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MBA全体スケジュール
まず、MBAを開講スケジュールによって分類していきます。前回の記事でも少しお伝えしましたが、MBAの種類としては大きく分けて4つが存在します。
・夜間制
・通信制
・週末制
全日制の一日のスケジュール
上から順に解説をしていくと全日制はその名の通り、朝から夜まで授業があるMBAコースになります。早い時は朝の8時台から授業が始まり、遅い時には19時台までになります。
もちろんぶっ通しで授業をするわけではなく、自分で履修する授業を選択できます。
平均すると大学にいる時間は1日あたり、4時間ほどでしょうか。
人によって履修する授業数は変動するので、一概には言えません。
まだ就職をしていない新卒の場合、最も多いのが全日制のMBAになります。
イメージとしては大学の学部時代にやっていたことより専門的な内容を社会人と一緒に学ぶ感じです。
夜間制、通信制、週末制の一日のスケジュール
続いて、夜間制度、通信制、週末制について解説します。
夜間制度は夜のみ授業が開講される制度です。
授業時間としては一般的な企業の就業時間プラス一時間程度ということで、18時以降スタートのカリキュラムが多い印象です。
また、通信制はほとんどの授業がオンラインで行われ、どちらかというと学術的な知識を身につけたい学生を対象にしています。
そして週末のみのMBAは土曜日のみの開講だけのところもあるなど、自分が知りたい分野を入学前からしぼり、それを毎週研究していくように設計されています。
言わずもがな、以上に挙げた三つのカリキュラムは全て日中は忙しい社会人向けに組まれたカリキュラムになっています。
そのため、 多くの大学は新卒での入学を認めていません。
一部の大学院では通信制、週末制での新卒入学を認めている大学院(立教大学など)もあるようですが、全日制の大学院に入学することが基本的な新卒学生の流れです。
MBAの修業環境は学部時代とは少し異なる
ここからはMBAではどのような内容の講義が行われ、どのような学生が多いのかについて解説します。
授業内容に触れる前に、授業を構成する所属学生について少し紹介していきます。
所属学生の属性は学部時代とは大きく異なる
MBAが学部と最も異なることは、 所属する学生の年齢層がかなり広いこと かもしれません。
もちろん新卒学生の入学を認める大学院の場合、22歳前後の若い学生が多く所属するMBAもあります。
しかし、それであっても一般的なMBAで新卒学生はマイノリティであることが多く、大半は社会人学生によって構成されています。
また、社会人学生の年齢層も幅広く、20代後半から50代くらいまで年齢間に幅があります。
加えて、社会人学生の所属している業界や企業も大きく異なります。
社会人学生は一口に言っても、 企業から派遣されている社会人 と、 自費で学びに来ている社会人 に分けられます。
どちらの社会人にしろ勉強意欲が高く、一緒に学べるだけで新卒学生としては刺激になること間違いなしです。
授業形式は「講義形式」と「ケース分析中心」に分かれる
授業形式に関しては、
一概には言えないものの学部のように 大人数の学生に対して先生が専門知識を教える「講義形式」 のものと、
学生が中心となって現実の経営に関する問題を論じる「ケース分析形式」
の二つに分けられます。
講義形式のものは予習が必須
前者の「講義形式」の授業ほうが新卒学生にとっては想像しやすいもので、テキストや専門書を読んで各自が勉強し、専門知識を身に付けていくものです。
ただ、学部時代と大きく異なることとしては 予習が必須となること です。
学部時代の授業で学んだことを後のレポートやテストで確認するのに対し、MBAでは予習をしその際に疑問に思ったことを質問したり、自分の解釈を発表する場として授業が儲けられています。
そのため、前もって勉強をすることが必須となり、事前に勉強をしておかないと全くといっていいほど授業についていけません。
成績のつけ方としてはその大学の方針によって異なりますが、基本的には テストやグループワーク、発言点、レポートといったものによって総合的に評価 されます。
ケース分析形式のものは発言が必須
後者の 「ケース分析形式」 の授業はあまり学部生にとっては馴染みがないかもしれません。
