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人は何故リクラブをしてしまうのか、「何者」が考えてみた

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どうも皆さん、毎度おなじみ「何者」である。今回は外資系投資銀行内定者の18卒にヒアリングをしようとしたが、彼も又忙しい身であったので電話でのヒアリングすら予定が合わず見送りとなった。なので、今回は逆にとびっきり低俗な内容を書いてみようとこの何者、「リクラブ」について筆を起こしてみた。

リクラブとは:真面目に分析してみる

リクラブという単語を知らないかもしれない寂しい読者の為に一応解説しておくが、リクラブ(リクルート・ラブ)とは就職活動中の学生が、短期インターン等で出会った異性の同級生と恋に落ちて付き合い始めることである。

「何者」自身はこういうアレな性格なのでリクラブを経験することは能わなかったし、そもそも選考も内定承諾もスピーディーであったのでとんとご縁が無い。が、諸君には同じ短期インターンのグループで他のとある男女の雰囲気がインターン中のある時を境に急に馴れ馴れしくなったり、逆に急によそよそしくなった事はないであろうか。もしくは、そのワークが終了してしばらくたってグループで飲み会に行ったら、同じグループの男女がインターン後付き合っていた事が分かった・・・なんて事はないだろうか。「何者」はある。

こういう時大体私は蚊帳の外に居るので毎度「おっふ・・・」という気分になるのだが、ではそもそもこのリクラブは何故発生するのか、そして就活という一大事に於いてリクラブをすることにどんなメリットがあるのか、どんなリスクテイクが生まれうるのかを真面目に分析していきたいと思う。

猶、時々見聞きするが社員と学生の間で恋愛に発展する場合があり、一説によるとこれもリクラブに含めるという意見もあるらしいが、今回はこのケースが希であることを考慮して触れない。(というか会社的に問題となる例が多く、言及は避けたい)

リクラブの3パターン:(2)は本当に止めよう

そもそもリクラブを時系列で分類すると以下のようなパターンがあることが分かる。

(1)「短期インターン以外の就活の場(説明会や長期インターン等)で出会い恋愛に発展するパターン」
(2)「短期インターンで出会った就活生と短期インターン中に恋に落ちるパターン」
(3)「短期インターンで出会った就活生と短期インターン後に恋に落ちるパターン」

まず断っておきたいが、(1)の場合はリクラブというより、知り合ったのが偶然就活であったというに等しく、正味ほとんど「なんちゃってリクラブ」である。今回はリクラブをした人に簡単なアンケートに答えてもらい、大まかなリクラブをする学生の行動形態を把握した前提で言わせてもらうが、(1)の形態で付き合い始めた人は少なかった。やはり説明会などの、短い時間の中で恋愛に発展させるというのは中々難しいということだろう。

そして(2)のパターンであるが、これが実は一番マズい。というのも、後々リクラブをするメリット・デメリットについて詳細に書いていくつもりではあるが、いかんせんそれ以前の問題として(2)は他のメンバーに迷惑である。他人に迷惑をかける行為は、ことさら就活のような人生を一定方向に決定付かせる場では慎もう。普通に君が第一志望でない企業でのジョブであったにせよ、もしかすると他の班員は第一希望で必死にワークしているのかも知れない。一般にジョブの人数は4~6人であるが、インターン中に勝手に班員で恋愛されてしまうと、当然彼ら当事者は思考リソースを大半恋愛に回し始めるので実に全体の50~33%の班としての思考リソースが停止するのである。これで良いアウトプットが出せるはずはない。

しかも余談であるが、こうした(2)のような短期決戦的な恋愛は往々にして熱しやすく冷めやすいのか、序盤は他の班員からするとどん引きするくらいデレデレしている時もあれば、最終日に何があったのか知らないが急に気まずい感じになっていたりとテンションが乱高下する。ワークというのは基本的に最終日が近づけば近づくほどハードになるので、班全体のテンションを高く維持しなければならない。なのにこうしてワークとは別の要因でテンションを上げ下げされると最終日に向けたテンションのコントロールが効かなくなってしまうのだ。

本当に(2)は止めよう。この何者、数多のクラッシャーを諫めていなしてきたが、この(2)の究極状態になった時が一度あって、アンコントローラブル過ぎて満足いく結果が出せなかった苦い思い出がある。

