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sponsored by ZSアソシエイツ
戦略コンサルティングファームとして一般的な知名度こそ高くないものの、特に医療・製薬分野で確固たるプレゼンスを持ち、また入社時のハイレベルな選考により、成長意欲の高い学生の間で“知る人ぞ知る”存在となっているZSアソシエイツ。今回は入社2年目の若手とマネジャー以上のシニア社員計4人に焦点を当て、普段あまり表に出ない日々の仕事内容やそのユニークな社風を、つまびらかにしてもらいました。
言葉の裏にある本質を捉え、医薬品を患者に届けるまでの戦略を支援
――医療・製薬業界に強いZSアソシエイツですが、実際どのような案件を手掛けているのですか。
鳥飼:私は、製薬会社のマーケティング戦略に関する案件に多く携わっています。インタビューなどの手法を通じて医師や患者さんのニーズや心情を、その裏側にある本音や本質まですくい上げ、クライアントのマーケティング戦略に反映させています。また、最近は「マーケットアクセス」と呼ばれる分野や医薬品の価値評価にも力を入れています。
――マーケットアクセスについてもう少し詳しく教えてください。
鳥飼:医薬品は時に十数年にもわたる開発期間を経て発売されます。その創薬から承認、薬価の算定、ガイドラインの整備、医師の処方といった「薬が患者さんに届くまで」の道のりに目を向け、医薬品の社会的・医学的な価値はどこにあるのか、その医薬品が市場へ適切なアクセスを持つためにはどのような薬価戦略を採るべきか、といった課題に答えています。
時には、今後十年を見据えた上で会社としてどの疾患領域での創薬・投資をするべきかなど、大きな戦略的決定に関わることもあります。社会的意義の大きい、魅力的な分野だと感じています。
――藤木さんもマーケットアクセスを経験されたそうですね。若手はどういう形で関わるのでしょうか。
藤木:私は様々なタイプのプロジェクトに携わりたいと希望を出し、定量・定性いずれのプロジェクトにも関わってきました。その1つが、希少疾患に対する新薬の国内市場アクセスを検討するプロジェクトです。
このプロジェクトを3つのフェーズに分けると、①仮説を立てるためのデスクリサーチ、②仮説を検証するための定性調査(医師及びエキスパートへのインタビュー)、③調査結果のまとめと戦略策定のサポート、から構成されており、私の主な役割は②仮説を検証するための定性調査のデザインと実行でした。
――仕事の難しさや面白さとは。
藤木:難しいのは、論点を明確にし、質の高い調査を効率的に行う必要がある点です。マーケットアクセスには、政府や学会など、医師や患者以外にも多くのステークホルダーが関わります。その各ステークホルダーの見解を理解し、具体的な仮説を立てて検証していくことが求められます。限られた時間で確実に知りたい情報を得るための調査設計やディスカッションガイド(質問リスト)を作成することは、シンプルなようで奥が深い作業です。
中には、クライアントはもちろん政府・社会としても、まだ答えの出ていない問いもあります。そうしたクライアントの課題への解を考え抜く仕事は、とてもクリエイティブで面白いです。
データサイエンスと業界知見を組合せ、製薬会社の営業・マーケティングを支援
――マーケティング戦略以外にも、ZSには数理的なアプローチに強みがあると伺いました。
シャロン:はい。私が得意とする案件は、製薬会社の営業に関するコンサルティングです。具体的には、営業体制を定量的・定性的なインプットに基づいて最適化します。
例えば、ある医薬品の売り上げを伸ばすための営業手法には、MR(医薬情報担当者)が医師一人一人に会う他にも、講演会やオンラインセミナー、Eメールなど様々なチャネルが存在します。多くの製薬企業は、その各チャネルに多額の投資をしながら営業を行っていますが、その投資配分には最適化の余地があるケースが多くあります。
ZSでは統計、機械学習、AIなどを活用し、各チャネルへの投資配分やチャネルの組み合わせ、各チャネルのコンテンツなどが製品戦略に合っているかを分析します。それにより製薬会社はより鋭い意思決定ができるようになり、顧客である医師も、嗜好に沿ったチャネルから、適切な情報を得られるようになります。
大規模な製薬会社ともなればMRは数千人規模ですから、営業コストは膨大です。投資配分の最適化と営業活動の効率化を通じ、クライアントの経営に貢献します。
――分析はどう進めるのでしょうか。
