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メーカー勤務の宿命!?工場実習とは?【現役社会人からのメッセージ】

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はじめに

メーカーへの就職を選択肢に考えている方も少なくないはず。日系メーカーに就職した人の多くが経験するのが工場実習。どうして事務職で入ったのに工場実習をするのか、その間にデスク作業をした方が自分のためになるのではないか、と思う人もいるかもしれませんね。

今回は日系メーカーで工場実習を経験した方に、業務内容やそこから得られた学びについてお聞きしました。メーカー志望でなくとも、一読の価値があります。

工場実習

筆者について

はじめまして、higogushiと申します。私は新卒で大手日系メーカーに4年務めた後、同業大手メーカーに転職し、ビジネスプランニングをしています。
私も就職活動をしていた際、この『外資就活ドットコム』を見ていました。サイトをご覧の皆様は、戦略コンサル、外資金融、総合商社を目指している方が多いと思います。

私も戦略コンサルや総合商社等を目指していた時期もありました。ただ、最終的にはメーカーのシステム部門でSEをやった後に、転職をしてメーカーでビジネスプランニングをするという道を選んでいます。

戦略コンサルや総合商社に行った場合、製造現場で汗水垂らして働くという経験は得ることが出来ないでしょう。工場勤務は学生の皆様にとってすれば「どうして大卒・院卒の私たちが?」と思うことも、正直あるかもしれません。自動車絶望工場(講談社文庫 鎌田彗著)といったルポルタージュも書かれているほどです。 

しかし私は、工場実習でしか得られないことがあり、そのおかげで今のビジネス企画業務ができていると思っています。今回は、私の経験した工場実習の姿と、そこから得られたことについてお伝えしたいと思います。

女性でも夜勤あり、一切甘やかされない環境

工場実習とは、日系メーカーでよく行われている研修制度です。大卒新入社員を数ヶ月間製造ラインに投入し、モノづくりの現場を経験させます。例えば、トヨタ自動車や本田技研工業といったグローバル完成車メーカーでは、製造ラインで文字通りのクルマ作りをすることになります。

私は新卒で入社し、3ヶ月程度の研修を受けた後、工場実習に行きました。実習では約9ヶ月間製造ラインで金属部品の組み付けや品質検査を実施していました。大卒、院卒であろうと基本的に甘やかされることはなく、現場の叩き上げの方や期間従業員の方(言葉を選ばずに書けば季節工)と同じ職場で働きます。怪我持ち等であれば、多少は身体的負荷が低い所や事務作業に配属されることもありますが、基本的には性別/国籍関係なく配属されます。私が勤務していた会社では、女性も夜勤をしていました。

工場実習の1日は非常にシンプルです。始業時間に工程に入り、2時間作業した後に休憩をする、このサイクルを4回繰り返します。残業があれば、もう1サイクル追加されるようなイメージです。夜勤の週であれば、始業時間は日勤の12時間後ぐらいです。設備産業(化学や金属)では設備を止められないので、連操勤務となりますが、組立製造業であれば、上記のサイクリックな1日となります。

実作業中では、タクトタイムと呼ばれる、1製品あたりの作業時間が厳格に定められています。作業者はタクトタイム内に作業を完了させなければいけません。

ここまで聞くと、大変そうでやりたくないなあ……というイメージを持つかもしれません。では、私が工場実習を経験したからこそ分かったことをご紹介していきます。

少しのミスも許されない!厳格な生産現場のプロフェッショナルたち

私が工場で学んだことは大きくわけて3点あります。1つ目は品質を損なうのは簡単だということ、2つ目はいくら正論を言っても実現出来なければ意味が無いということ、そして3つ目が自分1人で働く訳ではないということです。

品質を損なうのは簡単なこと

工場では1日あたり100を超える製品に対して、作業をしていきます。それぐらいの生産性が無ければ、製造業も収益取れませんからね。作業者にとっては、製造ラインを流れている製品は言ってしまえばOne of themです。しかし、お客様にとってみれば、製品はOnly oneなのです。同一作業を1日に100回以上サイクリックに繰り返す単調さ、そこからくる疲労感の中で、私は正直どこかで手を抜いてしまうこともありました。

