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ロジカルだけではNG?!企業から求められる最優秀人材の条件【CEO本音対談:シンプレクス✕ワークスアプリケーションズ】

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はじめに

グローバル人材の必要性が叫ばれる昨今ですが、新卒採用においても海外人材を積極的に採用する傾向が強まってきました。国内学生と比較して優秀な海外学生が多いことが一番の理由であり、知らず知らずのうちにグローバル競争が始まり、日本人学生の「椅子」はすでに奪われ始めています。

こういった優秀層を求める企業は、国内新卒学生に何を期待しているのでしょうか?また、海外大出身者に負けないビジネスパーソンとしてのスキルを身に付けるにはどうすればよいのでしょうか。

今回はそんな疑問にお答えすべく、金融業界に特化したITソリューション・サービスを提供するシンプレクスの金子英樹CEO、世界で初めて学習型人工知能を搭載したソフトウェアの開発に成功し、アジアシェアNo.1として不動の地位を築くワークスアプリケーションズの牧野正幸CEOのお二方による対談をお届けいたします。

急成長を続けるベンチャー企業として注目を集め、今なお拡大を続ける両社。人材に対する両CEOの厳しく熱い目線、ぜひお確かめください。


シンプレクス CEO 金子英樹氏(左)/ワークスアプリケーションズ CEO 牧野正幸氏(右)

論理的思考力だけでは不十分。「前提条件」を作り出せる人材を求めている

―新卒採用ではどのようなことを重要視していますか?

金子(シンプレクスCEO):実は、「システム会社で優秀な社員になれそうな人を集める」っていう発想は全くないんですよ。基本的にはとにかく優秀な人材が欲しい。その人がITの専門性をもっているかどうかは問題ではありません。

牧野(ワークスアプリケーションズCEO):欲しいのはトップ層。国内外問わずに最優秀な人材しか見ていません。ビジネスの世界にあらかじめ用意された正しい答えなどない。単に「スキルがあります」とか「勉強ができます」とか、キャッチアップさえすれば誰もができることを得意とする人材はいらないんです。

だからうちの新卒採用では能力発掘型のインターンシップを行っています。大学での成績も部活動の経験も、入社意思さえも一切問わない。超難関と言われるインターンシップですが、それを突破できる優秀な人材だけを求めています。

―具体的には、どういった人材でしょうか?

牧野:まず論理的思考力を有する人材で、要は地頭の良さ。これは試験で判断することができます。

そして最も重要なのは発想を転換できるクリエイティビティ、自分の頭で考える力を持っている人材です。これはハウツー本通りに行われる面接では測ることができません。答えのない問題にチャレンジし、例え間違っていようとも自ら答えを創り、実行に移せる人です。

「やり方や前提条件を教えてもらわないと何もできません。その代わり覚えることが何百個あろうとも、いち早くキャッチアップして間違いなく最適な解を導き出すことはできます」といったタイプの人材は、それほど必要じゃないんですね。

金子:私が考える「優秀な人材」とは、ビジネス的に頭の切れる人です。条件は二つあって、一つは論理思考力。これは、牧野さんも言ったとおりですが、これだけでは困るんですね。なぜなら、ビジネスの世界では誰も前提条件を与えてくれないからです。

前提条件を与えれば即座に一番正しい答えを見つけ出すというのは、タスクをこなすだけになります。論理思考力しか持っていない人が犯す間違いは、前提条件を自分で考え出すことができないので、常識や既成概念を前提にしてしまうこと。その上にロジックを積み上げるから、みんな同じ答えになってしまいます。

大企業がイノベーションや創造性に欠ける理由は、論理思考力しか持っていない人間を「優秀な人材」とし、経営企画やマーケティング企画に配置するからです。

もう一つの条件は、頭が柔らかく、普通の人が受け入れている既成概念や常識を取っ払い、自分の目で見て考えて、ゴールにたどり着くために置くべき前提条件を発想できること。他の人と違う前提を置けるからこそ、他の人と違う答えを導き出すことができるのです。

前提を疑い、柔軟な発想を求められる環境で経験を積め

シンプレクス CEO 金子英樹氏
1997年にシンプレクス・リスクマネジメントを設立。2000年、シンプレクス・テクノロジーに社名変更、代表取締役社長に就任。 02年2月、JASDAQ上場を果たし、05年9月に東証一部上場。14年1月、シンプレクスに社名変更。金融システムの専門家集団として業界の内外で脚光を浴びる