辺:まずはクライアントの売り上げや活動記録などの実データをもらい、整理・クリーニングします。細かく分析していくと、今シャロンが話したような課題解決策が見えてきます。営業活動のインパクトが特に大きい診療科があったり、直接会うよりもEメールでのやり取りを好む医師がいたりなど、診療科やエリア、医師個人の特性などによって各チャネルに対する反響は異なり、効果に差が出ます。
私たちの強みは、このデータ分析に基づく提案を非常に細かく、高精度で行えることです。例えば営業組織の人員配分であれば、A事業所に何人、B事業所に何人と、具体的な数字まで落とし込みます。その他、経営戦略上の問いに答えるために「Eメールの費用対効果を知りたい」といった細かい分析の依頼にも対応します。
――なぜ、そこまで細かく分析ができるのですか。
辺:高い分析力を持つコンサルタントが、専門的知見を活用できるからです。ZSには私やシャロンのように理工系のバックグラウンドを持ち、数字に強く分析好きな“ギーク”が数多く集まっています。また、グローバルでZSに蓄積されている医療・製薬業界での知見や実績のある数理モデルも活用できます。「R」や「Python」で機械学習モデルを実装し分析に活用するなど、積極的に新しいテクノロジーを分析に導入していることも大きいかもしれません。
クライアントは、製薬業界でのビジネスを知り尽くしたエグゼクティブ層であることも多いですが、我々も対等なパートナーとして、事業にインパクトを与える専門的な分析をしています。
さらに、我々は「分析屋」ではなく「コンサルタント」として、分析から得られる示唆がクライアントの事業にどのようなインパクトを与えるかを常に意識しています。ヘルスケアビジネスという観点から見て正しい分析・提案になっているのかを精査できるからこそ、解像度の高い分析結果を提供できるのだと思います。
プロジェクトメンバーの半数が国外のチーム。グローバルな環境で鍛えられる英語力
――プロジェクトはどういった規模になるのでしょうか。
シャロン:プロジェクトの期間は大抵1カ月から半年ほどで、2-5人のチームになることが多いです。特徴的なのは、チームの半数程度が、国外にいる場合が少なくないことです。特にZSインドには、様々な分析や領域に精通した専門家たちが5000人以上いるので、その力を活用しながらプロジェクトを実行していきます。
鳥飼:クライアントにはグローバル企業も多いので、米国や欧州オフィスのメンバーを配属することもよくあります。インド以外にも専門性を持つチームが世界中におり、私はニューヨークのデザイナーチームの力をよく借りています。日本のメンバーが海外プロジェクトに配属されることもあり、それぞれの専門性を生かしながらチームが組まれていきます。
――グローバル感がかなり強いですね。
鳥飼:ええ。日々の議論を英語で行うことも多く、必然的に英語力は高まります。実際私も、入社してからかなり鍛えられました。最終的な成果物の作成やプレゼンテーションを英語で行うケースもあります。
個々の希望や強みを生かし、ワンステップ上の仕事を任せて成長を促す
――プロジェクトにはどのように配属されるのですか。
シャロン:コンサルタント一人一人にメンターが付いており、それぞれの興味や携わりたい分野を把握します。その希望を考慮しながら、プロジェクトへの配属が決まります。
鳥飼:普段から社員間のコミュニケーションが盛んなので、その交流の場から個々の希望を汲み取り、プロジェクト配属に反映している部分も大きいと思います。
――昇進やスキルアップの仕組みについて教えてください。
鳥飼:ZSの昇進システムは、絶対評価であることが大きな特徴です。各職位ごとに明確な期待値があり、一人でも多くのコンサルタントがそれぞれの期待値を満たせるようになるため、会社全体で支援します。社員間のチームワークが奨励されており、誰かを“蹴落とす”必要はありません。
また、昇進の前から既にワンステップ上の仕事を任されることも特徴です。プロジェクト内での役割は基本的には各役職ごとに決まりますが、機会があれば積極的に1つ上のレベルの仕事を任せる文化があります。当然、苦労や失敗もありますが、成長スピードは高まりますし、次の役職でもスムーズに活躍できるようになります。
辺:私は入社2年目でアソシエイトですが、実際、今のプロジェクトでは1つ上の役職であるアソシエイト・コンサルタントのような仕事を任されています。あるプロジェクトでは最終プレゼンを任されたこともあります。プレゼンスキルはもちろん、私は中国人なので日本語がそれほど流暢ではありません。そのため「本当にできるのか?」「まだ早いのでは?」と不安がありましたが、シャロンをはじめとするチームメンバーのサポートもあって上手くいき、大きな自信になりました。
