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「入社しなくてもいい、グローバルリーダーになれ」伝説インターンに迫る(前編)【三井化学】

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はじめに

グローバル事業の拡大やそれに伴う事業再編、M&Aの激化――。化学業界では近年、そんなダイナミックな動きが注目されています。激しい競争の中で勝ち残るために大切なのは「人」。そんな化学業界大手の三井化学で新卒採用を担当する人事部 グローバル人材開発グループの小池峻也さんが開催するインターンシップは、「外コンのケースより難しくて、おもしろい」「ここまでしてくれて、三井化学にメリットがあるのか」と就活生の間で評判になるほどだとか。

今回は、小池さんの声掛けのもと、2016年度に新社会人としてスタートを切ったAさん、Bさんを交えて座談会を開催。小池さんの採用にかける思いと、求人側・求職側の両方から見た就職活動についてざっくばらんに語っていただきました。
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<Profile>

小池峻也さん

2009年に三井化学に入社。入社1年目は岩国大竹工場に配属され、2年目に本社の機能性ポリマー事業部に異動。4年間、既存顧客のフォロー、新規用途開発などを担当。
5年目に人事部に異動し、グローバル人材開発グループにてビジネス職の新卒採用担当者を務める。

Aさん

2015年2月の三井化学のインターンシップに参加。就活時は総合商社とコンサルティングファームをメインに就職活動。悩んだ挙句に総合商社に入社し現在1年目。

Bさん

Aさんと同じく、2015年2月の三井化学のインターンシップに参加。総合商社の内定を断り、三井化学に入社し現在1年目。

化学業界は「地味」じゃない 求められる「クリエイティビティ」と「バイタリティ」

— まず小池さんのお仕事について教えてください。採用担当として着任され、採用プロセスの中で感じた問題点もあればお願いします。

小池:三井化学では、採用担当は約2年で交代するのが通例でした。私も着任した当初はそれが頭にあって、「選考を受けに来た学生の中から、比較的良い人材を採れればよい」と単純に思っていましたが、そう簡単にはいきませんでした。問題点は入り口にあり、化学業界というのは地味なイメージが強く、学生に対してアピール力に欠けるのです。そうすると、そもそも理想とする学生がなかなか集まりにくいというか、ただ待っているだけでは他社と差別化をすることは出来ません。

業界再編の動きが活発化する中、化学業界もクリエイティビティとバイタリティをもって何かを完遂する力が求められます。しかし、そういった素地のある学生は総合商社や外資系コンサルティングファーム、外資系投資銀行などに興味を持っていて、三井化学や化学業界、日系メーカーからはなかなかリーチ出来ていませんでした。

そんな矢先、ある学校の講演に呼ばれ登壇する機会がありました。教科書通りの「化学業界とは」といったような話をしたのですが、目の前の学生達が自分の話に魅力を感じているようには、到底思えなかったのです。

化学会社の説明会で、化学業界の話しかしないということは普通のことだと思います。しかし、私はこの経験で、企業本来の姿を伝えようと思った時には、まず全体感を伝えることが大切だと分かりました。具体的には弊社であれば、多くのステークホルダー、例えば金融機関、原料メーカー、お客様、物流会社、保険会社など、さまざまな企業とのさまざまなフェーズでの関わりを踏まえて、産業の構造そのものから説明する、ということです。

あくまで、その中での化学業界、そして三井化学の位置づけや働く面白さについては伝えるようにしないと、学生に向けてアピールできない――。そんな考えが採用担当者となってすぐに芽生えました。

— 情報発信という点においては、御社のインターンシップが大人気だと伺っていますが?

小池:三井化学のインターンシップは、半分、私の趣味のようなところがない訳ではないのですが(笑)、主に2つの目的を持って運営しています。

1つは、産業全体の中での化学業界の仕事の魅力を認識してもらうこと。もう1つは、就職活動生との時間を長く持てるので、私自身が勉強してきたことや持っている知識を総動員して、就活生個々人の可能性を最大化する、ということです。力の入れ具合でいうと後者が断然強いですね(笑)。

就活生は、三井化学かどうかは別にして、就職先を見つけ、必ずどこかの企業で、何らかの形で働くことになります。大枠で考えれば、自分がインターンシップという場で触れ合った就活生は、日本の社会人という意味ではみんな後輩なんですよ。だから、理想とする社会人となれるように、みんなに力を付けてもらいたいという願望があるんです。……この部分が、私の趣味の部分と言えますね(笑)。
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— 2つ目の目的は、就活生にとってはとてもうれしいプレゼントですよね。具体的なセッションについて教えて下さい。

