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就活の軸は何? にしっかり答えるために
こんにちは、外資就活 編集部です。
「就活の軸は何ですか?」
この質問は就活生であれば一度は耳にしたことがあるはずです。そして多くの就活生にとっての悩みの種でもあります。
また同時に「なぜその軸なの?」という質問にも答える必要があります。しかしこの質問を聞かれた際に、答えに詰まってしまう学生が多く見受けられます。なんとなくで軸を設定しているため、深掘りされると答えに窮してしまいます。
就活の軸の決め方について数多くの書籍やセミナーがあふれていますが、成功した先輩の具体例から学ぶことがなによりの近道ではないでしょうか。
そこで今回は、【18卒就活生が語る】のシリーズ第1弾として、各業界のトップ企業(計5社以上)から内定をもらったNさんに、自身の就活の軸をどのように定めたのかをインタビューしました。
どのような経験を基にどのような軸を定めたのか、皆さん是非参考にしてみてください。
根拠に基づいた軸設定
――Nさん、本日はよろしくお願いします。就活時は様々な業界を受けられていたようですが、最終的に内定はどちらからいただいたのですか?
Nさん:銀行、保険、出版、コンサル、インフラの企業から内定をいただきました。並べてみるとバラバラですね(笑)。
日本のためになることを
――就活時、どのような軸でそういった業界や企業を選んでいったのでしょうか?
Nさん:4つの軸がありました。1つ目の軸は「日本のためになる」でした。といっても日本のためにならないことをやっている企業はそれほど多くないので、これは企業選びの際の足切り程度の軸ですね。
――そうなのですね。しかし、なぜ日本のために働こうと思えたのですか?
Nさん:父の仕事と、アメリカの市役所でのインターンの経験の2点が大きかったです。
まず、父は官僚でした。父が官僚として日本のために働く姿を幼いころから見てきたことで、「日本のために働く」ということが自分にとって抵抗のないことになっていました。
また大学2年生のころに2ヶ月間、アメリカの市役所で窓口業務と企画のインターンをしていました。多様な国の出身者が集まる環境に身を置いたことで、自分が日本人であるということを否が応でも強く実感しました。ならば、自分の価値を上げるためにも日本の価値を上げられる職業に就きたいと考えたのです。
――日本のために働くことで間接的に自分の価値を上げられると考えたわけですね。
Nさん:余談ですが、今まさにしていただいた「なぜ日本のためになのか」という質問はかなり重要だと思います。ある日突然「日本のために働く」とは、普通の人は思わないはずです。投資銀行などを志望する方で、「日本の経済を良くしたい」とおっしゃる方は多いですが、この質問に明確に答えられる方は少ないですから。
NOと言える企業
――2つ目の軸は何ですか?
Nさん:「NOと言える企業であること」です。お客さんのためにならないことがあったとして、それを「やらない」と言えるような企業で働きたいと考えていました。
――過去そういった経験があったのですか?
Nさん:大学1年生の頃から大学受験の個別指導塾で講師として勤めているのですが、そこでは優秀な生徒に対して無駄な授業を取らせるような行為がまかり通っていました。私がそのことを社員に指摘した際、「それは無視しろ」といった態度をとられ、もやもやとした気持ちが残りました。仕事をするのであれば、お客さんに要らないものは売らないといった意思表示ができる職場がいいと考えたのです。
――お客さんのためになることをしたいという思いが強かったのですね。
Nさん:はい。ビジネスモデルとして、お客さんの不利益になることが、自社の利益になりうるような業界には行きたくないと考えていました。自己分析の結果、どんなにつらくてもお客さんのためと思えば頑張れるだろうと感じました。ならば、お客さんのためにNOといえる企業のほうが満足できるだろうと思えたのです。
プロフェッショナルとして1つのことを極めたい
――3つ目の軸は何でしょうか?
Nさん:はい。3つ目の軸は、1つのことを極められる仕事であることでした。1つ目の軸である「日本のためになる」を考えた時に、一番ストレートな選択肢である官公庁を志望しなかったのはこれが主な理由です。
――何か具体的な経験があったのでしょうか?