さて、愚痴から話を戻してアンケートしたリクラブカップルの中で一番多いのが(3)である。これは正直(2)と比べると、他人からすると勝手にしてくれ感が強く、良くも悪くもどうでも良い感がある。他の就活生に迷惑にはならないことが一番大切だ。見るに、この(3)のカップルがその後正常な関係を築けている傾向にあるので、ここからは主にこのボリュームゾーンについて話すこととする。

就活=恋愛に向いた場

まず、(3)の場合のリクラブが何故発生するのか考えてみたい。

そもそも就活中はサークルや部活等のこれまでの人間関係の輪に疎遠になり、孤独な活動になりがちになる状況であることを理解したい。この状況下に於いて、短期インターンというのは非常に合理的に恋人を探せる場であると考え得る。

というのも、短期インターンの長さは通常3~5日程度であり、就活生は夏から冬にかけてこうしたインターンを5~10個ほど巡るわけで、回転の早さと、ある程度の長いスパンで話す機会が併存する場であるからだ。

合コンのように何度も一定程度の男女比でマッチングを繰り返し(しかも、「何か」あっても翌週にはもう会わなくてすむので後腐れも無い)、一方で合コンより長く会話するわけで(むしろ合コンで話せないようなシャイな男女も、インターンに限っては話す話題を固定され積極的に話すことを前提とする)必然、距離が縮まりやすい訳だ。

このようにお膳立てされたかのような「テラスハウス」環境が、まず第一にリクラブが発生しやすい要因であると考えられる(中にはインターン中にホテルの部屋を1人1つ貸してくれる太っ腹な企業もあり、何者は非常に有り難く、いたく健全に徹夜でワークを主導していたが、そんな中で他所では何か起こっていてもおかしくないな、という気配を肌で感じていた)。

次に、就活生が置かれた精神状況から考えてみよう。多くの就活生はこれまであった人間関係から疎遠になり、就活のただ中に置かれるという話はした。それだけではない。

就活というのは企業にそんなつもりはなくても、所謂合否というものがでるのだから、多くの就活生は自分という存在を否定されたような気持ちになることがままある。すなわち、多くの就活生は孤独な状態で自らのアイデンティティを揺さぶられるのである。

こうした状況で、自らと同じ環境に置かれ、自らに共感してくれる存在が身近に居たらどうであろうか。それは必然的に距離が近づくのではないだろうか。よく意中の相手を落とすためにお化け屋敷などで「吊り橋効果」(怖いという感情を胸の高鳴りと勘違いをして恋に落ちた気になるとかなんとか)を狙え! などと言うが、今回の“吊り橋効果”はお化け屋敷どころの騒ぎではない。なにせ自らの将来について決定付けられる戦いを孤独に、尚且つアイデンティティを揺さぶられながら行う状況なのだから。

しかも、何か一つの目標に向かって共にがんばるというインターンの設計自体も憎らしい。中高の文化祭で、徹夜まで出し物を一緒に作っているクラスメイトの女の子と、文化祭中につきあっちゃったみたいな例は共学の中ではありふれているのではないか(筆者は男子校だったのでついぞこんな甘い体験はしていない。毎回文化祭と言えば全裸で暴れている男しかいなかった)。

こうした状況があいまって、就活というのは物理的な条件下・精神的な条件下、両側面から恋愛に向いた場であるのだ。

リクラブのメリット・デメリット

こうした背景となる就活生の行動フローを探ったところで、具体的な就活に於けるメリット・デメリットを考察していきたい。

前述したが、就活生とは孤独かつ自らを見失いがちな状態になってしまうのであった。多くの就活生はサークルにも中々行けず、ともすれば「どこに受かった?」等と聞いてくる同級生たちに辟易しているだろう。しかも家族はこうした最新の就活事情に明るくなく、「官僚になるの? 博士になるの? 安定だからメガバンクにしときなさいよ」等とおおよそトンチンカンで旧態依然とした価値観を押しつけてくるので、全く心のよりどころにできないのではないか。あまつさえ地方組に関しては、そもそも独り暮らしで、就活の交通費や教材代でカツカツになっていく中、カップ麺をすする寂しい毎日が続いていやしないか。

