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「就活偏差値はナンセンス。マッキンゼーに受からなくても落ち込む必要ない」元ミクシィ社長・朝倉祐介さん

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2013年から14年にかけてミクシィの社長を務め、同社の劇的な業績回復を指揮した実業家の朝倉祐介さん。現在は上場前後のスタートアップを対象とする支援会社「シニフィアン」の共同代表として活動していますが、大学卒業後に入社したのは、コンサルティングファーム「マッキンゼー・アンド・カンパニー」でした。在学中の起業経験も含め、さまざまな立場の仕事を経験してきた朝倉さんから見て、コンサルに行くメリットとデメリットはどのようなものでしょうか。「やりたいことがない学生」は就活をどう考えれば良いのか、話を聞きました。(取材・構成:亀松太郎)

マッキンゼーでは「基本動作」を鍛えてもらった

――以前、NewsPicksに掲載されたインタビュー記事で「いま22歳だったらマッキンゼーかリクルートに行く」と述べていました。なぜ、そのように考えるのか、教えていただけますか。

朝倉:正直に言えば、どこでもいいと思うんですよ。自分が好きなことをすればいい。ただ、学生のほとんどの方は「やりたいことがない」というのが現実ではないでしょうか。「やりたいことがない」ということ自体は全くもって悪いことではありません。逆に就業体験もない学生さんに「やりたいこと」を求める方が酷というものです。ましてや、20代前半の時点で、40年以上も勤めるのが楽しくて仕方ないようなドリームジョブに巡り会えるなどと期待することが間違っている。自分が得意なことや好きなことは、仕事をしているうちに、だんだん見えてくるものです。そういう「何をやりたいかわからない」という人が新卒で行くのだとしたら、マッキンゼーなどのコンサルティングファームやリクルートは悪くないんじゃないかな、というくらいの話です。あとは、総合商社ですかね。

――コンサルのメリットはどんな点でしょうか?

朝倉:「ビジネスに興味はあるけれど、何をやりたいかよくわからない」という人に必要なのは、さまざまな事業や企業との出会いの場を広げていくことと、出会いの場が広がったところで移っていくのが当たり前の環境に身を置くということです。その点、コンサルだと浅く広く、いろんな事業を見る機会がある。一つの事業会社にいる人よりも機会はかなり多いでしょう。

それから、ビジネスパーソンとしての基礎体力をつけることができる。言われたことに対して、納期までにそれなりの精度で返すとか。そういう基本動作を鍛えてくれる職業訓練学校のような場としてはとてもいい。そう考えると、自分で事業をやりたい人にとって、コンサルの経験は2年くらいでもいいんじゃないかと思います。

――それくらいで転職する人も少なくありませんよね。

朝倉:辞めるのが当たり前というのがいいんじゃないですか。多くの人は、2、3年くらい社会人として就労経験を積まないと、自分の志向性をつかむことができない。そんな場合に、なんとなく俯瞰しながら基本動作を身につけられて、「2、3年で辞めるのも全然おかしくない」という環境にいるというのは、悪くないと思いますよね。

――ただ、もしやりたいことがあるならば、コンサルはおすすめしない、ということですね?

朝倉:やりたいことがあるなら、絶対にさっさとやったほうがいい。その業界に行けばいいし、起業したっていい。たとえば、薬で人々の健康に貢献したい薬学部の学生から「製薬企業の効率を改善するためにコンサルに行きたい」という話を聞かされたことがありますが、遠回りすぎます。さっさと製薬会社に行ったほうがいい。やりたいことがあるなら、それをストレートにやったほうがいいですよ。

コンサルに長く勤めるデメリット

――経営のことを学ぶためにコンサルに行く、という考え方もあるようですが、いかがですか?

朝倉:僕も大学生のとき、漠然と経営に興味があって、コンサルに行けば経営について学べるんじゃないかと思っていたんですが、自分で事業をやってみると、結果的には違いました。コンサルにいたからといって、事業をうまく回せるわけじゃない。全然違います。自分自身で意思決定する仕事と、意思決定のための理論武装を手助けする仕事とは異なるからです。

――そうなんですね。

朝倉:現在のコンサルの仕事は「高級人材派遣業」としての性格がより強いように見受けます。事業の「GO or NO GO」を決めるというよりは、その前のプロセスの作業のアウトソーシングを担っている場合が多い。事業の意思決定の手前で、ファクトとロジックに基づいた隙のないドキュメントを作る仕事になりがちです。

あくまでも経営者や事業責任者のサポート役であって、コンサルタント自身が意思決定するわけでありません。両者は一見似ているように見えて、実際には全く異なる仕事です。コンサルの仕事を長く続けていると、「意思決定筋」がどんどん弱くなってしまって、自分で意思決定することが怖くなってしまうのではないでしょうか。事業に興味がある人にとって、それはマイナスです。だから、自分で経営をやりたいという人は、コンサルにあまり長くいないほうがいいんじゃないかな、と思います。

――そういう意味で、リクルートはどうでしょうか? 起業志向のある学生に人気がある会社ですが。

朝倉:コンサルとは違って、事業そのものに携わり、自分で考えて自分で動いていかないといけない会社なのだろうと見受けます。中の人の話を聞くと、常に「お前はどうしたいんだ?」と聞かれる場面があるようですが、リクルートの人が持っている雰囲気は、自分で事業を起こす人に近い印象がありますね。自分で何か事業をやりたい人には、いい会社なんじゃないかな、と。

――もう一つ、総合商社もお勧めの会社として挙げていますが、どんな理由でしょうか?