Nさん:きっかけはとある省庁でのインターンです。このインターンでは実際に現場に配属されるのですが、上司に質問をした際、彼も私と同程度の知識しかなく答えられなかったのです。彼の官僚歴は短くはないのですが、ジョブローテでその部署に来て日が浅いため、私の質問に答えられなかったようです。これがきっかけで、現代社会で起こっている複雑かつ難解な課題に対して、ジョブローテで得られる広く浅い知識では太刀打ちできないのではないかという思いを抱きました。だからこそ1つのことを極めていける企業に入り、日本のためになる課題解決をしていきたいと考えました。
――複雑な課題を解決するためには浅く広くではなく、1つのことを深くやる必要があると考えたのですね。
Nさん:はい。私は、性格的にも、1つのことを極めるのが合っていたということもあります。中学で始めた水泳でも、初めは部内で最下位だったのが卒業時にはトップレベルまで登りつめることができました。極めることが好きであり得意なのだと思います。
社員と一緒に働いて耐えられるか
――最後の軸は何ですか?
Nさん:「一緒に働いて耐えられるか」です。これは経験に基づくものではなく、私の価値観による部分が大きいですね。
――一緒に働きたいか、ではないのですね。
Nさん:もちろん一緒に働きたいかも大事ですが、いつ配置換えや転職が起こるか分からない以上、その人の欠点が許容できるレベルかどうかも大事な要素だと思います。
――具体的にはどうやって判断しているのでしょうか?
Nさん:OB訪問や説明会などで社員の方と接する機会に、ちょっとした行動を見るようにしています。たとえばレストランの支払いの際に、カードを放り投げるように渡すのか、丁寧に渡すのかに人間性が出ます。そういった細かい部分を見て、その人と働いても耐えられるかどうかを判断していました。その人と働けないようだったら、その会社は難しいのではないかと考えました。
企業選びの末、コンサルへの入社を決める
素直に志望動機を答えられる企業を受ける
――Nさんの就活の軸をお聞きしてきましたが、実際にその軸に当てはまる企業をどう探していったのでしょうか?
Nさん:基本的に説明会やOB訪問、本などを通じた業界研究・企業研究で絞っていきました。ただ1つ指針になっていたのは、ESの志望動機を素直に書けるかどうかです。既に軸をしっかりと持っていた分、その軸に沿った企業であれば志望動機は素直に書くことができました。逆にそうではない企業の場合は、その都度、志望動機を考える必要があります。志望動機に困るようならその企業は受けるべきとは、あまり思えませんでした。
人事に任せるというやり方
――明確に軸に沿っている必要はあまりなかったのでしょうか?
Nさん:そうですね。4つの軸を全て満たしているというよりも、ある程度満たしていれば受けてみようという感覚でした。結果、5つ以上の業界を受けました。ある程度軸に沿っていればとりあえずエントリーしてみて、それから入社先を決めてもいいと思いました。
――選考を受けながら判断してもらうということですか?
Nさん:そうです。その会社に合う人材を1番知っているのはその会社の人事です。であれば、ある程度まで絞り込んだら、自分であれこれ悩むよりも選考を受けてみて、人事に判断をゆだねるのが効率的だと思います。
最後に選んだのは日系コンサル
――最終的に、銀行、保険、出版、コンサル、インフラの中からコンサル、特にシンクタンク系のコンサルを選ばれましたが、それはなぜだったのでしょうか?
Nさん:1番お客さんのことを考えて提案できる職場だと考えたからです。コンサルであれば課題解決そのものが商品である分、お客さんにとってやらないほうがいいことはNOといえる。OB訪問を通してインフラでもNOと言えそうだと感じ最後まで悩みました。しかし、コンサルであれば、個人としてその企業に入ってからやれることが大きいという観点から、コンサルでのキャリアにより魅力を感じ、コンサルを選びました。
――なるほど。「NOといえる仕事」という軸は内定先から入社先を決める際にも影響したのですね。インタビューはこれまでにしたいと思います。Nさん、本日はありがとうございました。
Nさん:ありがとうございました。
しっかりと軸を定めて企業選びを
説明会ではどの企業も自社のいいところを言います。魅力的な仕事内容や輝いている先輩社員の姿、理想のキャリアプランなどより取り見取りです。自分で明確な軸を定めないと、企業選びでどの企業を受ければいいか分からなくなってしまいます。
Nさんは過去の経験をもとに、自分の中にしっかりとした軸を持つことができていました。複数社から内定を獲得し、どこに入社するかを決める際も就活の軸が重要になっていました。みなさんも自己の経験を見つめなおし、しっかりとした就活の軸を定めましょう。
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