小池:三井化学のインターンシップの特徴は、とにかく実践的であるということです。コンサルティングファームのケース問題に近いかもしれません。
例えば昨年の例で言うと、自動車産業をテーマにどのようなアライアンスを組んでいくか、どのような拠点投資を行っていくかを考えるといったものでした。これは弊社の実際の企画業務に、限りなく近いものです。

課題のための資料も、出来る限り、新しく、実際の業務で用いるものに近いものを提供するようにしています。例えば、弊社は世界8拠点に事業展開をしているのですが、その8拠点でどれくらいの生産能力があるか、他社のその地域での生産能力はどれくらいか、取引先シェアはどのくらいかといった数値があります。また、ボストンコンサルティングや
PwCが作成した各地域の経済動向を示すデータなど情報量は限りなく多いです。インターンシップというより、まさに実践そのものです。

インターンシップで各グループが検討し、プレゼンテーションを行ってもらった後に解説を行うのですが、その解説の内容が後日プレスリリースされ、新聞などに掲載されることもありうる訳です。「自分たちのグループの提案が本当に具現化するなんて驚きです。それだけリアルな実資料を使っていたんですね」と言っていた学生もいました(笑)。

課題については考え方の枠組みは提示したうえで、日ごとにテーマを与え、レポートを作成してもらうというようにしました。資料を丸投げではなく、枠組みに沿っていっしょに進んでいくイメージです。

例えば、1日目には、車の生産台数が鍵になります。車の生産台数が多ければ、自動車材料が使われる。自動車材料が使われれば、弊社の材料が使われる。つまりこの地域にポテンシャルがあることになります。また、顧客との関係性や他社と比較した際のシェア率はどうだろうかとブレイクダウンして投資計画を作っていくのがアウトプットになります。

— ではここで、実際に当時のインターンシップに参加されたAさんとBさんにお話を聞いてみたいと思います。(当時)就活生の目線から見て、他社のインターンシップと比較して三井化学のインターンシップはいかがでしたか。

A:学生が考えることに集中できる環境を整えてくださっていた印象があります。

インターンシップではだいたい2つのパターンがあると思っていて、1つは答えがあってカルガモのように後ろをついていって答えにたどり着けました、みんな楽しかったねというような形。もう1つは資料をバサッと渡されて、ほら自由にやってごらんという形。

三井化学のインターンシップは両者の“いいとこ取り”だったと感じています。要所要所で鍵になるところを示してくださったり、困っている時に「どのようにしたら自分達のアイディアが具体化できるだろうか」という視点でサポートやアドバイスをしてくださったりと、答えを出すためのバックアップを徹底して行ってくださった印象があります。

インターンシップなのにリアルなビジネスパートナーと接触

— 具体的に印象に残っていることはありますか。

A:小池さんの言葉で1番印象的だったのが「じゃあ電話しちゃえば?」ですね。自分が知りたい情報があり、でもそのデータはインターネットや本からはうまく見つけられずにいまして……。そこで小池さんが「それは経産省に聞いてみれば分かるかもしれない」「ならこの人に電話をしてみたら?」という提案をしてくださったのです。それまで、自分にはその発想が全くありませんでした。さまざまな角度から選択肢を考えたり、自分で情報を取りにいったり、という姿勢を教えて頂きました。

他にも、中国の自動車メーカーと連絡を取り、中国での自動車業界がどうなっているのか、生産台数や街中での規制について聞いてみるといいんじゃない?とアクションを後押ししてくださったりもしました。
小池:Aには、確かそんなアドバイスをした記憶があります。一方Bは、商船三井に見積もりを取っていたよね?彼らのグループは東南アジアに投資をするという計画をしていて、既存の工場から運ぶのか、プラントを新設してそこから運ぶのか、といった計画を比較していました。私が仕事上のつながりがあった担当者が商船三井にいたので、電話をして概算ですが見積もりを出してもらいました。

— インターンの学生の思いつきから、実際に取引のある商船三井さんに見積もりをお願いしたのですか?

B:僕も当時驚いたのですが、小池さんのアドバイスで、そうなりました(笑)。もともとタイとインドに工場があったのですが、僕達はインドネシアの市場に着目をしていて、インドネシアに工場を新設するのか、それともタイとインドから輸出して持っていくのとどちらがいいのかという検討をしていました。新設する費用と運輸コストを比較して、将来的に見て合理的なのは新設する方です、という結論を出しました。
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グローバルリーダーになりたければ「まず意志を持て」

— こうしてお話を聞いていると、三井化学さんの業務内容はかなりグローバルなんですね。インターンシップで掲げている「グローバルリーダー」というのは、どういった人物像を想定していますか?

