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sponsored by スタートトゥデイテクノロジーズ
GoogleもAmazonも持っていないデータを保有
こんにちは、外資就活 IT・ベンチャーチームです。
「70億人のファッションを技術の力で変えていく」ー。
このようなミッションを持った新たな企業が2018年4月1日、誕生しました。
衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイグループの「株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ」です。スタートトゥデイの3つの子会社が合併して技術力が集約されることで、これまで感覚的に語られてきたファッションという分野に、“科学”を持ち込もうとしています。
同グループが保有するZOZOTOWNやWEAR、IQONで集積したファッションに関するビッグデータは国内一といえるでしょう。そして、ZOZOSUITによって蓄積される人体計測データは、GoogleやAmazon、Facebookといった巨大IT企業も保有していません。この唯一無二の“実験場”で、「ファッションのその先にある価値」を探求する旅が始まっています。
年1000万~1億円の報酬額で「7人の天才」の人材募集を始めたことでも話題となっている同社。代表取締役CIO(Chief Innovation Officer)に就任した金山裕樹さんに、新会社の特徴やビジョン、求める人材などについて話を聞きました。
「国内から世界へ」「手段はテクノロジー」
――新会社について発足の経緯や目的を教えてください。
金山:スタートトゥデイの子会社で私が代表取締役を務めていた株式会社VASILYと、同じく子会社だった株式会社スタートトゥデイ工務店、株式会社カラクルの3社が合併し、新会社「株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ」を発足しました。この3社はスタートトゥデイグループの中でも特にテクノロジードリブンで事業を行ってきたという共通点があります。
スタートトゥデイ工務店は「ZOZOTOWN」や「WEAR」の開発、VASILYはファッションアプリ「IQON」の運営とそれに付随する機械学習の研究を行ってきた会社で、カラクルは九州工業大学の博士号を持った元学生が立ち上げた機械学習の大学発ベンチャーでした。
似たような強みを持つ会社を一つにし、スタートトゥデイグループの持つ技術力を集約することで、保有するビッグデータの一層の活用や、技術革新を加速することを目的にしています。
――「70億人のファッションを技術の力で変えていく」というミッションが意味するところは何ですか?
金山:「70億人」「ファッション」「技術」という3つのキーワードが当社の特徴そのものを表しています。
「70億人」が示しているのは全世界、です。これまでスタートトゥデイグループは主に日本国内向けのサービスを展開・運営してきました。しかし新会社ではミッションに明確に「70億人」というワードを入れており、グローバルに、全人類をターゲットにすることを意味しています。
次に「ファッション」。これはいうまでもなく当グループの最も強みである分野です。
そしてこのファッションを変えるための手段として、「技術」と明示しています。どう変えるかといったときに、マーケティングで変えるなど手段は色々ありますが、我々は明確に「技術」で変えることを志向しているのです。
テクノロジーが社会を変える
――金山さん自身、どういう経緯でテクノロジーに関心を持ったのですか?
金山:大学生時代、先輩や同期と一緒にバンドを組み、自分たちでマネジメントをやっていました。ライブハウスへの売り込みや、ツアーを組んだり、録音をしてCDを販売するといったところまでしていました。大学卒業後も就職せず、2年ほどバンド活動を続けていました。
そのバンドメンバーの中で、私はウェブマーケティングを担当していました。自分でプログラミングを勉強し、サーバーを借りてサイトを立ち上げ、音源を配信したりライブのレポートを書いたり。メルマガの発行やファンとの交流もサイト上で行っていました。
その後、バンド自体は解散してしまいましたが、ウェブによってより多くの人に伝わることを実感し、インターネットの可能性を見出していました。初めに入社した会社でも、ネットを使った音楽ビジネスの急速な発展のど真ん中にいました。ネットというテクノロジーが社会を変えるための大いなる力を持っていると強く実感していました。
――その後、なぜファッション分野に関わり、VASILYの立ち上げに至ったのでしょうか?
金山:ネットの可能性として、明確に確信できたことが一つありました。
それは「人々がネットに接続された画面を見る時間は、今後どんどん増えるだろう」ということです。当時はケータイとPCしかなかったですが、デバイスはもっと増えるだろうし、それを通じて得られる情報も膨大に増えていくだろうと思ったのです。
ただ、画面を見る人や時間が増える一方で、コンテンツを提供する側は当時あまり多くありませんでした。あったのはニュースや簡易な掲示板サービス、カジュアルなゲームくらいで、ネットはまだ一般的なものではありませんでした。
しかし今後はより多くの人、すなわち女性や子供、老人もネットを使うようになると考えていました。そしてそうなったとき、コンテンツの供給者側が一番供給できていないものは何だろうと考えました。それがファッションだったのです。
当時ZOZOTOWNはすでにあり、欲しくなったファッションアイテムを買う場所として機能していました。でも、「欲しくなる起点」となる情報を発信するメディアはなかったので、転職先のヤフーではこうしたファッションメディアの立ち上げに携わりました。
しかしコンテンツはプロが作ったものがほとんどで、ユーザー同士によるファッション情報のやり取りはありませんでした。ユーザー自身がコンテンツを作り上げる、いわゆるCGMによるファッションの情報源は今後求められるだろうと考えていましたし、その未来を自分で具現化しようと思い、VASILYを立ち上げました。
“成長”とは「もう無理」から絞り出した一滴
――仕事に取り組む上で重要視していることは何ですか?