藤木:私も2年目ですが、入社半年ほどで定性調査のインタビューを主導する立場になりました。今では後輩のコーチングも任されています。
当然、失敗や挫折はあります。例えば初めて定量調査を行った時のことです。分析用のツールを作ったり実際に分析したりするのですが、私にとっては完全に未経験の業務でした。チーム内の先輩に教えてもらうにしても、先輩は多忙で一日の中で少ししか話せる時間を得られません。なので、最初は一人で悩むことが多かったですね。
――どう解決したのですか。
藤木:しばらく悩みましたが「これだとプロジェクトが終わらない!」と危機感を覚え、思い切って会議室を終日確保し、「私と2人でその部屋で仕事をしてください」と先輩に提案しました。会議室に先輩を終日捕まえておけば、行き詰まったらすぐ議論ができ、素早く前に進めるからです。先輩もそうやって進めた方がチームにとってプラスに働くだろうと賛成してくれて、結果プロジェクトも上手くいきました。
入社当初はこういった試練も多かったですが、他方で常に上の仕事を任される環境なので、できる業務や役割がどんどん広がり、成長を感じています。
「同僚というより仲間」。キャンパスライフの延長のような社風
――コンサルティングというとドライな先入観がありましたが、ZSは社員同士の距離がかなり近そうですね。
シャロン:「キャンパスライフの延長」という感じですね。会社の同僚というよりも仲間という感じで、その仲間たちと楽しく仕事をしている印象です。その印象は入社した時から10年経った今でも変わりません。仕事はハードですが、楽しく乗り越えられます。プライベートで会うことも多いですね。特に私は来日当初、日本の友だちはほとんどいませんでしたから、とても嬉しかったです。
藤木:実は今日も、仕事が終わってから会社の仲間とサバイバルゲームに行く予定があります。やりたいことがあれば誰かが提案し、興味があるメンバーが賛同するというのがZSのスタイルです。もちろん参加しない人をとがめる雰囲気はなく、あくまで自由です。チームビルディングの一環として、バーベキューや運動会などの社内イベントもあります。
こういった社内のイニシアチブは、興味のあるメンバーが自主的にチームを作って行っています。国内外での採用や、社会貢献のためのプロボノ活動、ダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みなど、活動内容は様々です。私のように何でもやりたいタイプは、もう色々と参加してしまって。正直、アグレッシブに携わり過ぎかなとも思っています(笑)。
事業戦略と医療・製薬関連の専門性を武器に、プロフェッショナルとして成長したい人に最適な環境
――学生へどんなことを伝えたいですか。
藤木:少数精鋭かつ自由闊達なZSでは、一人一人の活躍がファームに与える影響を日々感じることができ、また自分の関心のある領域を追求できます。事業戦略のプロとしての多様なスキルと深い専門性を身につけつつ、社内のイニシアチブなどジュニアメンバーもリーダーシップを発揮できるため、若手プロフェッショナルの成長環境として最適だと思います。
辺:医療・製薬業界はデータが豊富なのも魅力です。私も驚いたのですが、近年様々な産業で叫ばれているようなデジタル戦略の文脈とは一線を画すレベルで、データや分析の知見が蓄積されています。最新のテクノロジーを活用し、クライアントの事業や全国の患者さんにインパクトをもたらせる環境です。私やシャロンのように数字やデータ解析が好きな人にとっては、とてもやりがいのある職場だと思います。
シャロン:私は面接官のフランクでカジュアルな人柄に惹かれ、入社を決めました。自由闊達だけれど、稚拙ではなく、フランクな裏には圧倒的な知識・経験に裏付けされた知性がにじみ出ている。皆と同じ表現になってしまいますが、良い意味でギークな人が多いのがZSだと思いますし、自分自身もまさにそんなタイプです。
鳥飼:6年のキャリアを振り返ると、確実に医療・製薬領域の専門家として成長していると感じます。また、行政や社会など外的・内的な影響を大きく受けて変わっていく業界を俯瞰しながら課題を理解・解決し、具体的なビジネス戦略やマーケティング戦略につなげていく経験は、業界を問わずビジネスパーソンとして大きな強みになっていきます。ある分野の専門性を身につけたい人はもちろん、早い段階から社会で活躍したい人にとっては、最適な環境です。
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