小池:「グローバルリーダー」と掲げたのは、「世界で活躍できるようなリーダーシップを発揮できる人間になってほしい」という思いが込められています。グローバルリーダーを三井化学に限らず、現在のビジネスで求められる項目に分解していくと、グローバルとリーダーという2つになると考えています。

グローバルというのは地球を一つのものと捉えるということです。その中で、自分の固定概念を捨てて、「すべてと向き合い受け入れるマインドセット」がポイントとなります。同質で居心地の良いのは日本の中だけで、日本を出たら全てが異質だと言うこともできますので、まずは何でも受け入れて、その中で咀嚼して考え、創り出す。ビジネスでいうと、同じことをしていても勝てない時代なので、0から1を作るようなアントレプレナーシップが必要になります。だからこそ、常に情報アンテナを高く持つことが求められ、繰り返しになりますが、すべてと向き合い受け入れるマインドセットが最も必要であると考えます。

また、リーダーの定義としては世界中のどこでも市民権を得られる存在。つまり人々のニーズや地域の課題を汲み取り、主体的にリーダーシップを発揮しプラスの貢献が出来る。そんな存在であれば、誰にでも受け入れられると考えます。

その2つをきちんと併せ持つ人がグローバルリーダーであり、現在のビジネスシーンに求められる人だということをインターンシップ期間中に伝えたかった。なので「理想の社会人について定義する」というセッションも持っていました。

ゴールは人によって違いますが、「どんな人になりたいか」というイメージを持つことが大事だと思っています。どんな自分になりたいかの根本は原体験に基づく意志にありますし、それを持った人と我々は働きたいのです。さらに言えば、就活生が別の業界で働くとしても、そういった意志を持ってグローバルリーダーを目指す人になってほしいと思います。

— マインドを叩き込むセッションと、実務に近いケースを行うセッションと、両方を作り込まれているのですね。「君たち、うちの会社は忘れても構わないけど、活躍できる人材になれよ」なんてお話をしてくれるところはなかなかないですよね。

A:ないですね。事業に関するワークを行う企業は数多くあると思いますが、三井化学では自己内省をする、自分のこれまでの人生を振り返る、というセッションもありました。自己分析の助けになるようなことを2日間かけてやってくれたので、正直「三井化学としてどんなメリットがあるんだろうか」と心配に思ったほどです(笑)。

小池:あれは就活生がキャリア形成を考えるためのものでした。グローバルリーダーを目指すうえで、そもそも自分がどんな人間なのかを知らなくてはいけません。まず、事前に30頁ほどの自己分析シートを行ってもらいます。また、適性検査も受けてもらっているので、科学的な面から自分はどう評価されるのかをみて、自身の理解に努めてもらいます。次に、グループワークを通して他者からはどう見えるのかをフィードバックしてもらい、3つの側面から自身の更なる内省を深めた後、最後に自身のなりたい姿を描いていくというのがそのセッションの2日間です。

参加すると“戦闘力が上がる”

— 御社のインターンに参加すると就活における戦闘力のようなものが上がりそうですね。

小池:そう思います。みんなパンプアップして帰っていきます。個々人の可能性を最大化する支援を私はしているつもりなので、就職活動では圧勝してほしいですね。内定先に関する報告は3分の2くらいの学生からはもらっていますが、超優良企業に行く人が多いでので、とても嬉しいです。これが採用担当者冥利に尽きるということでしょうか(笑)。

でも、そもそも論でいうと、なんでみなさん頑張ってよい中学校・高校・大学に入ったのかと言うところに戻っていくと思います。自分のなりたい像とか、実現したい夢、志、意思を持っていて、それを達成するための準備期間のためにみんな頑張ってきている。その可能性を高くするために、就職活動は見誤ってはいけないじゃないですか。

例え超優良企業であっても、向いてもいない業界に入って3ヶ月で辞めるよりは、他者から見たらしょうもない業界だろうと、自分が活躍出来るような業界や企業に入ったほうがよっぽど今までの人生を肯定できると思いませんか。だから私は「絶対うちに入社してくれ」とは言わない。少なくとも就職活動は大きな転換点であるので、そんな転換点を迎える学生達を、惜しみなく、純粋に応援したいのです。

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つづきは後編(「真のグローバルマインドは、インターンシップで教わった」伝説インターンに迫る(後編)【三井化学】)へ


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