金山:一つしかありません。「常にハングリーであること」です。
「もう無理だ」と思ったところからのあと一押し、その一歩や一言、絞り出したその一滴にすごく価値があると考えています。抽象的ではありますが、もうできないと思ったときに、必ずもう1トライするように常に心掛けてきました。
多くの人は、自分自身を成長させたいと考えていると思います。その成長を生み出すのは、まさにこの「もう駄目だと思ったときの1回」でしかありません。すでにできることを何度も繰り返しても成長しません。できなかったことができるようになる瞬間は、もう無理と思ってからの1トライによって訪れるのだと思います。
――一番印象に残っている「1トライ」を教えてください。
金山:VASILYで「IQON」のアプリを出したときですね。
IQONは2010年にウェブサービスとしてスタートし、何度も何度もPCブラウザ上での機能改善やバージョンアップを行ったのですが、2年もの間、一向に数字が伸びませんでした。ウェブ上では打ち手をやり尽くし、「もう駄目かも」と思ったのですが、最後の最後に考え得るベストを尽くした完璧なアプリを作ろうと考えました。
当時は今のように複雑な動作ができるアプリ自体が他になかったので、それは大きなチャレンジでした。そこで出したアプリが当たり、その最後の一発が会社としての大きな転機となったのです。その1トライがなかったら今はないと思います。
「センス」とは何か? ファッションを科学する
――新会社「スタートトゥデイテクノロジーズ」が変えていく社会の姿をどのように見据えていますか?
金山:我々は、日本で最もファッションに関するデータを有する企業になります。そのデータとは、ZOZOTOWNやWEAR、IQONなど、いわゆるデジタル上で行われている購買に関する行動、つまり誰が何を買ったとか見ているとか、どこで何が売られているといった情報です。
今後はそれだけではなく、ZOZOSUITで取得される人体のサイズデータ、つまりフィジカルのデータも集積されることになります。この点においてはもしかすると、日本だけではなく世界で最もデータを持つ企業になる可能性すらあります。GoogleやAmazon、Facebookといったグローバル企業も保有していないのです。
そういう想定の基、我々はそのビッグデータを使い、「ファッションの先にある価値」というのが何なのか追究していきたいと考えています。ファッションは何かの手段であり、それ自体が目的・ゴールではないと思いますが、何の手段なのか、それをさまざまなサービスや事業を提供することを通じて見つけ出したいと考えています。
――少し抽象的に聞こえるのですが、「ファッションの先にある価値」が何か、より具体的な仮説を知りたいです。
金山:ファッションが提供している価値を大きく2つに分けると、一つは身体を寒さなどから守る「プロテクション」と、気持ちに対して影響を与えてくれる「エモーション」の部分があると思います。前者のプロテクションは守る・隠すといったいわゆる生物活動を維持するために必要なもので、分かりやすい価値です。
一方でエモーションの部分はもっときちんと科学されるべきだと思います。誰に、どんな服を、どんな時に、どんな風に着せたら、例えば気持ちが上がるとか、集中できるとか、一体感が持てるとか、その場になじめるとか、そういった部分はこれまで感覚だけで語られてきているのです。
「あの人はセンスがある」という言葉はあいまいではありますが、人間はその人を見ればセンスがあるかどうか判断できます。つまり人間の脳はセンスの有無を判断できています。しかし、機械はそれをまだ判断できないですし、ある人のセンスをコピーして他人に“移植”することもできません。
こうした「感覚」で語られてきたファッションのエモーションに作用する部分を、我々が何かしらコントロールできるようにしたいです。それを取り扱うことができれば、ファッションをより目的に沿った形で活用することができるようになると考えています。
――それを実現するためにはテクノロジーが必要ということですね。
金山:はい、技術は不可欠ですね。なぜなら、大量のデータや情報の組み合わせを人がどう感じるかを科学することなので、ビッグデータをどう処理するか、どういうアルゴリズムを組むかがキーになるからです。
一緒に「新大陸を発見」したい
――最後に、今後どういう人材と一緒に働きたいですか。
金山:まずはいうまでもないことですが、これまで語ってきたような当社のビジョンに共感してくれる人です。「ファッションを科学する」というアプローチを採っている企業は今、我々しかいません。誰もやったことがないことに世界で初めて取り組むことができる、いわば新大陸の発見のようなことにロマンを感じることができる仲間を増やしたいです。
また、やはりハングリーでもっと上を目指したいという人、現状に満足しない人がいいですね。ベンチャーマインドがあり、自分でどんどん勉強して新しいことに挑戦するような学習意欲がある人です。
それに加えてチームワークができる人でなくてはいけません。
例えば今回、エンジニア職、デザイナー職、その他ビジネス職を募集していますが、素晴らしい技術を持つエンジニアだけではなく、その技術を人が扱いやすくするためにインターフェースを整えるデザイナー、それらの活動を永続可能にする方法を考えるビジネス職と、その全てが重要です。多くの人とのコラボレーションで一つのサービスを作り上げるという考え方ができる人材を求めています。
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