―今、就活している学生が、キャリアパスを決定する上で注意すべきことは何でしょうか。

金子:今はタスクをこなすだけの競争で生きながらえるのは、大企業でも難しくなっています。なるべく若いうちから前提を疑い、自分の頭で考え、自分の目で見、柔軟な発想をできるトレーニングを積むべきなのですが、その経験は何もかもが既に整っている大企業では積みにくい。逆にベンチャーこそ、こういった経験を積むには最適なのではないでしょうか。

牧野: ビジネスの根幹も学べずに、与えられる答えを覚えることが勉学の基本とされている現在の学生にとって、20代は自分の成長に重きを置くべきだと思います。

業界や職種一つとっても、会社によって実際の仕事内容やプロセスはさまざまです。それなのにブランドや何となくの印象に踊らされて「この会社がいい」「この業種がいい」「この職種がいい」と決め打ちしてしまう。私は学生の皆さんに本当にそれで良いのかと問いたいですね。

まずは自分をビジネスパーソンとして成長させることだけを考えて、そこに一番都合の良い会社を選んだ方がよっぽど良いと思います。

そして若いうちにトレーニングに時間を費やすことは、実は長い人生スパンで見ると成功への一番の近道になります。思う存分自分の実力を鍛えれば、その後は自分の好きにやれるのですから。

優秀人材を早期に飛び級させ、より成長機会を用意する―「スキップ制度」「ユニット制度」

ワークスアプリケーションズ CEO 牧野正幸氏
1996年、ワークスアプリケーションズを設立。アジアトップシェアを誇るビジネスアプリケーションを開発・販売。2015年、アジア8カ国900社の中から「働きがいのある会社」ベストカンパニーを受賞。ロサンゼルス、ニューヨーク、上海、シンガポール、インドに拠点開設

―入社後、どのような形で社員の成長を促していらっしゃいますか?

牧野:ワークスアプリケーションズでは入社後、約半年で「Starter Mission(略称:STM)」といういわゆる新人研修を行います。

このSTMでは課題を与えたきり質問も一切受け付けない、徹底して何も教えないということです。まず、自分の頭でゼロから考えるという思考訓練をするのです。

これは、インターンシップより数十倍も難しく、合格した者から現場の最前線に送り出す突破型になっています。そして現場では、例えるなら一般企業のマネジャークラスがこなすような難しい仕事を最初からぶつけていきます。

本当に優秀な人材は与えられることに満足しません。それよりむしろ自由な環境で、自ら創り出すアイデアを実現することを好みます。だから年次さえ関係なく、常にチャレンジし続けられる環境を用意するのです。

金子:優秀な人材は会社側が何もしなくても伸びていく。仕組みとして大事なのは、この人材が成長するのを邪魔しない環境を提供するだけです。

シンプレクスでは、新卒社員は入社後6年間で相対評価をされ、上位10~20%の人たちは飛び級できる「スキップ制度」を用意しています。飛び級すると翌年は上の先輩と同じ給料になり、同じレベルの仕事をする。その中で今度は先輩たちと競争し、さらに上位1~2割に入れば今度は2個上に上がる。

最近ではトリプルスキップする社員も出始めました。6年で到達するキャリアを3年でクリア。22歳で入社すれば25~26歳でかなり高いレベルまで成長し、30歳前半には執行役員が見えてくる。優秀な人材はこの仕組みに乗ってくれれば自然と難しい仕事もできるようになるし、出世もします。

牧野:なるほど。うちの場合、昇進昇級は同僚同士の360度多面評価で決めています。それこそニューヨーク拠点の立ち上げの際、責任者として抜擢されたのは入社2年目の新卒社員でした。

日本企業の多くは輪が乱れることがないよう先頭ではなく後ろに歩調を合わせた育て方をし、突出した出世のさせ方はしない。

でもグローバルで見れば、どの企業も優秀層を早いうちに引き上げている。その中で早くから難しい仕事にチャレンジし、30歳までの間に相当の力をつける。日本にも、こういった育て方をする企業がなければ、世界と戦えるはずがないんですよ。

金子:そして引き上げるだけではなく、どう成長の機会を与えるか。このため新卒社員が、トップで走っている先輩と必ず1年間ガッツリ働けるチャンスを我々は与えています。「ユニット制度」と呼んでいます。

