトを浴びる機会も増えていますが、その分求められるレベルも高い。謙虚に学ぶ姿勢を忘れず、自分自身を成長させることが大切ですね。

また、最適なサプライチェーンを実現するためにはビジネスに関するあらゆる情報が必要になります。我々は情報の中心にいるともいえますが、それはつまり、情報を整理・発信できる立場でもあるわけです。私たちが知り得た情報を使って先駆的な改革を推し進めていくことも、この仕事の醍醐味の一つだと思います。

――現時点では、需要予測の精度はどの程度まで実現されているのでしょうか?

山本:具体的な数字は申し上げにくいのですが、当社の予測精度は高い方だと自負しています。特にスキンケア領域は、堅調なニーズを背景にかなり正確な予測ができる状況です。

多彩な商品を取り扱っているメイクアップ領域も、ビジネスサイドのメンバーとパートナーシップを組みながら必要な情報を取り入れていくことで、精度は自ずと高まっていきます。以前は日本法人の予測精度は低い方だったのですが、今では世界でも上位に来ているのではないでしょうか。

――貴社のサプライチェーンにおいて、予測精度は重要なKPIになるのですか?

山本:もちろんそこは我々が追い求めるKPIの一つです。ただ、単に精度が高かったから良い、低かったから悪いという話ではありません。販売予測は、ビジネスにおけるアクション全体に影響を及ぼす指標です。予測精度を上げると同時に、結果を深く分析してビジネスそのものを修正することも重視しています。

数字が悪かったということは、我々のビジネスプランが消費者のニーズに合っていなかったということです。それをいち早く発見して、何がおかしかったかを発信していく。“戦略パートナー”として、たとえば「トレンドに何か変化が起きているのではないか」といったポイントをアピールすることが重要です。こうした動きができるのは、コンサルタントのような第三者的な立場ではなく、メーカーの内側にいるからこそ。オーナーシップをもって、自社をより良い方向に導いていけることが、何よりの醍醐味です。

――日本ロレアルにおけるサプライチェーンは、今後どのようなビジョンを掲げているのでしょうか。

山本:まずは戦略パートナーとして、より精度の高い情報提供や、戦略的な提案の発信を強化したいと考えています。パートナーシップにも2種類あって、1つ目はさきほどお話しした社内のマーケティングや営業とのパートナーシップ。2つ目は、社外の戦略的なお客さまとのパートナーシップです。我々と直接的なお取り引きがある代理店、小売店、そしてビジネスが急速に拡大しているEコマースの主要お取り引き先様などですね。そうしたクライアントの中にもサプライチェーンの組織があるので、彼らと連携しながらより最適な在庫の持ち方や発注サイクルの仕組み、ネットワークの作り方などを戦略的に構築していかなければなりません。特にO2O(Online to Offline)戦略に向けてのトランスフォーメーションの中で重要な課題であると考えています。

また、「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー(2030年に向けたロレアルのサステナビリティへの取り組み)」の中で、環境に対するアクションを一層強化していくことも表明しています。

先ほども申し上げた通り、販売予測の精度向上は廃棄をなくしていくことにもつながるので、そこは変わらず注力していきます。その他に取り組んでいるのは、たとえばコンシューマーに直接商品をお届けするパッケージの改良。上質な材料でデザインを良くすることはいくらでも可能ですが、それだけ環境に負荷をかけてしまうことになります。環境問題に配慮しながらも、こだわったデザインを実現する仕組みづくりも私たちのチャレンジの一つです。


 

スマートさと泥くささ。どちらも持てる若い皆さんに、自由にアイデアを出してほしい

――環境配慮の観点から、すでに実現された変革の事例はありますか?

山本:商品を出荷する際はもともとプラスチック製の緩衝材を使っていたのですが、すべて紙製に替えました。しかもその紙は、新たに仕入れるのではなく倉庫に置いてあった使用済み段ボールを活用しています。普通に裁断するだけではゴミが出てしまうので、きれいにラッピングして緩衝材に仕立て直していく。単純ですが意外と難しい仕組みでして、プラスチックを廃止する取り組みとしてグローバルでも評価されています。

こういった、「言われてみればそうだよね」という仕組みをたくさん生み出して、最終的には世界規模で環境に貢献できるサプライチェーンを実現したい。日本ロレアルは、大小問わず新たなアイデアを歓迎しています。経験を積んだからこそ出せるアイデアもありますが、私個人としては業界に染まっていない若い人たちのアイデアの方が興味深いですね。

小さいアイデアがいずれ大きなインパクトを生むことを、私たちは知っています。だからこそ年齢もバックボーンも関係なく、みんなでアイデアを出し合っていくクリエーティブな環境をこれからも大切にしていきたいと思っています。

――日本ロレアルのサプライチェーン職はどんな人を求めているのでしょうか?

山本:経験豊富な先輩たちが「えっ!」と思わず驚くようなきっかけをくれる人を求めていますね。今までの当たり前を常に疑ってかかる人と言い換えてもいいかもしれません。

あとは、矛盾するように聞こえるかもしれませんがそういったアイデア出しやデータ分析のような仕事だけでなく、一つ一つの現場を大切にできる人。戦略パートナーとして信頼してもらうためには、現場を深く知っておくことが不可欠です。商品が実際にどう作られているのか、倉庫での管理状況はどうなっていて、どうピッキングされて運ばれていくのか。それを知って初めて、「こういう仕組みはダメですよ」「ここが無駄になっています」といった提案に信ぴょう性が生まれてくるわけです。

泥くさいんですが、どんどん現場にいってヒントを得てくるような、現場が好きな人にこそ日本ロレアルのサプライチェーン職に参画してほしいと思っています。現場での経験を通じてアイデアを生み出し、それを未来のビジネスに適用する。「スマートさと泥くささ」とよく言うのですが、これは、ロレアルの企業カルチャーである「Poet & Peasant(詩人のような感性と農夫のような勤勉さ)」が最も当てはまると思いますし、このバランスは本当に重要です。

――1年目の社員には、どんなことを期待しますか?

山本:とにかく自由にやってもらうことを期待しています。長年同じ環境で働いていれば、業界に染まって「これが当たり前だ」と思いこんでしまう部分もあるでしょう。だからこそ「なんでこうなるんですか?」と質問をしてくれる若手の声は、私たちからすれば「その観点はなかった」という発見になるわけです。

若い人たちが現場を経験し、考え、質問をしてくれることで、シニアメンバーも刺激を受ける。そうすると、僕も知らないから一緒に考えてみよう、研究してみようという流れが生まれ、シニアの人たちからも面白い意見が出てくるようにもなる。そんないいスパイラルを生み出してくれる人に、日本ロレアルを挑戦の場として選んでもらうことができれば、これほどうれしいことはありません。


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