これらの孤独を形成する要素は非常に良くない。自らのパフォーマンスが落ちるばかりで、どんどんと就活が敗色濃厚になっていく。コミュニティを周回していても、就活に対し絶望に近い嘆息と疲れを感じている層が多いが、おそらくそうした要因を背景としているのではなかろうか。

この状況に最もカンフル剤的な即効性をもってして解決してくれるのが「リクラブ」である。

全く同じ境遇、同じ悩みを抱えている同志が、最も物理的にも精神的にも近い距離にいてくれるのだから、これほど心強いことはあるまい。どちらかがくじけそうになっても励まし合い、だらけそうになったら相手に負けていられないと気張ることができるだろう。人間、なににせよ独りで戦うのは負けが込むし、心がすさんでいくものだ。

もしくは、就活において強者と言われる人と付き合ってみるのもいいかもしれない。と言うのも、自身がケースやフェルミ推定等に自信が無い場合、そうしたものに長けた相手に「恋人」という立場を享受して教えてもらえるかも知れないからだ。

残念ながらこうしたケースなどのシンプルに頭の良さがでるものに関しては、就活塾で教鞭を執られるエラい方よりもケース魔神のような学生に習った方が吸収できたりする。したがって自らもまた外資系を積極的に狙う場合は、こうした効用もリクラブにはあるかもしれない。

ここまでメリットについて長々話してきたが、ではデメリットはというと、当然ある。

私は現役合格してしまったので知らないのだが、大学の浪人時には「恋人を作ると志望校に落ちる」というジンクスがあるらしい。冷静に考えて、これは思考リソースが極端に恋愛に割かれてしまった結果、本意である重要な大学受験に失敗するという例なのだろうが、これは当然就活にも言える。

いつまでたっても隣に好きな人がいるから、「就活なんてどうなっても大丈夫だろ(適当)」みたいなメンタルでいると、当然どこにも受からない。こういうのは大概男の方がやりがちなミスであるが、貴方の隣にいるのは別に貴方のママではない。手放しに自らを受け入れてくれると思ったら大間違いだ。しっかり内定を出した彼女は、無い内定な貴方に愛想を尽かし、新たにできたエリートの人間関係ですてきな男を見つけて去って行くだろう。やむを得ないことである。この場合駄目なのはだらけて内定を出さなかった方である。

もう一つのデメリットは、リクラブによって自らもう一つストレスを抱え込んでしまう場合にある。そもそも心のリソースを割いた事が上手くいかないとストレスに感じるのが人間の性で有り、恋人間でお互いの就活、ないしどちらかの就活が上手くいかないストレスを反映などしてしまって人間関係が悪化すれば、それこそ「就活というストレスを軽減させるためにリクラブをした」はずなのに「またストレスの種」を抱えてしまい、最悪両方とも失敗に終わる可能性もあるだろう。こうなってしまえば本末転倒である。

「リクラブの余地」を残しておくのが良策

以上、つらつらとリクラブについて書き連ねたが、結論独りでうつうつと就活を続けるくらいならばリクラブしてしまった方がずっと良い。

但し、何事も用法・用量を守って堅実にというのは大原則だ。それに、就活で上手くいかない人は張り詰めすぎてしまい緊張して失敗し、またストレスに感じて張り詰める・・・という悪循環に陥りがちなので、インターンのちょっとしたお楽しみとして「リクラブの余地」を検討しておくのは精神衛生上良策と言えるだろう。

当の私がそんな経験をしていないので何とも神妙な記事になってしまったが、ビジネスマンとは元来自分の経験していないことすら分析し、顧客の心に寄り添うのが仕事である。

今回はこんなところであろうか。次こそは(予定が合えば)トップティア学生にインタビューしたいものである。では又来週。


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何者(なにもの)2018年に東京大学を卒業する、しがない4年生。就活を終え卒業見込みも立ったものの、複数企業で馬車馬の様に働いている為、その1日は忙殺を極める。が、悩める就活生達の為に少しでも力にならんと睡眠時間を削って記事を書いていく事を決意。後輩達への優しく真摯な就活指導に定評がある。ちなみに、ペンネームの由来となった小説は読んだことも手に取ったこともない。

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