新卒社員の成長を促進するのに重要な要素は、若くて生意気盛りの時に、優秀な先輩と働く機会を多く与えることです。

そこでスキップ組の社員をユニットリーダーにし、新卒2人とユニットを組ませます。仕事はユニットリーダーのレベルに応じて2人分振ります。リーダーは一人分の仕事を自分でやり、もう一人分は、若手二人に自分と同じレベル・クオリティのアウトプットを出すよう、指導します。

これはユニットリーダーにとっても意味があります。指導する上ではこれまでやってきた仕事を、自分の頭の中で再度全部理解し、明確に腹落ちさせた上で、新入社員に教えることを求められます。すると仕事に対して、今まで以上に広く、本質的な理解が得られるんですね。

世界で戦える「ポータブル」な力を身に付けろ

―優秀人材が、世界で勝負できるようになる場を提供しているんですね

牧野:繰り返しになりますが、誰にでも言えるのは、どこの世界に行っても通用する能力を身に付けることです。知識やスキル、技術といった類のものは、あくまでツールでしかありません。それらを極めるよりもむしろ、それらを駆使して何を新しく生み出せるのか、その思考が重要なんです。

金子:そういうどこの世界でも通じる能力を、私は「ポータブルなノウハウ」と呼んでいます。

うちにきたら金融工学の知識を得られますかとか、プログラミングの新しいフレームワークが出てきたから、それにチャレンジしたいとかは駄目ですよ。今新しいかもしれないけど、3年後には陳腐化してバリューがなくなる知識・ノウハウを得ようとしている。

必要なのはバリューがあり、ポータブルな能力。どんな分野に行っても「仕事できるね」と言われる仕事の仕方が極めて大切。身に付けて欲しいのは、シンプレクスだからといって金融工学やITではなくて、「どういう仕事の仕方をしたらビジネスパーソンとして優秀になれるか」なんですよ。

仕事ができるようになるための第一条件は、自分の興味があるないに関わらず、与えられたミッション、会社が任せたミッションをいかに120%でこなすかです。120%で結果を返そうと思ったら、絶対に本質を考えないといけないし、色んなことをやらないといけない。そして、分野を問わず知的好奇心が湧いてきます。

だからこそ、どこに行っても通用するんですよ。僕自身を取ってみても、金融にもITにもこだわりはない。

最初から優秀な人たちと戦える場所へ向かえ!

―海外の優秀層と比べ、日本の学生のレベルはどうでしょう?

牧野:現在弊社はグローバル展開を加速しており、毎年100名超をインド工科大学やシンガポール国立大など世界トップ大学から採用していますが、海外の人材は本当に優秀ですよ。

STMで日本と海外の新卒を混ぜると、日本で中途半端に「自分は優秀だ」と思っていた人は、ほぼ全員、鼻をへし折られて帰ってきます。まったく歯が立たないんですね。日本と違い、海外の人材は高校に入る時から、自分のキャリアを見据えて競い合っている。

だから入社時点ですでに3~4倍の能力差が生じるのは当然なんですね。それもあって、うちでは多くの日本人社員を海外に送り込んでいます。今の学生に求められているのはグローバルな競争。ですから、早い段階で海外の優秀層がどのレベルの仕事をするのかを見ておく必要があるんです。

金子:グローバル視点での競争を意識することはとても重要です。

例えば製造業のサプライヤーが「グローバルは関係ない」と言っていても、もし親会社が海外進出すれば、自分には見えていなくても、自動的に海外のサプライヤーと比較され、競い合わされ、負ければ失注します。

これは学生も同じ。全ての人は気づかないうちにグローバルな競争にさらされている。タスクをこなすだけの仕事なら、やり方さえ確立していれば、アジアはじめ発展途上国の人たちに容易にリプレースされてしまう。

タスクをこなす足腰があることは前提で、0を1にすることにチャレンジする機会を与えられ、モノにした人だけが、もっとスーパーになれて生き残れる。ですから「最初から優秀な人たちと戦える場所へ向かえ!」と学生に伝えたいですね。

(対談・了)

おわりに

外資就活ドットコム初のCEO対談、いかがでしたでしょうか。

知らず知らずのうちにグローバル競争に飲み込まれていること、どこでも通用する力の身に付け方・選ぶべき環境について、さまざま直言いただきました。「就職先は、真に成長できる環境を重視せよ」というのは、とても大事な視点ですね。

本記事が皆さんの参考になりましたら幸いです。


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