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sponsored by マーサー ジャパン
マーサーは、グローバルで25,000人超のプロフェッショナルを擁する、世界最大級の組織・人事コンサルティングファーム。本社はニューヨークにあり、全世界130カ国以上、日本でも40年以上にわたってコンサルティングサービスを提供している。Vault Best Consulting Firms for Human Resources Consultingでは、ランキング開始以来10年以上連続でグローバルNo.1の評価を継続中。
東京オフィスでは、日系グローバル企業・外資系企業を中心に戦略立案から実行に至るまでサービスを提供しており、最近は日系企業の海外拠点立ち上げ・機能強化といったグローバル化支援のプロジェクトが特に増加している。
今回はプリンシパルである山内さんと、若手アソシエイトとして活躍中の船引さんと嶋崎さんの3人で、具体的なプロジェクト内容やその中で得られる成長について語り合ってもらった。他の戦略コンサルティングファームでは得られない高い専門性や異次元の成長スピードの秘密に迫る。
日系企業のグローバル化、一流の組織・人事コンサルで前進させる
山内:ここ数年、日本企業の組織や人事の改革機運が非常に高まってきています。2000年代初頭にも、第一次成果主義ブームとでも呼ぶべき動きはありましたが、やや表層的なところもあった。「成果主義は是か非か」のような議論ですね。
でも今は、企業によって組織の在り方や課題も多様化していますし、急拡大を遂げているネットベンチャーや大手企業のグローバル化に伴う案件など、プロジェクトの幅も広がっています。顧客基盤も課題のタイプも広がっているという意味でも、非常に面白い領域だと思います。
船引:私はもともと日系企業のグローバル化の支援をしたくて、就活の時は大手コンサルファームを受けていたのですが、グローバル化という観点で最も遅れているのは人事の分野だと感じてマーサーへの入社を決めました。
大手金融機関のインターンでシンガポールに行かせていただいた時に、日本から来た人がそれまでと同じ方法でマネジメントをしようとしてもうまくいかない場面がすごく多いとお聞きして。そういう課題にぶつかっているのはその企業だけではないだろうなと容易に想像できたんです。
山内:入社して最初のプロジェクトで、大手ゼネコン企業のグローバル案件を私と一緒に担当しましたね。
船引:はい。もともとアジアやアフリカなど海外事業にも力を入れている会社さんなのですが、事業ボリュームは大きいのにキッチリした人事制度は確立されていませんでした。特にアジアは経済が急成長していることもあって、優秀な人材の獲得競争が激化しています。
ビジネスの持続的な成長を担保するためにも、人材の獲得や育成、リテンションを強化することはトップマネジメントにとって極めて重大な関心事だったようです。
山内:背景を少し補足すると、このクライアント企業さんは技術面で非常に強みを持っていて、世界中で大きなプロジェクトを進めておられます。会社の中を歩いている人をつかまえて話を聞けば、それだけで本が1冊作れるような面白い話がごろごろしている。リアル『サラリーマン金太郎』の世界(笑)。
そういった事業も人も大変魅力的な会社なのですが、建設業界では一般的にエンジニア出身の方が経営層や各拠点の拠点長になる傾向が強く、そうすると管理系、特に組織・人事管理がやや手薄になることは少なくありません。
日本と違って海外の建設業界では下請け構造が限定的なので、自前で多くの社員を抱える必要があるのですが、プロジェクト次第で業務ボリュームが大きく変動するため、優秀な人材であってもコンスタントに案件がなければ抱え続けることができない。業界全般に、長期的にコア人材を確保し、計画的に育成することは構造的に難しい側面があると言えます。このクライアント企業もやはり構造的にそういった問題を抱えておられた。このため、ビジネスの前提をきちんと踏まえながら、実行可能な戦略を立案・展開していく必要がありました。
船引:まずは主要な海外拠点共通の評価制度を構築するところからスタートして、現地での導入支援や等級・報酬制度の策定も行いました。シンガポールや香港では、適正な報酬だと感じられなければすぐに人が抜けてしまうので、社員の役割や貢献に応じてフェアに処遇していきましょうと。
山内:クライアントとも相談し、まずは喫緊の課題だった評価から手を付けましたが、点で支援しても本質的な改善にはつながらないので、適正に評価して報酬を決定する仕組みを導入した後には優秀な人材を見極めるプロセスの整理や具体的なトレーニング、ITのシステム導入も支援しました。包括的に現地の人材の可視化、育成、処遇決定に関してのサポートを進めているところですね。
単身海外出張も。「資料作りに徹する」のとは正反対の1年目
嶋崎:専門性という意味でもグローバルという意味でも、かなり高度なプロジェクトだと思うのですが、船引さんはどうやって専門知識を身につけてきたんですか?