朝倉:給料、仕事の面白さ、体面、どこを取っても総じてバランスが取れている印象です。そのうえ、男性はモテる(笑)。そういう意味で「やりたいこと」がわからない人にとっては、相対的に悪くないんじゃないか、ということです。

今、敢えて断定的に言いましたが、そう聞かされて「なるほど、そうか」と納得してしまうくらいのこだわりしかない学生の方であれば、就職先探しで延々と思い悩む必要もないのではないでしょうか。逆に「そんな安直に決められてたまるか!」と立腹するのであれば、立腹する理由を探っていきながら、自分のこだわりについて考えればよいと思います。

――逆に「自分のやりたいことがある」という学生は、就職しないで起業してもいい、ということですね。

朝倉:そうですね。マクロの視点で言うと、自分で新たに事業を興すというのは、社会全体の「富のパイ」を広げていく仕事です。どんどん起業する人が増えたほうがいい。起業家やスタートアップは、社会全体のR&Dの一部なので、多ければ多いほど成功例も増えていきます。最近は起業しやすい環境がだいぶ整ってきたので、マクロ的には、起業する人がもっと増えたらいいと思いますよ。

ただ、ミクロの視点で考えると、その人にとっての「転ばぬ先の杖」を用意しておくというのが大事です。そういう意味では、マッキンゼーのような会社に最初に入っておくことは、一種の保険と言えるわけです。もしも事業が失敗したとしても、一定の信頼感のある会社に勤めたというバックグラウンドがあれば、採用してくれる会社もあることでしょう。転ばぬ先の杖を用意することができれば、結構いろいろなチャレンジができると思います。

一番のリスクヘッジは自分の実力をつけること

――あるコンサル企業に内定した学生が「コンサルのやめどきを知りたい」と言っていたんですが、どういうタイミングでやめるのがいいんでしょうか?

朝倉:結局は、その人が「いまだ」と思ったときでしょう。「自分はコンサルに向いているな」と思っている人はそのまま続ければいいし、パートナーになりたい人はなればいい。いつやめるか、他人がとやかく言う問題ではない。

あらかじめやめることを前提に、コンサルティングファームを武者修行の場と捉えて割り切った付き合い方をするのであれば、「いつがやめどきか」なんて問いの答えを他人に求めず、自分の頭で考えられる程度にになったときに、やめればいいんじゃないですか。

――朝倉さんは、著書『論語と算盤と私』の中で、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉を紹介しながら、自分で生き残っていける力をつけることが一番のリスクヘッジだと述べていますね。

朝倉:大企業で働き続けて大きな仕事に取り組むのも素晴らしいことだと思いますし、起業家が一番偉いなんてこれっぽっちも思っていません。ただ、組織にすがらないといけない生き方は単純に怖いですね。自分が所属している組織がつぶれたら自分の首が全部飛んでしまうなんて、そんな恐ろしいことはないという思いがあるんですよね。

僕自身は「安定」をめちゃくちゃ重視している人間です。では「安定」とは何かというと、自分が実力をつけて、新しい事業をつくれるようになっておくことだとか、お前だったら信頼できそうだからいつでもうちにこいと言ってもらえる状況を作っておくことなんです。そういう意味において、一番のリスクヘッジは自分の実力をつけることだと思っているわけです。

――外資就活ドットコムに登録している学生にとって、マッキンゼーは憧れの人気企業なんですが、どうしたら入れるでしょうか?

朝倉:これは直接の答えになっていないんですが、一つ伝えておきたいのは、「みんなに人気の会社」が万人にとっていい会社ではないということです。向いていない人が入って幸せになれるかというと、そんなことはない。もし向いていないのであれば、就活の段階で落としてもらったほうが当人のためです。

日本では、大学受験の序列のような「就活偏差値」がネットで流通していたりしますが、あれって本当に意味がないですからね。非常にナンセンスです。就活で採用されるかどうかは、向き不向きと相手の事情。恋愛に近いですよね。だから、向かない人はむしろ落としてもらったほうがいい。

――マッキンゼーを受けて落ちたからっていって、落ち込む必要はない、と。

朝倉:落ち込む必要なんて、まったくないですね。その人の可能性や人格が否定されているわけではないですし、ましてや、人生の終わりではないですから。就活偏差値だなんて馬鹿げたものにこだわるのは本当にやめたほうがいいですよ。

〈Profile〉
朝倉祐介(あさくら・ゆうすけ)
シニフィアン株式会社共同代表。
兵庫県西宮市出身。競馬騎手養成学校、競走馬の育成業務を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。東京大学在学中に設立したネイキッドテクノロジーに復帰、代表に就任。ミクシィ社への売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEOに就任。業績の回復を機に退任後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、政策研究大学院大学客員研究員。ラクスル株式会社社外取締役。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役。Tokyo Founders Fundパートナー。

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