想像して近いものとしては、よく語学のクラスなどである「ディスカッション形式」の授業ではないでしょうか。
「ケース分析形式」の講義では、現実に発生した企業の問題について各自で分析します。
それに対して思ったことや、考えた有効な戦略について生徒同士でディスカッションをします。
語学の授業と同様に、 誰の発言が絶対的に正解ということはありません 。
そのため、就業経験のない学部生上がりの学生であっても、論理的に正しい発言は認められる傾向にあります。また、評価方法も自分の意見を表明するレポート課題と、発言による平常点で付けられることが多いようです。
ちなみに、ケース分析をカリキュラムの中心に据えている大学としては、かの有名な「ハーバード大学」であり、その流れを汲んで「KBS(慶応義塾大学MBAコース)」が力をいれていることで有名です。
ただ、問題点としては学部生からの学生は就業経験がないため、例えば人事に関する問題などは知識量が足りない傾向にあります。そのため、学部生上がりの学生が発言しにくい雰囲気があるようです。
以上の二つの講義形式を比較すると、学部生からそのままMBAに行くのであれば、講義形式の授業のほうが分かりやすいと思われます。
MBA2年目は修士論文の執筆、課外活動が中心に
今まで述べてきたものは主に一年目の授業内容であり、 MBAの二年目の大半は修士論文の執筆に費やされます 。
もちろん二年目以降も講義やケース分析の授業を履修することはできますが、MBAは学部時代とは異なり卒業要件となる取得単位数はあまり多くないので、一年目には卒業要件の8割方の単位を取得する人が大半のようです。
そのため、二年目は修士論文の執筆に力を充てる学生が多くなります。
修士論文といっても、理系の院生とは異なり実証実験は義務ではありません。
何を検証するのかどのように検証するのかの判断は学生に求められるため、各学生が自分の解決したい問題意識を各自が自由に設計した検証方法で検証していくことになります。
そのため、修士論文に力をいれるのか、いれないのかも個々人に任されるため修士論文に力を入れない人は時間的余裕ができます。
このような人は、起業したり、海外に長期で旅行に行ったり、他の大学が主催するプログラムに参加したりします。
人によっては学部時代よりも時間的余裕があるところがMBAの魅力かもしれません。
MBAの就活スケジュールは少し学部生よりも厳しめ
MBAに進んだ新卒学生は、もちろん就職活動をしなければいけません。
また、理系の院生のように、研究所からの推薦というような方法での就職方法がほぼ存在しないため、一般的な就職ルートを辿るしかありません。
そのため、早い学生ですと大学院一年生の6月ごろから就活を始めます。
ただ、大学院の授業は一年目はかなり忙しいため、夏休みに入る8月くらいから就活を始める学生が多くなります。
また、後期も一年目は忙しいため、冬休みを利用して就活する学生が大半なようです。
要は、 スケジュールとしては学部生と同じか、少し厳しいくらいの感覚で就活を行います。
就活での成否は結局個人次第
MBAを出たからといって、特に就活時に有利になることはありません 。
前回の記事でも書いたようにもちろん、専門知識が付くことはあります。
しかし、だからといって面接プロセスがパスされるわけではなく、むしろ企業側の期待のハードルは高くなることも多々あります。
他の修士学生と同じ扱いを受けるため、就活面接がMBAを取得しているからといって他の修士学生に比べて有利に進むというようなことはありません。
ただ、面接官がMBAへの進学理由やMBAで学んでいることを聞いてくることが多いので、想定問答を考えるのが少し楽になる位だといいます。
理系の院生のように、研究職や開発職につくほどの特化した専門はつかないため、就活を有利に進めたいという理由だけでの進学は勧めません。
まとめ
MBAは学部生の延長のように思われるかもしれませんが、周囲の学生や講義内容は学部生とは多く異なります。
ただ、二年間学生を延長しつつ、理系の院生ほどのハードスケジュールでないことは事実であり、MBAへ進学する大きなメリットになります。
自分の就職状況や学部生でやり残したことがある場合はMBAへの進学も選択肢としてはありかもしれません。
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