船引:入社1カ月の研修で人材マネジメント、人事制度の基本を学んだ後は、実際のプロジェクトを担当しながら1つ1つ吸収していきました。
プロジェクトの中での私の主な業務は、人事制度を設計していくための素案作成や、そのための人事データ分析、現地プラクティスの情報収集でした。日本本社と海外拠点、それぞれの立場や考え方が異なる中で、双方が納得できる解を見つけるためにどんな切り口やエビデンスが有効なのか、限られた時間の中で考えるのが難しかったです。
山内さんとも密にコミュニケーションを取りながら、いろいろ教えていただきましたね。
山内:マーサーの特徴でもありますが、プロジェクトチームは基本的に3~4人ぐらいの構成なので、若手に任せる領域も広いですし、チーム内のコミュニケーションも活発です。以前私が在籍していた大手戦略ファームだと、案件によってはパートナーと接点が少ない若手も多くいましたが、ここではそういったことはありません。
船引:毎日のようにチームで集まってMTGする中で感じたのは、とにかく山内さんのスピード感がすごいということ。私の作った資料をレビューしていただく際も、何のためにどこを改善するのかという指摘が驚異的に速いんです。最初は付いていくだけで必死でした。
山内:そんなことはなかったと思うけどね(笑)。社内に参考になるプロジェクト資料やツールがありますし、知見を持った社員もたくさんいるので、新しいことを学ぶ力が高ければ、若手は驚くほどのスピードで成長してくれますね。
1年目でも、この人はいけるなと感じたらどんどん任せていくのがマーサーのスタイル。他の戦略ファームのように、1年目はほとんど人と話さずにひたすらExcelを扱い、ネット検索・コールドコールで資料作りなんてこともありません。若手であってもクライアントの経営層と対峙してもらいますから、その成長スピードは目を見張るものがあります。
船引:1年目の秋ごろに、クライアントへの評価制度の導入サポートのために1人で海外出張に行かせてもらいました。任せる文化は非常に強いと思います。
もちろん最初は自分の専門性もまだ積みあがっていない状況なので、クライアントとのMTGで「私はこう思います」と発信しづらい時期もありました。ただ、クライアントとの毎週のMTGを経験する中で、誰がどう感じているか、なぜそう感じているのか、常に意識することで、視点を素早く切り替えることができるようになっていきました。
「誰に何を伝えるのか」という思考が多少なりとも身についた結果、クライアントとの信頼関係も構築されてきて、耳を傾けてくれるようになるのは嬉しかったですね。プロジェクトの後半では、経営報告資料の作成や、海外拠点の人事とのコミュニケーションなど、チームの中でも任せてもらえる業務の幅がぐんと広がりました。
他の戦略ファームでは得られない「高度な専門性」が、ここにはある
山内:嶋崎さんはどのプロジェクトが印象に残っていますか?
嶋崎:消費財メーカーの中期経営計画を描くところからサポートしたプロジェクトですね。大学時代にも経営戦略を専攻していたのですが、若いうちから経営のアドバイザリーに携わりたいと思って入社しているので、非常にやりがいを持って取り組むことができました。
私が入社する前に一度、人事制度構築のプロジェクトが動いていたそうなのですが、クライアントの人事部と経営陣とのコミュニケーションがうまくいっておらず、経営計画そのものから見直すことになったんです。
山内:ホールディングスの形をとっているグループではたまにある話ですね。複数の事業会社と持株会社がある中で、意思疎通がうまくいかず、ガバナンス構造やグループ戦略があいまいになっている。そこで、5年後10年後を見据えてどこに向かって進むのかというところから考えていくプロジェクトですよね。
嶋崎:おっしゃる通りです。今回のプロジェクトも、そもそも何が課題かを特定し、どういう順番で手を打っていくべきかという中長期の経営戦略を描く必要がありました。もちろん、そのためには人事部の方だけではなく、経営企画部や各所の責任者に話を聞く必要があります。
私も1人でインタビューを担当させていただいて、皆さんが自社の課題をどう感じているのかを検証していきました。
山内:1人で行ったんだ、それはすごいね。
嶋崎:別のプロジェクトで執行役員の方や子会社の社長さんにインタビューさせていただく機会もあったので、山内さんや他のプリンシパルの方がどういう順番で何を聞くかというノウハウは勉強できたのかなと思います。
山内:もちろん当社でもデータ分析や資料作成といった仕事はありますが、ウェイトとしてはヒアリング、インタビュー等のコミュニケーションからファクトファインディングすることが非常に多い。通常のコンサルファーム以上に、コミュニケーション能力が求められるし、鍛える機会も豊富な環境ですね。
嶋崎:成長機会はとても多いと思います。今回も初めての経験ばかりでしたし、戦略立案に“正解”はありませんから、試行錯誤しながら進めていきました。
まずは、どうやって新規事業を生んでいくか、利益率はどうするかという事業戦略を策定。その後に、それを実現するために組織人事を中長期でどう変革していくかという議論を繰り返し実施しました。
山内:プロセスの中で一番大変だったのはどこでしたか?
嶋崎:文字ベースで積み上げてきた戦略を社長や役員の方にプレゼンする際、分かりやすくするため概念図や絵に落とし込む必要があったので、クリエイティビティが求められるところで苦労しましたね。1枚でぱっと分かりつつ、中身もしっかりと充実した資料を作成する。これも初めての経験でした。
船引:ゼロベースから未来を形にしていくのは難しそうですね。
嶋崎:たしかに未来像を描くことも大変でしたが、それが絵に描いた餅に終わっては意味がないので、今後はテーマごとに実行支援を行っていく予定です。
人事制度やタレントマネジメントをどう変革していくかというところがマーサーの強みであり、クライアントももちろんそこまで期待してくださっているので、描いた戦略を現実のものにできるよう、包括的にご支援しています。
今進めているのは、サクセッションマネジメント。次世代の経営層をどう育成していくかというところですね。経営を担うためにはどういう能力や経験が必要かを見定めて、若年層、中堅クラスそれぞれに必要な施策を検討しています。
山内:“企業は人なり”が事実だとすれば、我々はクライアントにとって最も重要な経営課題を紐解いているわけです。そのためにはもちろん、経営全般に関する知見も求められる。
非常に専門的であり、なおかつ幅広い領域でスキルを身につけていかなくてはなりません。他の戦略ファームでは得られない成長が、マーサーにはあると思います。
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