しかし手を抜いてしまった時、見逃した不具合等は必ず後工程で見つかりました。手抜きで後工程に流してしまったことが発覚した場合は、こっぴどく叱られます。100人を超える人達が同じ製造ラインで働いていますから、少しでも手を抜いてしまったら、全体の品質に対する信頼も一夜にして崩れ去ってしまいます。

品質を確実に担保するために、製造業では生産技術担当者が作業標準を作りこんでいきます。Made in Japanの品質は日本人のきめ細かさで担保されているという言説もありますが、自動車や電機製品といったものは徹底した作業標準化によって常に安定した品質が作りこまれていると個人的には感じました。有名な生産方式について書かれた本にも似たようなことが書かれていますが、現場で働いたからこそ腹落ちしたのかなと思います。

正論を言っても実現出来なければ意味が無い

皆様は、未来の製造業はヒューマンレスの全自動工場で行われると思いますか?私は工場で働く前は、人間は工場で働かなくて良くなると思っていました。ロボットに代替できると思っていました。しかし、実際に工場で働いてみると、それが甘い幻想であるということがわかりました。
私は工場実習中に、多関節産業用ロボットに動きを教示する作業にも携わりました。ロボットを動かすためには、座標空間上のある点から別の点への動きを細かく教え込まなければなりません。一方、人間は、ここをこういう風に作業しろと口頭で指示さえすれば、作業が出来てしまうのです。新しいモノの飲み込みといった所では、人間とロボットには大きな差があることが分かりました。全てをロボットにした所で、ロボットに作業を教えこむ所で時間がかかってしまう、オールロボットラインでは市場の変化への同期的追随が難しいとも感じました。

この経験から、いくら企画を立案した所で、実現させられなければ意味が無い、そして実現までの途上には往々にして想定外の障壁が存在する、ということを実感しました。製造業は、設備的な制約が絡んでくるので、実現性が大切なのです。逆に言えば、このような制約を解決する企画こそがモノづくりのイノベーションなのかもしれません。

自分1人で働く訳ではない

製造ラインだけでも、製品に関わる人数は100を超えますから、製造プロセスで各人が付加している価値はごくわずかかもしれません。しかし作業が積み重なっていくことでまとまった価値を市場に提供出来るようになるのです。実作業する人や、設備保全をする人、さまざまな人がいて製品は工場で形になっていくと感じました。誰かがミスをしても、後ろにいる人がミスを見つける、一人ひとりの与える価値はわずかでもそれを積み重ねることで社会に対して大きな影響を与えることができる、自分だけでモノづくりをしているのではないということを学びました。

工場実習は日本だけ?現場の知見がコンサルで花開く

将来的にビジネスの企画やコンセプトづくりを担っていく方が『外資就活ドットコム』のユーザーには多いと思います。総合商社や戦略コンサルでビジネスコンセプトを作っていく方もいるでしょうし、金融の世界でM&A等の会社のあり方そのものに関わっていく方もいるでしょう。また、ベンチャーを立ち上げる方もいると思います。

日系メーカーの企画職(いわゆる事務系総合職)を見ている方は多数派ではないかもしれませんが、工場実習を経て、メーカーの企画を立案するといったキャリアをファーストステップに選ぶのも悪くは無いと思います。

工場実習という文化は日系メーカー独特のモノかと思います。海外では大卒/院卒が現場で汗を流しながら働くといったことはかなり珍しいです。私が今までに関わってきた海外のグローバルメーカーの方からは、工場実習のようなカルチャーを聞いたことがありません。工場実習の数ヶ月は日系メーカーの宿命とも言うべき、耐えの数ヶ月ではありますが、現場での経験は今後のキャリアでなかなか得ることが出来ない知見を与えてくれると思います。

メーカーで働き続けるにしろ、メーカーから商社や戦略コンサルにキャリアチェンジするにしろ(このキャリアチェンジは私の身の回りではそれなりに聞きます)、メーカーの現場で少しでも働いた経験は自分独自の武器になると思います。

最後になりますが、汗を流した後に現場の同僚と飲むビールの美味しさは格別でした。

おわりに

実際に工場実習での学びをビジネスプランニングに生かしているというお話は、説得力があったのではないでしょうか。

社会人になれば、表立って輝ける、やりたい仕事ばかりとは限りません。そうでない仕事に出会った時、その機会を利用するくらいの気持ちで、精一杯取り組むことが大切なのかもしれませんね。

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